踵骨(calcaneus)の骨は、足根骨の中でも、一番メジャーな骨です。
また、踵骨は足根骨の中で一番大きな骨でもあります。
この記事では、自分の記録用も兼ねて踵骨の解剖学とバイオメカニクスについて書きました。
踵骨(calcaneus)の解剖学
画像引用元
https://www.weblio.jp/content/踵骨
踵骨と関節する骨
踵骨に停止する筋肉
下腿三頭筋(腓腹筋内側頭・ヒラメ筋)
下腿三頭筋はアキレス腱を介して踵骨に付着しています。
アキレス腱は踵骨粗面という部分に付着します。
踵骨が起始する筋肉
- 短趾屈筋
- 足底方形筋
- 母趾外転筋
- 小趾外転筋
踵骨が起始する筋肉は、足部内在筋です。
また、足底腱膜も踵骨に付いています。
足底腱膜は足部のアーチを支えるうえでとても重要です。
また、足部内在筋と足底腱膜は、踵骨の外側突起、内側突起という部分から始まっています。
また、足底腱膜は足部のアーチを支えるうえでとても重要です。
踵骨が構成する関節
踵骨のバイオメカニクス
踵骨は、歩行時に一番最初に地面と接触する部分です。
踵骨後部が丸みを帯びていて、最初に地面に面するのに適した形状をしています。
ピストルっぽい形ですね。
歩行時には、まず踵骨後部が地面と接触します。
踵骨後部の丸みによって、踵骨が前に転がるように動きます。
すると、足部の中足部、前足部が地面に触れていきます。
この仕組みを「ヒールロッカー」と呼びます。
ちなみに、足部には3つのロッカーがあります。
- ヒールロッカー
- アンクルロッカー
- フォアフットロッカー
足部の3つのロッカーの働きによって、歩行時には楽に前に進めるようになっています。
距骨下関節のバイオメカニクス
距骨下関節の役割
- 後足部の位置を制御すること。
- 間接的に遠位の関節の動きを制御すること。
特に横足根関節(ショパール関節)は距骨下関節の影響を受けます。
距骨下関節の動き
- 回内
- 回外
- 内旋
- 外旋
- 若干の底背屈
関節の動きを考える際に、どの骨がどの骨に対して動くのかという観点が大切になります。
回外時
距骨下関節が最大回外位時には、足首の締りの位置になります。
これは、いわゆる硬い足の状態です。
これは、距踵舟関節と踵立方関節の運動軸が交差することにより起こります。
距踵舟関節と踵立方関節は、横足根関節(ショパール関節)を構成する関節ですが、距骨下関節の動きとも連動しています。
回内時
対称的に、距骨下関節の最大回内時には、中足部全体の可動性を増加させます。
回外時とは逆に、距踵舟関節と踵立方関節の運動軸が交差して、ねじれがもとに戻り、平行となります。
その結果、中足部の可動性が増加します。
これは、いわゆる柔らかい足の状態です。
歩行時において重要
距骨下関節の回内、回外の動きがスムーズに行えるかどうかというのは、中足部に影響します。
歩行を適切に行う上で非常に重要なことであるといえます。
非荷重位の場合
距骨下関節の場合、非荷重位では距骨に対し踵骨が動きます。
非荷重位では、距骨下関節単体での動きが可能です。
荷重位の場合
ところが、荷重位(地面に固定された踵骨に対して距骨が動く場合)距骨下関節だけの動きは不可能です。
距骨が動く際には下腿も必ず動くので、距腿関節の動きがでます。
舟状骨も距骨と関節を構成しています。(距舟関節)
そのため、舟状骨にも動きが伝わります。
距骨下関節の運動軸
- 水平面;42度(20~69度)
- 矢状面;23度(4~47度)
距骨下関節の動きにおいて、距腿関節の動きは関与しません。
試しに、踵骨を握ったまま回内運動と回外運動をやってみてください。
すると、距骨に触れながら行うと、距骨の動きが起きないことがわかります。
つまり、距骨の上を踵骨が動いていることがわかります。
ただ、実際の動きにおいては、ほとんどが足の底を地面についた荷重下で行います。
荷重下で行うと、踵骨に対し距骨の動きも出ます。
荷重下で行うと、踵骨に対し距骨の動き、距腿関節に影響が出て、下腿も連動して動くことになることがわかります。
距骨下関節の回内では、下腿の内旋が起きます。
距骨下関節の回外では、下腿の外旋が起きます。
【まとめ】
踵骨は足根骨の中でもで最も大きい骨です。
踵骨は下腿三頭筋をはじめ、足底腱膜、足部内在筋が付着しています。
距骨下関節は骨間靭帯で結合されています。