足首の捻挫というのは、発生頻度が多い外傷です。
ところが、足首の捻挫は割と軽く見られがちな怪我の1つです。
ちょっと足首を捻ったけど、そんなに酷くないと思って病院に行かずに放置していた。
そんな方も多いと思います。
意外かもしれませんが、足首の捻挫がきっかけで、腰痛や肩こり、首の痛みに繋がることもあります。
この記事では、足首の捻挫と、腰痛や肩こりの関係について解説します!
足首を捻挫すると、足首の関節の動きに問題が起きる
足首の捻挫を起こすと、靱帯の損傷が発生します。
足関節内反捻挫で、最も損傷する確率の高い靱帯は
- 前距腓靱帯の損傷確率93%
- 踵腓靱帯の損傷確率80%
です。
なぜなら、前距腓靱帯は、距骨が内前方に行かないようにストッパーの役目を果たしています。
非常にうまくできていて、距骨には9つの靱帯があり、それぞれのテンションが保たれることで距骨の正しい位置が定められています。
1つの靱帯が切れてしまうことで、他の8つの靱帯に大きく影響します。
距腿関節の動きに影響するわけですね。
距腿関節底屈時に距骨が過度の回外を伴うと、背屈時にも距骨が正しい動きを行うことは難しくなります。
距腿関節の底屈背屈運動がうまくできなくなると、他の関節で代償動作を行うことになります。
他の関節で代償動作を行うことが、腰痛や肩こりの原因になるわけですね。
踵腓靱帯まで損傷した場合にはさらに大変です。。。
足関節内反捻挫は受傷率が高い割に、軽視されがちです。
足関節内反捻挫をした場合には、専門家にみてもらいましょう!
距骨に付着する靭帯
画像引用元 http://www.fff.or.jp/seikei/sportsmedical_center/ankle01.html
距骨に付着する靭帯
前側
- 距舟靭帯
- 前距踵靭帯
後側
後距踵靭帯
内側
- 前脛距靭帯
- 後脛距靭帯
- 内側距踵靭帯
外側
- 前距腓靭帯
- 後距腓靭帯
- 外側距踵靭帯
足首を捻挫すると、眼球運動に影響する?
また、眼球運動が改善して、足部感覚やバランスが向上したというデータがあります。
基本的に、眼球運動が最初に動き、頚部が回旋します。
非常に外眼筋固有感覚が重要などわかります。
実は野球選手のピッチング動作は眼球運動の影響が大きいです。
眼球運動の感覚の統合が妨げられると、着地のバランスや頚部回旋に影響してパフォーマンスに大きく影響します。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27302207/
足からのフィードバック
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26118527/
この論文をざっくりいうと、足底をリリースしたら繋がりで身体の後面のラインが柔らかくなったと読めます。
足底をフォームローラーなどでリリースしたら体幹部の前屈が可動域が増えたというものです。
眼球への感覚のフィードバックを考えると、足底からの求心性刺激を入れば、姿勢や筋バランスが変化します。
眼球運動と頚部運動
頚部の回旋制限があると、即座に眼球運動により代償をします。
上下頭斜筋などの後頭下筋群は、頸部回旋の主要といわれていますが、実際はに固有感覚器としての頚部安定の方が重要と言われています。
特に、眼球が首の回旋方向と同方向に向く場合、(頚部右回旋で眼球が右向くこと)で、胸鎖乳突筋の活動が高まります。
頚部回旋は、眼球との協調運動と捉えてもいいと思います。
眼球運動が先ですから、野球のピッチャーが首を痛めやすい(寝違いなど)のは、眼球の酷使などで眼球運動が低下するというのも挙げられます。
参考論文
基本的に、眼球の位置は頭や頚部が動く場合も、同じ位置をキープします。
眼球と頚部が共同活動できなくなると、前庭眼反射によって代償をして姿勢などのバランスを崩しやすくなります。
脳などの中枢では、意識してバランスなどを細かくコントロールできないので、全身の感覚器からのフィードバックが必要になるわけです。
足首を捻挫すると、足の感覚が変わる
足の裏にはたくさんの感覚受容器があり、脳に情報を送っています。
丸印がある部分が感覚を感じる神経が集中している場所です。
また、この場所は足底筋膜炎で痛みを感じる部位に合致するところも多いです。
浮き指の方は、指が浮いているわけですから、足の裏を全て使えないため、脳に適切な情報が送られていません。
結果として、変に力が入ってしまったり、姿勢などに問題が出てきます。
その状態で日常生活を送ったり、スポーツなどの身体活動を行うため、腰痛や肩こりが起きやすくなります。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2290100/
また、歩行観察、足部評価でも足部の内在筋(足の裏にしかない筋肉)は注目されません。
足の内在筋の活動度は全身の動きに影響します。
野球、サッカー、ラグビーなどスパイクを履いて行う競技の選手はトップレベルでも足の内在筋の活動低下は見られます。
下腿の外在筋活動で代償動作として補填しているケースは多いです。
下腿の外在筋活動が過剰に働くことで、腰痛や肩こりが起きやすくなります。
参考論文
https://bjsm.bmj.com/content/49/5/290
まとめ
長々と書きましたが、足を捻挫したら軽度でも専門家にみてもらいましょう!
普段、地面と唯一接している足がダメージを受けると腰痛や肩こりなど、様々な影響が出てきます。