股関節

【股関節の前側がつまる、痛い方必見!】前捻角について解説します!

女性の方に多い、股関節のトラブル。

  • 股関節の前側が痛い
  • 股関節の前側に違和感
  • 股関節の前側につまる感じがある。

という症状は臨床上よく遭遇します。

股関節の前側の痛み、違和感の原因は様々です。

押さえておきたい重要なポイントがあります。

それは前捻角です。

前捻角は、教科書レベルの基本的なことなのですが、意外と知られていません。

自分の前捻角が知ることで、筋トレなどのスポーツなどでも、自分の身体の特性にあった使い方だ理解できます。

前捻角を知り、自分の身体の特性を理解し、ケガや故障がぐっと減るはずです。

前捻角は、膝や足首の痛みにも影響します。

解説します。

前捻角について

「前捻角」とは、股関節を構成する骨盤の寛骨臼と大腿骨を上からみた角度のことです。

「前捻角」は、大腿骨頭の中心の線と、水平の線を用いて角度を測ることができます。

前捻角の分類

前捻角は3つに分類できます。

  • 正常(10~15度)
  • 過度前捻(15度以上)
  • 後捻(10度以下)

つまり、「正常な股関節は若干前方に捻れている」ということです。

左右ともに、同じ場合もあれば、違う場合もあります。

右は前捻、左は後捻という場合もあります。

前捻角が大きい場合、股関節外旋の動きが得意で、内旋の動きが苦手ということになります。

胡坐をかく動作は得意だけど、女の子座りは苦手ということになります。

前捻角が小さい場合、股関節内旋の動きが得意で、外旋の動きが苦手ということになります。

女の子座りは得意だけど、あぐらをかく動作が苦手ということになります。

前捻角を調べる方法

前捻角を調べる方法に、クレイグテストという方法があります。

では、グレイグテストのやり方を解説します。

  1. うつ伏せの状態で、膝を90°曲げます。
  2. 膝を90度曲げた状態で、股関節を内旋します。
  3. 股関節を内旋して、大転子が最も飛び出る股関節の内旋角度が、自身の「前捻角」です。
  • 正常な前捻角 内旋10〜15°で、大転子が最も飛び出る
  • 過度前捻   内旋15°以上で、大転子が最も飛び出る
  • 後捻     内旋10°以下で、大転子が最も飛び出る

もしよく分からなければ、以下の方法でざっくりと判断することもできます。

胡坐をかく動作をしやすいのか、女の子座りがしやすいのか、です。

女の子座りがしやければ、後捻。

胡坐をかく動作をしやすければ、過度前捻。

とざっくり判断して頂いても大丈夫です。

右は女の子座りがしやければ、後捻。

左は、胡坐をかく動作をしやすければ、過度前捻。

と左右違う場合もあります。

前捻角の大きさで、得意な動き、不得意な動きが決まります。

自分の股関節の前捻角を理解することで、ケガや故障を減らすだけでなく、パフォーマンスを上げることができると思います。

過度前捻の特性

 過度前捻は、股関節の安定感に欠けるという特性があります。

股関節の安定感に欠ける理由に、元々の位置が外旋位であるため、外旋を受け入れる股関節後面のスペースが少ないことが挙げられます。

そのため、股関節の外旋を強くすることで、股関節後面に痛みが出る可能性もあります。

つまり、過度前捻は、股関節を内旋させることで、股関節の接地面を増やそうとする傾向があります。

股関節を強く外旋をすることで、逆に股関節の安定感を失うことになり、股関節のインピンジメントを起こす原因にもなります。

スクワットなどのしゃがみ動作などでは、

  • 狭めの足幅
  • 足は少しだけ外向き

が最適だと言えます。

補足しますと、過度前捻の方は、もともと股関節が外旋しています。

過度前捻の方が股関節外旋の動きをすると、逆に股関節の安定感を失います。

過度前捻の方は、外旋を強める必要はありませんので、足の向きはまっすぐ気味、ほんの少し外向きで大丈夫です。

日常生活などでも、無理に股関節を外旋する必要はなく、

「脚の幅は肩幅くらいで、膝を軽く開いて、お尻をストンと落とす」くらいの感覚で大丈夫です。

過度前捻は、男性の方に多い傾向があります。

後捻の特性

 股関節の安定性は高いのですが、股関節の屈曲の動作で、インピンジメントを起こしやすい傾向があります。

スクワットなど、立ったりしゃがんだりという動作が、あまり得意ではない傾向があります。

股関節の屈曲動作に対して、外旋をうまく誘導しないと、股関節のインピンジメントの原因になります。

後捻の場合、中間位がやや内旋になります。

そのため、外旋位に誘導するようにしないと、ニー・イン・トゥ・アウトしやすくなります。

スクワットなどのしゃがみ動作では、

  • 肩幅よりも広めの脚の幅
  • 足は外向き

が最適だと言えます。

しつこいですが、後捻は、中間位は「内旋」になりますから、わざと外旋位に誘導する必要があります。

  • 肩幅よりも広めの脚の幅
  • 足は外向き

だと、外旋に誘導しやすくなるというわけです。

しっかりと、膝を開いてしゃがまないと股関節のインピンジメントや股関節痛に元になり、ニー・イン・トゥ・アウトもしやすいので、膝にも注意が必要になります。

まとめ

いかがでしたか?

よく、股関節の柔軟性が大事だと言われますが、自分の股関節の特性を理解することも重要です。

股関節の前捻角の違いで、得意な動き、不得意な動きがあることが理解できたと思います。

日々の生活や運動などに生かしていただけると幸いです。

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 目立つ看板を出さずひっそりと口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

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