この記事をご覧になっているということは、
- 歩くと足の甲が痛い
- 体重をかけると足の甲が痛い
でお困りではないでしょうか?
足の甲がある場所は、解剖学的には「リスフラン関節」があります。
- 歩くと足の甲が痛い
- 体重をかけると足の甲が痛い
で病院を受診すると、「リスフラン関節症」と診断される事が多いと思われます。
あまり馴染みがない傷病名かもしれませんね。
そんな、歩くと足の甲が痛い「リスフラン関節症」について、解剖学的に解説します!
ちなみに、リスフラン靭帯損傷とリスフラン関節症は違う症状です。
リスフラン関節症とは?
リスフラン関節症とは、
- 歩くと足の甲が痛い
- 体重をかけると足の甲が痛い
などの症状が現れます。
具体的な痛くなる場所としては、横アーチの頂点の第2趾のあたりに痛みが出やすくなります。
関節炎などが発生し、腫れている方も多いです。
また、何度も関節炎を起こすことで、骨棘が発生し、リスフラン関節が変形することがあります。
リスフラン関節症は外反母趾や扁平足(回内足)の方が多い傾向があると言われてきましたが、最近ではそれほど相関性はないと言われています。
足の痛み全般に言えることですが、構造面、バイオメカニクスなどの要因で痛みが出るということは、非常に少ないということがわかってきました。
足の痛みは、内受容などの感覚的な問題、神経的な問題で痛みが出ていることがほとんどで、構造面、バイオメカニクスなどはそれほど痛みには関わらないことがわかってきています。
リスフラン関節の解剖学
リスフラン関節(足根中足関節)は、5つの中足骨底と3つの楔状骨と立方骨からなる関節です。
詳しく書くとリスフラン関節(足根中足関節)は5つあります。
5つのリスフラン関節(足根中足関節)だけは、第1足根中足関節のみが独立した強力な関節包があります。
理由として考えられるのが、歩行や荷重において、第1足根中足関節にかかる負荷や衝撃に対してだと考えられます。
横アーチの解剖学
横アーチは、中足骨頭レベル、中足骨後方レベル、足根骨レベルと3つあります。
楔状骨が関わるのは、足根骨レベルのアーチです。
外側楔状骨は、立方骨とで「楔立方関節」を構成しています。
外側楔状骨は、立方骨とで「楔立方関節」を構成して、横アーチを構成しています。
横アーチは、縦アーチの同様に、歩行、走る、ジャンプの時に、クッション機能として働き、クッションの役割があります。
また、横アーチは足部の安定機構としても働き、力を伝える役割もしています。
参考論文
The Lisfranc joint encompasses 6 articulations, weak dorsal ligaments, and strong plantar ligaments. The Lisfranc ligament serves to secure the second metatarsal in the keystone of the midfoot. Traumatic ligament injury and fracture can result in deformity, instability, pain, and degenerative joint disease of the Lisfranc joint. Increased awareness of Lisfranc joint anatomy and advanced imaging has allowed more accurate diagnosis and treatment of this injured joint complex. Nontraumatic degenerative joint disease can also result from congenital and acquired deformity such as first ray insufficiency, abnormal metatarsal parabola, and equinus. Open reduction with internal fixation (ORIF) demands accurate anatomic alignment to prevent the need for salvage arthrodesis. Early studies have shown that primary arthrodesis of the medial 3 rays has performed equally well or better than ORIF for the displaced primarily ligamentous and severe injuries. A paradigm shift may emerge as more studies favor primary arthrodesis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20934104
リスフラン関節症だと、なぜ歩くと足の甲に痛みが出るの?
解剖学的に歩行に重要な役割があるのが、横アーチ、縦アーチです。
横アーチ、縦アーチが構造的に崩れてしまう事が、様々な問題を発生させると言われていましたが、構造が崩れるだけが痛みの要因ではありません。
専門的に書きますと、歩行時に「フォームクロージャー」「フォースクロージャー」がうまく働かなくなります。
フォームクロージャー機能は、関節の構造によって負荷がかかった時に安定させる機能のことです。
これは、いわゆる「フォームクロージャー」と呼ばれます。
フォースクロージャー機能は、筋肉などの動的構造体で負荷がかかった時に、安定させる機能のことです。
そして、筋肉の活動が加わることで「フォースクロージャー」機能としての安定性を行います。
横アーチ、縦アーチが構造的に崩れてしまうことで、「フォームクロージャー」「フォースクロージャー」がうまく働かなくなり、関節や靭帯への負担が大きくなります。
関節や靭帯への負担が大きくなることで、侵害受容器や神経系にバグのようなものが発生して、歩くと足の甲に痛み(リスフラン関節症)が発生すると推測されます。
また、横アーチ、縦アーチは構造的に崩れてしまうことを、扁平足(回内足)と言います。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3414868/
リスフラン関節症を改善するには?
とにかく感覚を変えることが重要です。
リスフラン関節症の痛みを緩和させるには、とにかく様々な刺激を入れて足の感覚を変えることが重要です。
リスフラン関節症は外反母趾や扁平足(回内足)の方が多い傾向があると言われてきましたが、最近ではそれほど相関性はないと言われています。
足の痛み全般に言えることですが、構造面、バイオメカニクスなどの要因で痛みが出るということは、非常に少ないということがわかってきました。
足の痛みは、内受容などの感覚的な問題、神経的な問題で痛みが出ていることがほとんどで、構造面、バイオメカニクスなどはそれほど痛みには関わらないことがわかってきています。
〇〇をやれば、リスフラン関節症に効くというものはありません。
感覚を変えることって?
足の痛み全般に言えることですが、足の痛みの大半は組織の損傷と無関係に起こる感覚性の痛みが大半だとされています。
丸印がある部分が足の裏の感覚を感じる神経が集中している場所です。
感覚受容器、侵害受容器、自由神経終末、神経、中枢神経などがバグのようなものを起こし、痛みが出ていることが多いのです。
痛みを改善するにはとにかく様々な刺激を入れて感覚を変えることが最も重要です。
バイオメカニクス・構造面にフォーカスすることも大事ですが、感覚を変えることも大事です。
最後にまとめると
リスフラン関節症とは、
- 歩くと足の甲が痛い
- 体重をかけると足の甲が痛い
などの症状です。
リスフラン関節症は外反母趾や扁平足(回内足)の方が多い傾向があると言われてきましたが、最近ではそれほど相関性はないと言われています。
足の痛み全般に言えることですが、構造面、バイオメカニクスなどの要因で痛みが出るということは、非常に少ないということがわかってきました。
足の痛みは、内受容などの感覚的な問題、神経的な問題で痛みが出ていることがほとんどで、構造面、バイオメカニクスなどはそれほど痛みには関わらないことがわかってきています。
これをやれば、リスフラン関節症に効くというものはありません。
リスフラン関節症の痛みを緩和させるには、とにかく様々な刺激を入れて足の感覚を変えることが重要です。