日々、施術をしていて遭遇する、意外と多い身体のトラブルは「ふくらはぎの痛み、だるさ、疲れやすさ」です。
腰痛や膝痛、股関節痛、首が痛くて回らない・・・などのような症状は、日常生活に支障が出ることが多いですから、病院などの医療機関なり、治療院など、どこかに診てもらうことが多いと思います。
「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」という症状が長く続いているくらいでは、病院や治療院で見てもらわなければ!となる方は少ないように思います。
腰痛や肩こりなど、別の症状で受診した時に、「他に何かありますか?」と聞かれて、「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」と伝えることが多いように感じます。
当院でも、いきなり「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすいので診て欲しいです」
という方よりも、腰痛や肩こりなど、別の症状で受診した時に、やはり「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」と訴える方が多いです。
日常生活に支障が出るほどではありませんが、なんとなく気になる症状。
それが「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」なのかもしれません。
前置きが長くなりましたが「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」の治療、原因と改善方法
をまとめました。
Contents
「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」の治療と原因3つ!
その1「ふくらはぎ」
下腿三頭筋
- 腓腹筋
- ヒラメ筋
大腿骨や脛骨、腓骨から始まり、踵骨に付いています。
「土踏まず」
土踏まずは足底を持ち上げているアーチ構造のことです。
回内足やハイアーチなどで土踏まずが崩れていると、ふくらはぎの筋肉が引っ張られ、ふくらはぎの痛みにつながります。
「足の指」
よく言われる「浮き指」という状態です。
足の指を反らせるとわかりますが、足の裏やふくらはぎがピンと引っ張られて硬くなるのがわかると思います。
「ふくらはぎ」「土踏まず」「足の指」のそれか、または全部
のどれかにアプローチを行うということになります。
「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」の改善方法
その1 ふくらはぎをリリース
フォームローラーなどでふくらはぎをリリースします。
こうすることで、ふくらはぎがやわらかくなり、足の裏の痛みが緩和されることがあります。
その2 足の裏をリリースする。
ふくらはぎの筋肉は、大半が踵の骨は足の裏に付着しています。
足の裏を刺激して、神経系を変化させるアプローチも有効です。
丸印がある部分が感覚を感じる神経が集中している場所です。
足底筋膜炎で痛みを感じる部位に合致するところも多いです。
このあたりを中心にフォームローラーやゴルフボールなどでリリースします。
すると痛みが変化し、緩和する可能性もあります。
力いっぱい押しすぎ、過度なやり過ぎは禁物です。
筋膜を剥がす! というイメージでは行わないでください。
足の裏をリリースする目的は、あくまで神経の伝達を変えてやることです。
「足の裏に圧がかかっているなー」というレベルで1分くらいリリースしてください。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2290100/
その3 浮き指を改善する!
よく言われる「浮き指」という状態を改善しましょうということです。
やって頂くことは、非常にシンプルです。
凹足・ハイアーチ・回外足が反って固まっている方がほとんどです。
手の指でいうと、足でゲンコツを作るように、丸める動きをするのです。
この状態から
自分の手で足の指を丸めます。
これだけです。
簡単な手法ですが、非常に効果的です。
効果を出すには、とにかく続けることです。
長年固まってしまっていますから、とにかく続けて指の関節の動きを作ります。
長年固まっている方は、このくらいちょっと曲げただけで、激痛を伴う方もいます。
この浮き指と言われる、沿って固まっていますと、日常生活でも足指が使えません。
いわば、浮き指の状態では改善するためのトレーニングが、効果的に行えないのです。
いわば、足の指を丸めることだけでは、凹足・ハイアーチ・回外足は改善しないのですが、凹足・ハイアーチ・回外足を改善するために、最低限度やっておいてほしいエクササイズでもあります。
ちなみに、サッカーの元日本代表FW久保竜彦選手も、足指を曲げるというエクササイズで腰痛などの不調を克服したそうです。
もし、興味あれば下記のリンク先から読んで見てください。
https://www.soccer-king.jp/sk_column/article/231537.html
その4 足裏の感覚を変える
足底筋膜炎の多くは、症状が出る頃はかなり時間が経っていることが多いです。
足の裏は感覚が繊細です。
繊細な分だけ、異常を感知する力が弱いとも言えます。
足の裏の感覚を変えるには?
- 家では裸足で生活する
- 足の細かな筋肉を使うエクササイズ行う
- とにかく足に様々な感覚を入れる
バランスパッドを使い、様々な刺激を足に入れることも有効です。
いつもと違う刺激を入れて、抑制のフィードバックを起こさせるわけですね。
その5 足の指を鍛える
とにかく、足の指を握りこんで、鍛えるというものです。
トレーニング法は簡単です!
この状態から。
①ギューと足の指を握りこみます。
②30秒くらい頑張って握ります。
注意点とすれば、出来るだけ親指を直角に曲げて行います。
ただ、最初はなかなか曲がりません!
デスクワーク中などもできます。
簡単でシンプルですよね?
③以上を何度か繰り返します!
コツとすれば、手でゲンコツを握るイメージで、足でもゲンコツを握るイメージで行います。
足の指だけで握るのではなく、中足部なども含めて、足全体で一体感を持って取り組むことがコツです。
足の指に筋肉がつくまで、反復練習あるのみです。
1ヶ月もやっていると効果を感じられるでしょう。
注意点!
このトレーニングを行い、あまりに痛みが出る方は中止してください。
足の関節運動に問題があったり、骨の配列に狂いが出ている可能性があります。
足をちゃんと診てくれる専門家の指導の元、行うほうがいいでしょう。
アキレス腱は構造上、ほぼストレッチはできません!
ここまで読んで不思議に思った方もいるかもしれません。
アキレス腱やふくらはぎの筋肉のストレッチは????と。
実は、アキレス腱は構造上、ほとんどストレッチできません!
アキレス腱は弾性エネルギーの貯蔵部位とされています。
一方で、強いコラーゲン繊維なのでストレッチされないとも言われています。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26102335
腱はコラーゲン組織がメインのとても強い組織です。
アキレス腱は、大体で最も強く最大の腱です。
つまり、他の筋肉のように引っ張ってもまず伸びることはありません。
ふくらはぎのストレッチをしてもまったく意味がないとは言いませんが・・・
もし行うとしたら、無理に伸ばすのではなく、ストレッチして「痛みの感覚を変える」ことをイメージしたほうがいいでしょう。
「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」の方の多くが足首が過回内・過回外しています
足首が過回内すると、土踏まずが潰れ、扁平足の状態になります。
実は、不調がある方の大半が、足首が過回内して、扁平足、外反母趾、内反小趾の方が多いです。
逆に、凹足・ハイアーチ・回外足は、土踏まずがグッと盛り上がった状態です。
土踏まずが、グッと盛り上がっているわけですが、具体的に言うと、足首が過回外してしまっています。
足首が過回外すると、土踏まずが、グッと盛り上がり、ハイアーチになります。
過回内、過回外を後ろから見ると。
過回外を前から見るとこうなっています。
本来、歩行時に回外・回内をするのですが、回内の動きがうまくできなくなっています。
歩行時に、回外・回内の動きがうまくできなくなっていることが、様々な問題を引き起こします。
具体的には
- 歩くと膝が痛い
- 長く歩いたり、立っていると腰が痛くなる
- 背中が痛くなる
- 頭痛や首痛、肩こりがひどい
- 膝の後ろ側が痛くなる
- 足の甲が痛い
- 踵が痛い
- 足の指の付け根が痛い
- 内反小趾、外反母趾が痛い
- 土踏まず、足の裏が痛い
- ふくらはぎや足の裏が疲れやすい
などです。
「ふくらはぎが痛い、だるい、疲れやすい」で注意すべき症状
などが挙げられます。
椎間板ヘルニア、静脈瘤や肉離れ、肉離れの後遺症に関しましては、病院などの医療機関で検査や処置が必要になります。
椎間板ヘルニア、肉離れ、肉離れの後遺症は、外科的な処置以外にも、徒手療法でも対応できる場合もありますが、まずは病院などの医療機関で検査や処置が必要かと思います。
さいごにまとめると
足底筋膜炎の改善方法5つ!
その1 ふくらはぎをリリース
その2 足の裏をリリースする。
その3 足の指を折り曲げる
その4 足裏の感覚を変える
その5 足の指を鍛える