「足底筋膜炎の方はふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が硬い」と言われがちです。
YouTubeなどのSNSでも足底筋膜炎のセルフケア的なものが多く紹介されています。
ふくらはぎをリリースしたり、ほぐしたり、緩めましょうという内容が多い印象です。
足趾・足根骨と脛骨・腓骨をつなぐ筋肉があるから、ふくらはぎをリリースしたり、ほぐしたり、緩めると良いですよ!
という論調ですね。
それっぽいと言えばそれっぽいのですが、本当のところはどうなのでしょうか?
リサーチしてみました。
足底筋膜炎と腓腹筋緊張(IGT)の関係は、文献で仮定されているが証明する研究はほとんどない
足底筋膜炎と腓腹筋緊張(IGT)の関係は、文献で仮定されているが証明する研究はほとんどありません。
Association Between Plantar Fasciitis and Isolated Gastrocnemius Tightnes
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29198141/
Conclusion: There was a very strong association between plantar fasciitis and IGT using group 3 as a reference. This study suggests that IGT should be actively sought out and managed in patients with plantar fasciitis.
この研究では、Silfverskiöld testで腓腹筋の硬さを判断し、足底筋膜炎と腓腹筋緊張(IGT)の関係について言及しています。
足底筋膜炎と腓腹筋緊張(IGT)に非常に強い関連があるということです。
この研究だけ読むと、腓腹筋緊張(IGT)を緩和すれば、足底筋膜炎も緩和すると良さそうな感じがします。
読み取り方なのですが、前提としてSilfverskiöld testが信頼性が高ければ、この論調も成立します。
ところが現時点ではSilfverskiöld test自体の信頼性は確証されていません。
この研究ではSilfverskiöld testで腓腹筋の硬さを判断しています。
Silfverskiöld testについて
https://orthopaedicprinciples.com/2014/03/silverskold-test/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29676167/
足底筋膜炎と腓腹筋緊張(IGT)の関連は、実際多いのかもしれませんが断定はできません。
空想レベルでは、足底筋膜炎と腓腹筋緊張(IGT)の関連は高そうですが、健康に関わるということを考えると、しっかりと批評的に捉えるという事は大事ではないでしょうか。
SNSなどで見かける足底筋膜炎のセルフケア。
「足底筋膜炎の人はふくらはぎが硬いって文献ある!」
足底筋膜炎
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「ふくらはぎほぐせば治ります!」
「ふくらはぎストレッチすれば治ります!」
という論調になってしまうのでしょう。
Silfverskiöld testはどんな要因で可動が低下する?
- Stiffness?
- Hardness?
- 粘性?
- 粘弾性?
- 硬度?
Silfverskiöld testだけでは、どの要因で可動が低下するかは、なんとも言えません。
そもそもほぐすという行為は、何の組織をどのようにしているのか?
ストレッチといっても、何の組織をどのようにしているのか?
この辺りは、曖昧にされがちで、空想レベルで語られがちです。
話が本題から外れてしまいましたね・・・
まとめ
足底筋膜炎と腓腹筋緊張(IGT)の関係は、文献で仮定されているが証明する研究はほとんどありません。