解剖学

舟状骨(navicular)の解剖学とバイオメカニクス

舟状骨という骨をご存知でしょうか?

手の親指のところにも舟状骨という骨があります。

ちょっとマイナーですが、足にも舟状骨という骨があります。

そんな足の舟状骨(navicular)ですが、船の形に似ているところからその名がつきました。

あまり面白くない記事ですが、私の勉強用も兼ねてまとめました。

舟状骨の解剖学

 

舟状骨には、凹み部分があります。

凹み部分は、船体部分に該当し、距骨を受け止めています。

遠位側では、楔状骨と言われる3つの骨あり、楔状骨と舟状骨は関節を構成しています。

楔状骨は、内側、中間、外側とあり、中足骨が楔状骨の先にあります。

舟状骨が関与する関節

舟状骨に付着する筋肉

舟状骨には、後脛骨筋と呼ばれる筋が付着します。

舟状骨に付着する筋肉は唯一、後脛骨筋のみです。

舟状骨に付着する靭帯

舟状骨に靭帯は、多く付着しています。

  • 背側楔舟靭帯
  • 底側楔舟靭帯
  • 距舟靭帯
  • 背側立方舟靭帯
  • 底側立方舟靭帯
  • 底側踵舟靭帯
  • 脛舟靭帯

舟状骨に付着する靭帯のうち、最も重要なのが底側踵舟靭帯です。

底側踵舟靭帯は、踵骨の載距突起下面、内側から起こり、舟状骨底面と内側に付着します。

底側踵舟靭帯の重要な役割は、距骨頭を支え、内側縦アーチを保持することです。

構造としては、距骨頭を底側踵舟靭帯が支える形です。

また、距骨頭を底側踵舟靭帯が支える場所で、距骨、踵骨、舟状骨とで、距踵舟関節を構成しています。

さらに底側踵舟靭帯は、、後脛骨筋によって支持されています。

距骨頭は、底側踵舟靭帯と後脛骨筋に二重に支えられてということです。

底側踵舟靭帯は、脛舟靭帯とも癒合して強靭な靭帯となっています。

底側踵舟靭帯は、別名「スプリング靭帯」とも呼ばれます。

「スプリング靭帯」と呼ばれるのは、底側踵舟靭帯が弾性繊維を含み、、内側縦アーチを支えていることからです。

舟状骨は「内側縦アーチ」の最も高い場所にあり、重要な骨

内側縦アーチは、第一中足骨、内側楔状骨、舟状骨、踵骨で構成し、アーチ状になっています。

舟状骨はアーチの最も高い位置にあります。

偏平足(回内足)と呼ばれる状態は、舟状骨が低下し、アーチが低くなることを意味します。

舟状骨には、「外脛骨」と呼ばれる、余剰骨が存在していることがあります。

舟状骨には、「外脛骨」と呼ばれる、余剰骨が存在していることがあります。

実は、外脛骨は日本人のうち、10~15%の足に見られると言われます。

外脛骨でも痛みを伴うのは、15~30%といわれています。

ややこしいですが、全体の10~15%の15~30%ですので、外脛骨で痛みが出る方というのは全体の1~2%の方になります。

画像引用元 https://www.leeseikei.jp/seikeigekashikkan/yuutsuseikaikeikotsu

舟状骨のバイオメカニクス

これまで、距骨下関節が一番動くとされていました。

ところが、この動画では、脛骨、腓骨、踵骨、距骨、舟状骨、立方骨、内側喫上骨、第1、5中足骨に骨ピンマーカーを打ち込み!(エグイ・・・)

走行時に、足首の関節が、どれくらい動いているのかを研究したものです。

一番動いているのは、

舟状骨と距骨の関節

その次は、

立方骨と踵骨でした。

つまり、ショパール関節が一番よく動くということになります。

 

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                                               図1 各関節の可動域¹⁾(改変して引用)

1)Toni Arndt Chris Nester et al:In vivo, intrinsic kinematics of the foot and ankle. Journal of Foot and Ankle Research 2012, 5(Suppl 1)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3323658/

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 目立つ看板を出さずひっそりと口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

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