足底筋膜炎は非常に治りづらい症状です。
足底筋膜炎は治りません。うまく付き合っていきましょう」
という先生もいらっしゃいます。
これも半分は正しいですが、半分は間違っています。
と言いますのも足底筋膜炎の発生要因は多岐に渡ります。
日頃からケアの意識を持つことも、足底筋膜炎のは再発防止には重要です。
そんな足底筋膜炎の改善方法をありったけまとめました!
参考にして頂けると嬉しいです。
まずは足底筋膜炎の関係する部位について解説します。
足底筋膜炎に関係する部位3つ
その1「ふくらはぎ」
ふくらはぎの筋肉は足首の動きに繋がり、足の裏の痛みに繋がっていることもよくあります。
参考記事 ふくらはぎ
「土踏まず」
土踏まずは足底を持ち上げているアーチ構造のことです。
回内足やハイアーチなどで土踏まずが崩れていると、足底への負担が大きくなり、足底筋膜炎につながります。
「足の指」
よく言われる「浮き指」という状態です。
足の指を反らせるとわかりますが、足の裏やふくらはぎがピンと引っ張られて硬くなるのがわかると思います。
「ふくらはぎ」「土踏まず」「足の指」のそれか、または全部
のどれかにアプローチを行うということになります。
足底筋膜炎の対処法
その1 ふくらはぎをリリース
フォームローラーなどでふくらはぎをリリースします。
こうすることで、ふくらはぎがやわらかくなり、足の裏の痛みが緩和されることがあります。
その2 足の裏をリリースする。
足底筋膜炎というのは足の裏に痛みを感じてるわけです。
その痛みを変化させるには、神経系を変化させるアプローチも有効です。
丸印がある部分が感覚を感じる神経が集中している場所です。
足底筋膜炎で痛みを感じる部位に合致するところも多いです。
このあたりを中心にフォームローラーやゴルフボールなどでリリースします。
すると痛みが変化し、緩和する可能性もあります。
力いっぱい押しすぎ、過度なやり過ぎは禁物です。
筋膜を剥がす! というイメージでは行わないでください。
足の裏をリリースする目的は、あくまで神経の伝達を変えてやることです。
「足の裏に圧がかかっているなー」というレベルで1分くらいリリースしてください。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2290100/
その3 足の指を折り曲げる
よく言われる「浮き指」という状態を改善しましょうということです。
やって頂くことは、非常にシンプルです。
凹足・ハイアーチ・回外足が反って固まっている方がほとんどです。
手の指でいうと、足でゲンコツを作るように、丸める動きをするのです。
この状態から
自分の手で足の指を丸めます。
これだけです。
簡単な手法ですが、非常に効果的です。
効果を出すには、とにかく続けることです。
長年固まってしまっていますから、とにかく続けて指の関節の動きを作ります。
長年固まっている方は、このくらいちょっと曲げただけで、激痛を伴う方もいます。
この浮き指と言われる、沿って固まっていますと、日常生活でも足指が使えません。
いわば、浮き指の状態では改善するためのトレーニングが、効果的に行えないのです。
いわば、足の指を丸めることだけでは、凹足・ハイアーチ・回外足は改善しないのですが、凹足・ハイアーチ・回外足を改善するために、最低限度やっておいてほしいエクササイズでもあります。
ちなみに、サッカーの元日本代表FW久保竜彦選手も、足指を曲げるというエクササイズで腰痛などの不調を克服したそうです。
もし、興味あれば下記のリンク先から読んで見てください。
https://www.soccer-king.jp/sk_column/article/231537.html
その4 足裏の感覚を変える
足の裏は感覚が繊細です。
繊細な分だけ、異常を感知する力が強いとも言えます。
バイオメカニクス・解剖学的なことを散々書きましたが、バイオメカニクス・解剖学的面だけアプローチしても改善するという単純な話ではありません。
いわゆるバイオメカニクス的なことだけやれば改善するわけではないということです。
感覚を変えること
足の痛み全般に言えることですが、足の痛みの大半は組織の損傷と無関係に起こる感覚性の痛みが大半だとされています。
丸印がある部分が足の裏の感覚を感じる神経が集中している場所です。
感覚受容器、侵害受容器、自由神経終末、神経、中枢神経などがバグのようなものを起こし、痛みが出ていることが多いのです。
痛みを改善するにはとにかく様々な刺激を入れて感覚を変えることが最も重要です。
バイオメカニクス・構造面にフォーカスすることも大事ですが、感覚を変えることも大事です。
足の裏の感覚を変えるには?
- 家では裸足で生活する
- 足の細かな筋肉を使うエクササイズ行う
- とにかく足に様々な感覚を入れる
バランスパッドを使い、様々な刺激を足に入れることも有効です。
その5 足の指を鍛える
とにかく、足の指を握りこんで、鍛えるというものです。
こういった道具も出ていますので、オススメです。
ここで不思議に思った方もいますよね?
ストレッチが出てこないと。
足底筋膜は構造上、ストレッチはできません!
足底筋膜はその構造上、ストレッチはできません!
「足底筋膜炎をストレッチで治す!」という先生もいますが、はっきりいって難しいでしょう。
筋膜と言われていますが、実際には「足底腱膜」のことでして。
筋膜といっても、コラーゲン組織がメインのとても強い組織です。
足底腱膜は、やわらかく伸び縮みして力を伝えるというイメージではありません。
どっちかといえば、伸びすぎてしまわないように固まってじっと耐えるイメージの組織です。
常に負荷がかかる足の裏ですから、強度を維持して土踏まずを安定させなければならないからです。
つまり、他の筋肉のように引っ張っても伸びることはありません。
ストレッチをしてもまったく意味がないとは言いませんが・・・
「痛みの感覚を変える」ことをイメージしたほうがいいでしょう。
メジャーな3つの対処法の効果は?
インソール、テーピング、タオルギャザーの3つです。
解説します。
インソール(足底板)は?
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21655342
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4742336
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26855444
3つの論文を見ると、効果が多少はありそうです。
ただインソールで痛みが軽減されるメカニズムは不明です。
短期的には良さそうですが、長期的には微妙な感じです。
他のエクササイズなどと組み合わせて「うんと痛い時だけ使う」と割り切って使うのもアリかもしれません。
テーピングは?
調べてみても、医学的に足底筋膜炎の症状改善に対して、テーピングの有効性が確定したデータはありませんでした。
しかしながらテーピング貼ることで、足の裏の感覚を変化させることは可能です。
テーピングを工夫すれば、痛みを感じにくい状態で運動をすることもできるかもしれませんね。
感覚を変える目的でテーピングを行うのでしたら、いいかもしれませんね。
参考論文
http://journals.humankinetics.com/doi/abs/10.1123/jsr.9.2.135
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25595290
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19240683
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24819349
タオルギャザー
これは説明しなくても良いかもしれませんが、一応。
タオルを床に置き、足の指や足の裏でタオルを引き寄せたり、丸めたりする運動です。
タオルギャザーの問題は、足の指に力が入る前に、足の中足骨が開いてしまうことです。
足底筋膜炎を悪化することすらあります。
もし、タオルギャザーエクササイズを行うのでしたら、「 膝関節伸展位・足関節最大底屈位で行った場合、優位な変化が出た!」という報告があります。
参考論文
https://ci.nii.ac.jp/naid/130005175225
膝関節伸展位・足関節最大底屈位でタオルギャザーエクササイズを行い、なぜ優位な変化が出たのでしょうか?
膝関節伸展位・足関節最大底屈位で行うことで、足部外在筋の起始停止が近づき弛緩します。
足部外在筋の起始停止が近づき弛緩することで、足部内在筋への要求が高まったことによります。
また、出来るだけDIP関節の関与を減らしタオルギャザーエクササイズを行うことで、さらに長拇趾屈筋、長趾屈筋の関与が減ります。
長拇趾屈筋、長趾屈筋足趾の活動が減ることで、結果として足の内在筋の活動が増加します。
以上により、「 膝関節伸展位・足関節最大底屈位でタオルギャザーエクササイズを行うことで、内側縦アーチの、舟状骨の高さに変化が出たと考えられます。
この膝関節伸展位・足関節最大底屈位でタオルギャザーエクササイズというのは、見た目以上にめちゃくちゃキツイです(笑)
http://www.jptrs.org/journal/view.html?doi=10.14474/ptrs.2016.5.2.78
まとめ
足の痛み全般に言えることですが、足の痛みの大半は組織の損傷と無関係に起こる感覚性の痛みが大半だとされています。
丸印がある部分が足の裏の感覚を感じる神経が集中している場所です。
感覚受容器、侵害受容器、自由神経終末、神経、中枢神経などがバグのようなものを起こし、痛みが出ていることが多いのです。
痛みを改善するにはとにかく様々な刺激を入れて感覚を変えることが最も重要です。
バイオメカニクス・構造面にフォーカスすることも大事ですが、感覚を変えることも大事です。