扁平足(回内足)に大きく関わっているのが、内側の縦アーチです。
この内側の縦アーチが潰れてしまっているので、扁平足(回内足)と呼ばれる状態になります。
実際、内側の縦アーチがどう構成されて、どういう役割があるのか?
この記事では、出来るだけわかりやすく解説します。
内側縦アーチとは?
内側縦アーチを構成する骨
- 第1趾
- 第1中足骨
- 内側楔状骨
- 舟状骨
- 踵骨
内側縦アーチを支える靭帯
- 足底腱膜
- スプリング靭帯(底側踵舟靭帯)
- 長、短足底靭帯(底側踵立方靭帯
内側縦アーチに関わる靭帯
- 長母趾屈筋
- 後脛骨筋
- 長趾屈筋
- 母趾外転筋
- 短趾屈筋
内側縦アーチの機能
フォームクロージャー機能は、関節の構造によって負荷がかかった時に安定させる機能のことです。
これは、いわゆる「フォームクロージャー」と呼ばれます。
フォースクロージャー機能は、筋肉などの動的構造体で負荷がかかった時に、安定させる機能のことです。
そして、筋肉の活動が加わることで「フォースクロージャー」機能としての安定性を行います。
一般的には「フォームクロージャー」よりも「フォースクロージャー」のほうが重要視されがちです。
これを簡単にいうと、足の内側縦アーチに対して、骨や靭帯などの構造面よりも、筋肉の活動に着目することが多いということです。
実は、足の内側縦アーチ保持において、重要なのはフォースクロージャーよりもフォームクロージャーです。
もっと言うと、足の内側縦アーチ保持は、靭帯に依存しているところが大きいのです。
一番、内側縦アーチの構成の貢献度が高いのは?
最も内側縦アーチに対する貢献度が高いものは、足底腱膜です。
内側縦アーチに対する貢献度ランキング
- 1位 足底腱膜
- 2位 長・短足底靭帯
- 3位 スプリング靭帯
1位〜3位までの靭帯を切除した際の、アーチ高の下がり方は、以下のデータがあります。
足底腱膜 3.72mm
長・短足底靭帯 0.58mm
スプリング靭帯 0.37mm
全切除した場合は、12.65mm 降下するとされています。(Iaquinto 2010)
後脛骨筋の内側縦アーチに対する貢献度を測った調査では、後脛骨筋が正常通りに機能しても、距骨、踵骨、舟状骨に対する足首のアライメント変化はないとされています。
ただ、後脛骨筋が機能不全になった際には、健常足(靭帯などの損傷のない状態)では、距骨、舟状骨、内側楔状骨の高さが下がります。
健常足でない場合(靭帯が機能していない状態)では、後脛骨筋が機能不全に陥っても、変化がありません。
つまり、靭帯が機能している場合にだけ、後脛骨筋は内側縦アーチの保持に関わるということです。
ちゃんと、靭帯が機能しており、後脛骨筋筋の筋出力低下が原因で内側縦アーチが下がっている場合は、後脛骨筋のトレーニングなどで筋出力を上げることで、内側縦アーチの改善が期待できるという事です!
後脛骨筋
起始 下腿骨膜、脛骨と腓骨の後面
停止 舟状骨、全楔状骨、立方骨、第2〜4中足骨底
支配神経 脛骨神経
主な働き 足関節の屈曲(底屈)、足の内反
まとめ
内側縦アーチを保持する靭帯の機能が壊れている時点で、後脛骨筋がちゃんと働いていようが、働いていなくても、あまり意味はないとも言えます。
実は、内側縦アーチが改善することが、可能かどうかを考えるうえで重要な視点です。