私自身20代の頃、重度のO脚であることに気がつきました。
というより、O脚という言葉を初めて知り、自分がそうであることに気がついたのです。
ちょうど働きながら柔道整復師の養成学校に通い始めた頃で、そこでO脚のことを知ったのです。
膝を頑張ってくっつけようとしても、握り拳くらいの隙間がありました。
かなり重度な部類であることがわかりました。
O脚のことを調べようにも、本くらいしかありません。
平成の頃で、SNSといえばmixiくらいでネットも今ほど充実してはいませんでした。
本以外だと、あとは周りの人にアドバイスを求めるくらいしかありませんでした。
「内転筋が弱い」
内転筋が弱いからO脚になるので、内転筋を鍛えると良いよ。
当時は、こんなことくらいしか言われませんでしたし、本にも書いてなかった気がします。
また、
「太ももの外側の筋肉が緊張し、その張力に引っ張られて膝が開いていくからO脚になります」
ということも良く言われました。
「太ももの外側を緩めて、太ももの内側を鍛えましょう!」
というのもよく言われました。
結果から言うと、これらのことをやっても私のO脚は全く変化なしでした、、、
私のように、上記のことをやって良くならなかった方も多いのではないでしょうか?・・・
脚がねじれてしまうからO脚になる
その後、O脚は良くならないまま開業して、勉強がてらO脚の研究を始めます。
研究を始めて気がついたこと、運動には軸があり、身体はねじれるということ。
手や脚も捻れるということです。
捻れるということは、2Dではなく3Dです。
姿勢なども同じですが、平面の2Dで考えられるような単純な問題ではなく、立体の3Dで考えなければいけません。
「太ももの外側を緩めて、太ももの内側を鍛えましょう!」
なぜ、この考えでよくならないのか?
O脚は、平面の2Dで考えられるような単純な問題ではないのです、
立体の3Dで考えると、ねじれなど軸の問題も考慮に入れなければいけないのです。
「O脚が治るように左右の膝をくっつけるように力を入れて立つ」
これも同じで、昭和の頃は王道の考え方でした。
3Dで考えると、直線的に左右の膝をくっつけようとすると余計に膝がねじれ、その結果膝のスキマが開くことが非常に多いのです。
膝をチューブや紐で縛ったりするような2Dの施術ではなく、3Dで立体的な施術が必要なのです。
この考えに気がついてからは、私のO脚はどんどん良くなり、以前のように握り拳くらいの隙間は無くなりました。
骨盤の前傾
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大腿骨の内旋
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下腿の内旋か外旋
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足首の過剰回内(回内足・扁平足)
O脚の場合、「足首が先か?」「骨盤が先か?」と議論になることがあります。
足首や骨盤など、どこから原因が始まったかというよりも、同時に発生しているというのが正しいのかもしれません。
O脚がなかなか良くならない理由
O脚がなかなか良くならない理由に、身体が悪くなっていく順番の話があります。
まず重力がかかっている背骨が悪くなります。
症状としては肩こりや腰痛などですね。
次に下肢が悪くなり、股関節や膝、足首などです。
次に上肢が悪くなり、肩や肘、手首、指が悪くなります。
余談ですが、上肢が悪くなると自律神経がやられます・・・
このセオリーで言うと、背骨が悪くなってからO脚になるとも考えられますので、膝や股関節、足首に対しての施術だけでは不十分で、背骨に対しての施術も必要です。
O脚がなかなか良くならない理由に、脚や足にしかアプローチしないからだと考えます。
施術で抜け落ちがちな足部
多くの治療院の施術で抜け落ちがちなのが足部への施術です。
余談ですが、95%くらいが肘から先、膝から先を施術していません。
小さな骨の集合体でもある足部。
骨を繋ぐ靭帯、筋肉を繋ぐ腱、靭帯や腱を覆う支帯がぎっしり。
ねじれや関節可動域制限があれば、足首から上の全てに影響を及ぼします。
いくら股関節や背骨、骨盤の矯正をしても足関節での問題が残っていれば、立った瞬間たちまちに元の状態へ戻ってしまうでしょう。
バイオメカニクスから考えても、O脚矯正の大半の要素が足部にあるといっても過言ではありません。
足部の3つのアーチ
足部は本来3本のアーチによって支えられています。主な作用としては、
- 衝撃吸収
- 歩行、走行の時のバネとしての働きの
- 足底の筋肉や神経の保護
そして、実は筋肉や脂肪のかたまりである足裏。
足の裏は、意外かもしれませんが感覚器としても人体に取って重要な働きがあります。
足の指
O脚の方の足をチェックすると、足の指が使えていない方が多いです。
体重が乗っていなければ、地面をまともにつかむこともできていません。
足の指の機能回復は地味ですが非常に重要です。