解剖学

距骨下関節とショパール関節(横足根関節)の動き方

地味だけど、臨床上重要な関節といえば、距骨下関節とショパール関節(横足根関節)が挙げられます。

この記事は、半分私の記録用、勉強用を兼ねて書いています(笑)

この記事は、あまり患者さんは参考にならないかもしれませんが、医療関係者の方、医療系学生の方が参考になるかもしれませんね。

距骨下関節とショパール関節(横足根関節)の役割は?

横足根関節( ショパール関節) は足首の柔軟性と固定性に関わっていて、距骨下関節の回内、回外の動きに影響を受けます。

簡単にいうと、距骨下関節と横足根関節( ショパール関節) は、足首の柔らかい足モードと、硬い足モードを決定します。

距踵舟関節+踵立方関節=横足根関節(ショパール)関節

距踵舟関節と踵立方関節をあわせて横足根関節、いわゆるショパール関節(Chopart関節)と呼びます。

柔らかい足首モード

距骨下関節が回内すると、距舟関節と踵立方関節の運動軸は平行になり、柔軟性が出て、柔らかい足モードになります。

硬い足首モード

距骨下関節が 回外すると、距舟関節と踵立方関節の2つの運動軸は交差して、足首の動きをロックするために、足部の固定性を高めます。

足首の柔らかい足首モードと、硬い足首モードが破綻すると・・・

柔らかい足首モードのみになってしまうことを回内足(扁平足)

硬い足首モードのみになってしまうことを回外足(ハイアーチ)

と呼びます。

前提として非荷重位での距骨下関節とショパール関節(横足根関節)の連動

この記事では、非荷重位での距骨下関節とショパール関節(横足根関節)の連動についてまとめています。

非荷重位の場合

非荷重の場合、距骨は大きく動かず、踵骨が距骨の下で動きます。

距骨は下腿の延長として働くイメージです。

距骨下関節の回外は、踵骨の底屈、内転、回外で「内返し」の状態です。

距骨下関節の回内は、踵骨の背屈、外転、回内で「外返し」の状態です。

荷重位の場合

荷重位では、踵骨は前額面上(回内・回外)で動きます。

距骨は矢状面と水平面(底屈・背屈/外旋・内旋)で動きます。

荷重位での距骨下関節の回内は、踵骨の回内、距骨の底屈・内旋

荷重位での距骨下関節の回外は、踵骨の回外、距骨の背屈・外旋

このように、距骨下関節は、荷重位と非荷重位では変化します。

荷重位、非荷重位での距骨下関節と下腿の運動連鎖

荷重位では、距骨の回旋(外旋・内旋)によって脛骨の回旋が決定します。

距骨下関節が回内すると下腿が外旋します。

距骨下関節が回外時には下腿が内旋します。

非荷重位では、距骨下関節は距骨が固定された状態となります。

つまり、距骨に対し踵骨が動くことになり、横足根関節の運動が加わります。

距骨下関節と横足根関節の運動軸

距骨下関節の運動軸

  • 水平面から42度
  • 矢状面から16度

横足根関節の運動軸

斜軸と長軸があります。

  • 斜軸(水平面に対し52度、矢状面に対し57度) 斜軸は、回内、回外の動きを行います。
  • 長軸(水平面に対し15度、矢状面に対し9度) 長軸は、内がえし、外がえしの動きがメインです。

 

後足部の回内・回外時の運動

回内位から回外位になるとき、距骨下関節、横足根関節は以下のように動きます。

水平面

  • 舟状骨 距骨頭に対して内方へ滑り5度回転
  • 立方骨 踵骨と舟状骨に対し5度回転して、内方へ滑る
  • 踵骨 軽度前進し、距骨下で内方へ5度回転

この3つの回転は、内転方向へと同じ方向に起きます。

前額面

  • 舟状骨 25度内反し、内側で距骨から僅かにはみ出る
  • 立方骨 踵骨に完全に隠れ、18度内反する 
  • 踵骨 距骨下で内方へ滑り、20度内反する

3つの回転は、内反方向へと同一方向に起きます。

矢状面

  • 舟状骨 距骨頭の下へ滑りこみ、45度回転
  • 立方骨 踵骨と距骨に対し下方へ滑り12度回転 (距骨に対しての下方への滑りの動きは、舟状骨よりも大きい)
  • 踵骨 距骨に対し前進、底屈方向へ10度回転

3つの回転は、底屈方向へと同一方向に起きます。

 

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 目立つ看板を出さずひっそりと口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

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