アキレス腱付着部炎は、名前からどんな症状が出るが想像がつきやすいかもしれませんね。
アキレス腱炎は、アキレス腱そのものが痛くなることが多いのですが、アキレス腱付着部炎は、もう少し下の部分や、踵に近い部分が痛くなることが多いのです。
スポーツをやっている方でしたら、一度くらいはアキレス腱付着部炎になったことがあるかもしれません。
アキレス腱付着部炎について解説します。
アキレス腱付着部炎について
その名の通り、アキレス腱付着部に炎症が起きてアキレス腱付着部に痛みが出るというものです。
- 階段の昇り降り
- 歩きはじめ
- ランニング
- ジョギング
- ジャンプ
などの動作で、アキレス腱付着部に痛みが出ることが多いです。
病院でレントゲン検査すると、踵に骨棘ができることがあります。
また、アキレス腱付着部に炎症が起きる(滑液包炎)こともあります。
アキレス腱には血管がほとんどないため、一度炎症が起きると非常に治りにくい場所でもあります。
アキレス腱は人体で最も太い最強の腱です。
アキレス腱は、歩いたり、走ったり、跳躍動作が含まれる多くの動作で強く働きます。
アキレス腱自体は、下腿三頭筋の力を、そのまま伝える組織であり、
膝の後ろ→ふくらはぎ→アキレス腱→踵→足裏腱膜は、一つの連続した組織と見ることができます。
踵のねじれなど、足首などに負担がかかることで、踵の後ろや踵の下に炎症が起きて痛みが出ることが多いのです。
アキレス腱について
腓腹筋とヒラメ筋を併せて下腿三頭筋と呼びます。
いわゆる「ふくらはぎ」の筋肉です。
腓腹筋とヒラメ筋の停止腱のことをアキレス腱と呼びます。
このアキレス腱は、人体で最も太い最強の腱でもあります。
下腿三頭筋の主な働きとしましては、足関節の底屈(ける動き)、ひざ関節の屈曲(ひざを曲げる動き)です。
具体的には、足首を伸ばしたり、つま先立ちの動作時に働きます。
スポーツなどでは、ランニング動作や、跳躍動作が含まれる多くの動作で強く働きます。
下腿三頭筋について
下腿三頭筋は
- 腓腹筋
- ヒラメ筋
の2つの筋肉から構成されています。
腓腹筋
腓腹筋は両足それぞれが左右2つの筋肉で構成されています。
- 内側腓腹筋 内側(股関節側)の筋肉
- 外側腓腹筋 外側の筋肉
起始部
- 大腿骨の内側顆の上方
- 大腿骨の外側顆の上方
膝の後ろの下方を通り、ヒラメ筋の腱と合流し
停止部
踵骨隆起で停止する。
ヒラメ筋
起始部
- 腓骨頭と腓骨の後面上部1/3
- 脛骨のヒラメ筋線および腓骨頭
- 脛骨の間に張るヒラメ筋腱弓
停止部
強大な停止腱は腓腹筋の停止腱と結合してアキレス腱(踵骨腱)として踵骨隆起で停止する。
アキレス腱付着部炎を改善する考え方
アキレス腱付着部炎は下腿三頭筋の機能が低下することで発生します。
アキレス腱付着部炎を改善する考え方としては、下腿三頭筋の機能を向上することが重要になります。
下腿三頭筋が付着する骨としては
- 大腿骨
- 脛骨
- 腓骨
- 踵骨
です。
この4つの骨が構成する関節としては
になります。
ただ下腿三頭筋になんらかの介入を施すことも大事ですが、下腿三頭筋に付着する骨・関節の機能を向上することも重要です。
少なくとも、上記全ての関節に介入することは最低限、必須かと思います。
最低限というのも
と関連する関節を考えると、足首ほぼ全ての骨、仙腸関節などの骨盤帯、椎骨なども介入することは必要になるかと思います。
まとめ
アキレス腱付着部炎が改善しにくいと言われるのも
- 血流が悪く改善しにくい
- 下腿三頭筋は大きな筋肉で、関連する関節の数が多い
- 下腿三頭筋に関連する関節が多く、下腿三頭筋だけにアプローチしても結果を出すのは難しい
ということが挙げられます。
ここまで読んでいただければ、アキレス腱付着部炎に対してアキレス腱や下腿三頭筋のストレッチなどを行っても、なかなか改善するのは難しいことがお分かり頂けるのではないでしょうか。
アキレス腱付着部炎を改善するには最低限ではありますが
へ介入し、下腿三頭筋の機能を向上させることが重要になります。