解剖学

距骨の解剖学とバイオメカニクス(距骨は人体で唯一筋肉が付着しない骨)

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距骨という骨をご存知でしょうか?

あまり聞き馴染みがない骨の名前かもしれません。

身体にとって、非常に重要な役割を持つ骨でもあります。

また、距骨は人体で唯一筋肉が付着しない骨でもあります。

そんな地味ですが、重要な距骨についてまとめました。

距骨の解剖学

距骨は、足首の中で一番上の部分に位置し、下腿(脛骨・腓骨)の骨と関節を構成しています。

 

下腿(脛骨・腓骨)の骨と関節を構成する関節を「距腿関節」と呼びます。

先ほども書きましたが、距骨の最大の特徴として、人体で唯一筋肉が付着しない骨です。

つまり、距骨は、直接的に筋肉による影響を受けないということです。

距骨は、筋肉に直接支えられていないとするということは、何に支えられているのでしょうか?

距骨の位置や安定性は、骨と靭帯、関節包に依存しています。

また、靭帯は緻密結合組織であり、血流があまりないが治癒能力を有する

距骨に付着する靭帯

画像引用元 http://www.fff.or.jp/seikei/sportsmedical_center/ankle01.html

距骨に付着する靭帯

前側

  • 距舟靭帯
  • 前距踵靭帯

後側

後距踵靭帯

内側

  • 前脛距靭帯
  • 後脛距靭帯
  • 内側距踵靭帯

外側

  • 前距腓靭帯
  • 後距腓靭帯
  • 外側距踵靭帯

 

余談ですが、いわゆる足の捻挫(足関節内反捻挫)の際、によく損傷する靭帯は外側にある前距腓靭帯です。

軽度の足の捻挫(足関節内反捻挫)でもまず先に損傷する可能性が高いのが外側にある前距腓靭帯です。

この9個の靭帯が、距骨と距骨周囲にある骨との連結して、距骨は正しい位置をキープしています。

前距腓靭帯は、距骨が前内側に行くことを阻止しています。

なので、いわゆる足の捻挫(足関節内反捻挫)をすると前距腓靭帯が損傷するわけですね。

距骨のバイオメカニクス

下腿(脛骨・腓骨)の骨と関節で「距腿関節」を構成しています。

距腿関節は、底屈背屈の動きに関与しています。

距腿関節の背屈時には、距骨は脛骨腓骨の両間に入り込んでいきます。

距腿関節の底屈時には、距骨は脛骨腓骨の両間から距骨が前方へ突出します。

距骨は筋肉が付着していないのに、距腿関節の底屈背屈の動きがなぜ起きるのでしょうか?

答えは、骨の形(構造)や靭帯のテンションによって、距腿関節の底屈背屈が可能になっています。

また、前距腓靭帯が損傷した場合、関わる他の8個の靭帯のテンションによって、距腿関節の底屈時に距骨はより前内側へと引っ張られやすくなってしまいます。

また、距腿関節の背屈時には、より前へ出てしまった距骨が、脛骨腓骨間に戻りにくくなります。

この距骨が前方に突出した状態は、いわゆる距腿関節の「背屈制限」と呼ばれるものです。

おまけ 距腿関節の「背屈制限」の問題

先ほど、距骨の位置は、筋肉による影響を受けないと書きました。

距骨には筋肉が付着していないのですから当たり前です。

距骨の位置は、筋肉による影響を受けないということは、言い換えれば、「距骨の位置は筋によって修正できない」という事でもあります。

通常、足関節内反捻挫を起こした場合、処置をして、然るべきリハビリを行います。

このリハビリの際に、各種エクササイズを行いますが、距骨を筋肉によって正しい位置に持ってくるというのは、直接的にはできません。

靭帯は、緻密結合組織(非弾性組織)です。

靭帯は、基本的には、毛細血管が通っていません。

つまり、、毛細血管が通っていないとうことは、靭帯は再生能力が低い組織なんです。

しかし、靭帯は他の組織と同じように再生能力があり、治癒過程があります。

よく「靭帯は損傷すると治らない」、と言われますが、極論です。

回復に時間がかかりますが、損傷後に速やかに対応することで、良好な治癒過程をたどることが出来ます。

損傷後に速やかに対応し、良好な治癒過程できれば・・・

距腿関節の底屈背屈制限を引き起こす可能性を減らすことができます。

足の捻挫は厄介だと言われるのは、こういった要因があるからです。

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