「姿勢が悪い」=「痛みやコリの原因」
と長年信じられてきました。
ネットで調べても「姿勢が悪い」=「痛みやコリの原因」のように書かれています。
実際にいくら姿勢を改善する努力をしても、痛みやコリが改善せず、困り果てた方もいると思います。
いったいなぜでしょうか?
なぜなら、最近の研究では「痛みやコリと姿勢は無関係ではないか?」と言われてきているのです。
現時点で明らかになっていることは
- 「医学的に良い姿勢というのは存在しない」
- 「良い姿勢と悪い姿勢の基準はない」
- 「コリや痛みの原因」=「姿勢ではなく運動の問題」
ということがわかってきています。
痛みやコリのメカニズムは複雑で「痛い=姿勢が悪い」ということではないということです。
もう少し詳しく解説します。
痛みがあるから姿勢が悪くなる?
参考論文
The science behind why assessing and blaming posture for pain is BS
この研究、追跡調査によると骨盤の傾斜や腰椎曲線と頸椎のアライメントなどと、痛みに相関関係はないと発表されています。
脊椎曲線の変化は痛みとは、ほとんど関係がないということですね。
年を取るにつれて姿勢が変化し、これは痛みのない人にも起こります。
逆に、痛みがあるために骨盤の傾斜や腰椎曲線と頸椎のアライメントに問題が起きる可能性もあると書かれています。
もちろん、この研究結果は100%ではありません。
若干ではありますが、姿勢が悪いために痛みが出る方もいるということです。
痛みの原因は姿勢ではなく運動の問題?
参考論文
この研究によると、痛みは姿勢が問題なんではなく、運動性がないことが問題ということです。
運動性がないことが、姿勢の逸脱につながることを示す客観的データが不足しており、運動性が乏しいため姿勢が悪くなるということではないということです。
姿勢は、筋腱だけの問題ではなく、視覚系や前庭系などの他の要因も姿勢に影響を与える可能性があると書かれています。
単に「短くて硬い」筋肉だけが姿勢に与える影響ではないということ。
「長くて柔らかい」筋肉に変えても姿勢に与える影響のあくまで一因子に過ぎないようです。
単にストレッチなどで「長くて柔らかい」筋肉にして、姿勢を努力しても、痛みを引き起こさないとはいえないようです。
姿勢よりもうまく動けないことが問題
参考論文
Do you need your joints to be 'centered'? – Does it really matter?
関節や筋肉の偏った動き、うまく動かない関節が多いことなどが、痛みの要因として大きいとのこと。
ただ、闇雲にストレッチやエクササイズを行っても改善することは難しいでしょう。
視覚系や前庭系などの他の要因も運動には影響します。
関節や筋肉の動作パターンをなどを実際に把握する方法がなければ、関節や筋肉を「修正」することは困難なのです。
また、明確な相関パターンが見られない場合、痛みの要因を特定するのは難しいようです。
これを見る限り、痛みを自己流で改善するのは難しいとも言えます。
もし、自己流で改善できたのでしたら、ラッキーなケースなのかもしれません。
まとめ
「痛みやコリと姿勢は無関係ではないか?」と言われてきています。
現時点で明らかになっていることは
- 「医学的に良い姿勢というのは存在しない」
- 「良い姿勢と悪い姿勢の基準はない」
- 「コリや痛みの原因」=「姿勢ではなく運動の問題」
ということがわかってきています。
痛みやコリのメカニズムは複雑で「痛い=姿勢が悪い」ということではないということです。