解剖学 足のトラブル

反張膝(膝関節の過伸展)について

反張膝とは、その名前の通りに膝が反ってしまっている状態です。

通常、大腿骨から脛骨まで真っ直ぐのラインです。

また、脛骨が後方に少し彎曲しているように見えます。

定義としては「膝関節の伸展が5度以上」で、膝関節過伸展あるいは反張膝となります。

一般的に、小さい子供から若い女性に多く、欧米人には少なく、日本人に多いという意見もあります。

この記事では、反張膝や膝関節の過伸展について解説します。

反張膝(膝関節の過伸展)について

反張膝(膝関節の過伸展)は前十字靭帯(ACL)の弛緩にともなう後方関節包の伸張で発生します。

前十字靭帯(ACL)が通常の状態より伸びてしまうことで、反張膝(膝関節の過伸展)になると言われています。

医学的には、一度伸びてしまった靭帯は元に戻りません。

ということは、残念ながら反張膝(膝関節の過伸展)は完全に元に戻ることはないということです。

理論上にはなりますが、ハムストリングや大臀筋の、大腿四頭筋をコントロールすることで、反張膝(膝関節の過伸展)をコントロールすることができるということになっています。

具体的には、

  • 大腿四頭筋や大臀筋の筋活動を上げる
  • ハムストリングの筋活動を下げる

となります。

逆に言えば、反張膝(膝関節の過伸展)の方は

  • 大腿四頭筋や大臀筋の筋活動が低い
  • ハムストリングの筋活動が高い

傾向があります。

反張膝(膝関節の過伸展)の方は、なんらかの要因で足関節や足指関節の動きが悪い傾向があります。

要因としては

  • ハイヒールやサンダル
  • 外傷性
  • スポーツなどによる

が考えられます。

ハムストリングや大臀筋について

反張膝(膝関節の過伸展)の方は

  • ハ大腿四頭筋や大臀筋の筋活動が低い
  • ハムストリングの筋活動が高い

傾向があります。

大臀筋のパフォーマンス低下について

股関節伸展の動きの理想は、大臀筋+ハムストリングスです。

ちなみに、腹臥位の股関節伸展チェックでは、大殿筋の収縮の直後にハムストリングスが入るか、またはほぼ同時とされています。

膝過伸展において、ハムストリングスばかり使われています。

股関節伸展で、大臀筋が遅れて収縮するか、うまく収縮できないということです。

ハムストリングスは膝の後方に付着して、膝の過伸展を強める働きをすると考えられます。

足を地面についた状態でハムストリングスを収縮させると、下腿上部を後方に引くことになります。

逆に、大腿四頭筋は脛骨を前方に引きます。

大臀筋と大腿四頭筋をしっかり使える環境を作ることが、膝過伸展を改善するカギになります。

前十字靭帯(ACL)の弛緩にともなう膝関節後方関節包の伸張について

膝関節の伸展は、骨の構造で制限されていないので、靭帯や膝関節の後方の関節包などの軟部組織が、ブレーキをかける役目として働きます。

特に重要な軟部組織が前十字靭帯(ACL)です。

膝は伸展位では、スクリューホームムーブメントによって、膝関節がロックがされています。

スクリューホームムーブメントの作用で、筋肉を使わずに膝関節をロックすることができるわけですね。

このスクリューホームムーブメントを起こす要因のうちの一つが前十字靭帯(ACL)でもあります。

膝過伸展が定着しているということは、前十字靭帯(ACL)が弛緩している状態です。

膝過伸展しているということは、後方の関節包は引き伸ばされ、緩んでいる状態が定着しているとも言えます。

膝関節のスタビリティが低下しているとも言えます。

反張膝、膝過度伸展を姿勢から考える

「姿勢が悪い・・・」と自覚がある方の膝は、過伸展傾向にあります。

膝過伸展しているからこそ、骨盤が前方に突出しているとも言えます。

また、膝過伸展は、距腿関節の背屈制限によって発生します。

距腿関節が背屈できない状態で立位になると、下腿が後方にスライドします。

つまり、膝が過伸展するということですね。

下腿が後方にスライドすることで、身体を通る重心線は膝関節のやや前方を通ることになります。

これは、通常より重心線が前です。

結果として、猫背と言われる状態になります。

反張膝、膝過度伸展の場合の歩行

反張膝、膝関節過伸展の状態での歩行は、立脚期においての踵の接地時間が長くなるという特徴があります。

踵接地期から立脚中期を経て踵離地期の期間が長くなるということです。

  1. 踵接地期では、膝は(0~5度)伸展します。
  2. 立脚中期で再度膝が伸展
  3. 踵の離地へ移行
  4. 再度、膝屈曲
  5. 遊脚期では、さらに膝を屈曲し(最大60度屈曲)足を前方へ

膝関節過伸展の場合、踵接地期や立脚中期で過伸展を示す傾向があります。

踵接地期や立脚中期で過伸展するということは、遊脚期での屈曲までの時間が長くなります。

理由は、過伸展している分、屈曲へ移行するのに時間がかかるからです。

また、踵の離地も遅れます。

この結果、膝関節過伸展の場合は、十分に蹴り出すことが出来ず、推進力を発揮することが出来ません。

まとめ

反張膝とは、その名前の通りに膝が反ってしまっている状態です。

通常、大腿骨から脛骨まで真っ直ぐのラインです。

また、脛骨が後方に少し彎曲しているように見えます。

定義としては「膝関節の伸展が5度以上」で、膝関節過伸展あるいは反張膝となります。

具体的には、

  • 大腿四頭筋や大臀筋の筋活動を上げる
  • ハムストリングの筋活動を下げる

ということが有効になります。

参考論文

https://ci.nii.ac.jp/naid/130005417253

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
アバター

川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 看板も出さず宣伝広告を一切行わない、口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

-解剖学, 足のトラブル

© 2020 東京都豊島区東長崎「ながさき整骨院」