解剖学

距踵舟関節の機能解剖学

身体を勉強していて、とっつきずらいのが「足」です。

骨や筋肉、人体の数も多く、複雑ですよね。

そんな足の中で、ややこしいのが難解なイメージなのが足の後足部です。

いろいろな解剖学の本などを読んでいて、気がつくことがあります。

文献によって異なる定義や関節名です。

「距踵舟関節?」

「踵立方関節?」

「横足根関節?」

教科書レベルでは、出てこなかった名前もバンバン出てきます(笑)

臨床上、後足部は超重要です。

腰痛や肩こりなどのメジャーな症状にも大きくかかわります。

この記事は、一般の患者さん向けの記事というよりは、自分の勉強用に自己満足に書いています。

同業の先生、身体に興味がある患者さんなら多少は面白く読めるかもしれませんが、基本あまり面白くない記事です(笑)

距踵舟関節とは?

距踵舟関節は、距骨、舟状骨、踵骨から構成される関節です。

  • 舟状骨の後関節面
  • 踵骨の前側、距骨関節面
  • 踵骨と舟状骨を結ぶ底側踵舟靭帯の上側が作る関節窩
  • 距骨頭と距骨頚がはまり込む複関節

関節腔は独立していて、内に脂肪を含む滑液ヒダがあります。

関節包の後部は足根洞の前部にあり、骨間距舟靱帯の一部となります。

背側壁は薄い距舟靱帯となり、距骨頚から舟状骨背側面に至り、その内方は内側靱帯脛舟部と合流します。

距踵舟関節の動作は、距骨下関節と連動(運動軸は後外方から前内方)して動き、足の内反、外反に関わります。

足の内反は足の内側縁が挙上して足底は内側に向き、手の回外運動にあたります。

足の外反は足の外側縁が挙上して足底は外側に向き、手の回内運動にあたります。

距舟関節+距骨下関節=距踵舟関節

距踵舟関節と距骨下関節と距舟関節は何が違うのか?

非常に難解ですよね。

実は、距踵舟関節と距骨下関節の前側の関節面は同じところです。

さらに、距舟関節とも同じなんです。

つまり、距踵舟関節、距骨下関節、距舟関節すべてが、同じようなような部分なんです。

結論を言うと、「距踵舟関節=距舟関節+距骨下関節の前側」というわけです。

ただ、距舟関節をどう考えるかで変わってきます。

距舟関節は、舟状骨の凹で距骨頭凸で嵌っています。

つまり

「舟状骨だけで距骨頭を受け止めているのか?」

「踵骨も巻き込んで受け止めているのか?」

ということです。

距踵舟関節と書かれている場合、舟状骨と踵骨で、距骨頭と距骨頚を支えていると定義されています。

距舟関節と書かれている場合、、舟状骨で、距骨頭と距骨頚を支えていると定義されています。

距踵舟関節の動きの考え方は、距舟関節と同じで、横足根(ショパール)関節の一部として考えます。

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 目立つ看板を出さずひっそりと口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

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