あまりオープンには施術を受け付けていませんが、子供の施術も行っています。
このところ、子供の施術依頼が増えてきまして、親御さんに説明しているQ&A式で内容をまとめました。
参考にしていただけると幸いです。
子供の施術は大人と違う?
基本的には、それほど大きくは変わりません。
ただ、子供は大人と違って身体のサイズが小さいですから、施術の手数も少ないため、大人よりも施術時間は短いです。
施術と言っても、具体的にどんなことをするのか、よくわからないと思います。
まずはお子さんの施術の前に、親御さんに施術を一度受けて頂くことをお勧めしております。
内股と猫背の関係について
内股を解剖学的にいうと、X脚のことであり、外反膝とも言います。
後ほど解説しますが、X脚・外反膝の場合、骨盤の傾きも影響を受けます。
内股の場合、骨盤の前傾(反り腰)になることが多いです。
骨盤の前傾(反り腰)ですと、腹圧も高くなり、背骨のカーブも大きく影響を受けます。
結果として猫背になってしまいます。
女の子座りをすると内股がひどくなる?
女の子座りをするから、内股を助長するという事を言っている方が多いですね。
前捻角のことが理解できれば、自ずと答えが見えてきます。
前捻角の問題で、女の子座りを選択せざるを得ないというのが正解です。
前捻角について
「前捻角」とは、股関節を構成する骨盤の寛骨臼と大腿骨を上からみた角度のことです。
「前捻角」は、大腿骨頭の中心の線と、水平の線を用いて角度を測ることができます。
前捻角の分類
前捻角は3つに分類できます。
- 正常(10~15度)
- 過度前捻(15度以上)
- 後捻(10度以下)
つまり、「正常な股関節は若干前方に捻れている」ということです。
左右ともに、同じ場合もあれば、違う場合もあります。
右は前捻、左は後捻という場合もあります。
前捻角が大きい場合、股関節外旋の動きが得意で、内旋の動きが苦手ということになります。
胡坐をかく動作は得意だけど、女の子座りは苦手ということになります。
前捻角が小さい場合、股関節内旋の動きが得意で、外旋の動きが苦手ということになります。
女の子座りは得意だけど、あぐらをかく動作が苦手ということになります。
内股の方は、前捻角が小さく後捻のケースが多いです。
つまり、股関節の構造上、女の子座りを選択せざるを得ないのです。
どうしても胡座のような股関節を外旋する動きは苦手なのです。
股関節が硬いとか、柔らかいという話ではありません。
個々の股関節の特性を理解し、施術にあたる必要があります。
内股のメカニズムについて
大腿四頭筋という太ももの前側の筋肉があります。
内股の方は、大腿四頭筋の内側の筋肉が強く、外側が弱いということが挙げられます。
具体的には、内側広筋の斜走繊維が発達し、外側広筋が弱いということです。
内側広筋の斜走繊維は、膝関節を伸展させる働きがあります。
この内側広筋が強すぎるため、膝が過進展して、反跳膝になってしまうケースも非常に多いです。
ふくらはぎの筋肉は逆に、内側が弱く、外側が強いということになります。
内股を改善する考え方としては、外側広筋をうまく使えるようにしていき、内側広筋を弱くしていくということになります。
ふくらはぎの筋肉は逆に、内側が強く、外側が弱くしていくことになります。
内股の解剖学
解剖学的に内股の定義は3つあります。
内股とはX脚のことであり、外反膝とも言います。
解剖学的に内股のことが理解できれば、太ももや股関節だけアプローチしても改善することは少ないことが理解できると思います。
特に、足部へのアプローチは重要になります。
その1 FTAの減少と増大
- 内反膝は、O脚とも呼ばれます。
- 内反膝(O脚)とは、FTAが180度以上の場合のことです。
- 外反膝は、X脚と呼ばれます。
- 外反膝(X脚)とは、FTAが170度以下の場合のことです。
FTAの正常角度は、176度前後。
*FTAは、レントゲンでしか判断できません
その2 ミクリッツ線
ミクリッツ線とは、日本語でいうと、「下肢荷重線」「下肢機能線」と言います。
ミクリッツ線とは、一言で言うと「大腿骨頭の中心」と「足関節の中心」を結んだ線のことです。
正常な膝であれば、膝関節中心(脛骨の内側顆間隆起内側)を通ります。
- ミクリッツ線が膝の内側を通る場合 O脚
- ミクリッツ線が膝の内側を通る場合 X脚
- ミクリッツ線が膝の中心を通る場合 正常
画像引用元
https://pt-matsu.com/mikulicz-line/
*ミクリッツ線は、レントゲンでしか判断できません
その3 Qアングルの減少と増大
Q-Angleは、体表からのチェックが可能です。
QーAngleとは大腿四頭筋腱角のことです。
QーAngleは、上前腸骨棘(ASIS)から、膝蓋骨中心へ引いた線と、膝蓋骨中心から、脛骨粗面に引いた線が構成される角度になります。
大腿四頭筋が膝蓋骨を引っ張る方向を、QーAngleで知ることができます。
QーAngleによって、膝関節のアライメントをみることもできますが、大腿四頭筋の力のベクトルを推測することで、膝蓋骨の安定性をみることができます。
Q-angleの正常角度は、男性は約10度。
Q-angleの正常角度は、女性は約15度です。
- O脚変化=Q角減少
- X脚変化=Q角増大
参考論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/58/4/58_4_441/_pdf