足底腱膜炎で有名な足底腱膜について解説します。
足部のアーチ構造
足部は7つの足根骨と5つの中足骨、14つの基節骨から構成されています。
直立して2足歩行をする人間にとって、足部は唯一、地面に接して体重を直接受ける部位です。
小さな足部で体重を受けるために、足部には3つのアーチ構造が存在する。
アーチ構造を維持する筋・腱
アーチ構造を維持するため、足底には多数の筋・腱があります。
足底腱膜の構造
足底のこれらの筋群は、足底筋膜に覆われています。
足底腱膜は浅葉と深葉に分かれます。
浅葉は足底の全表面、つまり最表層を覆っています。
深葉は背・底側骨間筋の足底側を覆っています。
一般的に足底筋膜というと、足底筋膜浅葉を指しています。
足底腱膜の構造と機能
足底腱膜は、強い縦走繊維束です。
足底腱膜は踵骨隆起の主として内側突起から第1〜5基節骨の付着する。
踵骨付着部で約2ミリ、中足骨頭近傍で約1ミリの暑さを持つ。
幅は踵骨付着部において約1cm程度で、前方に向かうにつれて広がっていく。
足底腱膜は過重負荷に大して、足部アーチを保持する機能を有し、立位時には足部に加わる過重の半分は踵に伝達されるため、踵骨付着部の足底腱膜は前足部より厚い構造をしていると考えられます。
広がった足底腱膜は、中足骨頭付近で5束に分離し、中足趾関節の高さで2束に別れ、底足靭帯と基節骨に停止します。
また、底側の真皮と結合し、皮膚靭帯になり、趾屈筋腱鞘と底側趾節間靭帯を連絡し、深横中足靭帯・骨間靭帯とも結合している。
母趾を進展すると、足底腱膜の前方部分は遠位側に滑走し、足底腱膜に緊張が更新することで前足部の剛性が高まります。
ウインドラス機構と言います。
歩行の立脚終期で前足部の剛性を高め、しっかりと床面を蹴りだすためには足底腱膜の緊張が不可欠になります。
踵骨付着部の疼痛の発生機序は?
足底腱膜炎の疼痛部位は、踵骨付着部や足底腱膜中央内側、中足骨頭部と多岐に渡ります。
足底腱膜の緊張が亢進した場合
足底腱膜は、歩行や走行で繰り出される過重負荷に対して足部アーチを保つために緊張します。
特に前足部で蹴り出しを行う際には、ウインドラス機構が機能し、足底腱膜には強い牽引力が作用します。
歩行や走行によって踵骨付着部に繰り返し強い牽引力が加わって、繊維軟骨付着部に損傷が生じることで踵骨付着部に疼痛が生じると考えられます。
足底腱膜の緊張が低下した場合
足底腱膜の緊張が低下した症例では、立脚初期〜中期にかけての過重応力が分散できず、踵骨付着部に過重応力が集中するため、疼痛が生じると考えられます。
足底腱膜炎に合併する踵骨棘も、従来は足底腱膜による牽引力によって生じると考えられてきたが、近年では変形性関節症に伴う骨棘のように過重応力を分散するために生じるとも考えられています。