解剖学

距骨下関節の解剖学とバイオメカニクス

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あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、距骨下関節という、身体にとって非常に重要な関節があります。

この距骨下関節が動かないことで、腰痛や坐骨神経痛、膝の痛み、股関節の痛み、肩こり、首の痛みなどを引き起こすことがあります。

そんな重要な距骨下関節の解剖学とバイオメカニクスについて解説します。

距骨下関節の解剖学

距骨下関節は、距骨と踵骨の前・中・後関節面により構成されます。

距骨下関節の関節面の構造は、後関節面が全体の70%を占めています。

距骨下関節の前・中関節面は小さく、平坦な関節面です。

距骨下関節の後関節面は、距骨の凹と踵骨の凸で構成されています。

距骨下関節は踵骨溝内と距骨溝内の骨間靱帯によって補強されています。

足根洞

また、踵骨溝と距骨溝とが合わさってできたトンネルのことを足根洞と呼びます。

距骨溝

前踵骨関節面と中踵骨関節面の後から斜めに後内側から侵入して外前方に向かって広くなる距骨溝と呼ばれる溝があります。

踵骨溝

中距骨関節面と前距骨関節面の後内方から前外方に向かう踵骨溝となり、その外側半分は踵骨の前縁にまで達する広い陥凹した粗面となります。

距骨下関節に関わる靱帯

距骨下関節の後の関節は、3つの細い距踵靱帯によって補強されています。
・内側距踵靱帯
・後距踵靱帯
・外側距踵靱帯

しかし、内側距踵靱帯、後距踵靱帯、外側距踵靱帯の靱帯は距骨下関節の主要な安定機構ではありません。

なぜなら、この3つの靭帯は距骨下関節を横切るものではないからです。

反対に、頚部靱帯、骨間靱帯は距骨と踵骨をつなぐ、距骨下関節にとって強力な結合組織であるといえます。

頚部靱帯、骨間靱帯は距骨下関節を開かないと観察はできません。

距踵靱帯と違い、広くて平坦な靱帯は足根洞の中を斜めに横切っています。

距骨下関節の外反を制限する靱帯

  • 骨間靱帯
  • 三角靭帯脛舟部繊維

距骨下関節の内反を制限する靱帯

  • 頚部靱帯
  • 踵腓靱帯

距骨下関節の靱帯の役割で重要なことは、足関節の極度の外がえしと内返しを制限することです。

距骨下関節のバイオメカニクス

  • 回内
  • 回外
  • 内旋
  • 外旋
  • 若干の底背屈

関節の動きを考える際に、どの骨がどの骨に対して動くのかという観点が大切になります。

距骨下関節の役割

  • 後足部の位置を制御すること。
  • 間接的に遠位の関節の動きを制御すること。

特に横足根関節(ショパール関節)は距骨下関節の影響を受けます。

回外時

距骨下関節が最大回外位時には、足首の締りの位置になります。

これは、いわゆる硬い足の状態です。

これは、距踵舟関節踵立方関節の運動軸が交差することにより起こります。

距踵舟関節踵立方関節は、横足根関節(ショパール関節)を構成する関節ですが、距骨下関節の動きとも連動しています。

回内時

対称的に、距骨下関節の最大回内時には、中足部全体の可動性を増加させます。

回外時とは逆に、距踵舟関節踵立方関節の運動軸が交差して、ねじれがもとに戻り、平行となります。

その結果、中足部の可動性が増加します。

これは、いわゆる柔らかい足の状態です。

歩行時において重要

距骨下関節の回内、回外の動きがスムーズに行えるかどうかというのは、中足部に影響します。

歩行を適切に行う上で非常に重要なことであるといえます。

非荷重位の場合

距骨下関節の場合、非荷重位では距骨に対し踵骨が動きます。

非荷重位では、距骨下関節単体での動きが可能です。

荷重位の場合

ところが、荷重位(地面に固定された踵骨に対して距骨が動く場合)距骨下関節だけの動きは不可能です。

距骨が動く際には下腿も必ず動くので、距腿関節の動きがでます。

舟状骨も距骨と関節を構成しています。(距舟関節)

そのため、舟状骨にも動きが伝わります。

距骨下関節の運動軸

  • 水平面;42度(20~69度) 
  • 矢状面;23度(4~47度)

距骨下関節の動きにおいて、距腿関節の動きは関与しません。

試しに、踵骨を握ったまま回内運動と回外運動をやってみてください。

すると、距骨に触れながら行うと、距骨の動きが起きないことがわかります。

つまり、距骨の上を踵骨が動いていることがわかります。

ただ、実際の動きにおいては、ほとんどが足の底を地面についた荷重下で行います。

荷重下で行うと、踵骨に対し距骨の動きも出ます。

荷重下で行うと、踵骨に対し距骨の動き、距腿関節に影響が出て、下腿も連動して動くことになることがわかります。

距骨下関節の回内では、下腿の内旋が起きます。

距骨下関節の回外では、下腿の外旋が起きます。

まとめ

実際のヒトの動きにおいては、殆どが足底を地面についた荷重下であり、踵骨に対し距骨が動くことになる

距骨が動きに下腿も連動して動く(下腿内旋外旋)

距骨下関節の靱帯において重要なことは、「極度の外がえしと内返しを制限すること!」 とも言えます。

距骨下関節の回内、回外の動きがスムーズに行えるかどうかというのは、中足部に影響します。

歩行を適切に行う上で非常に重要なことであるといえます。

 

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表 合同会社FRAGMENT 代表 川崎浩司 厚生労働大臣免許 柔道整復師 WCCA認定 上級ウェブ解析士 医学的根拠に基づいた施術のこと、体作り、ダイエット情報を発信していきますのでよろしくお願いします! 詳しいプロフィールはこちらこちら 

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