トレーニング 顎関節症

口が開いている(口呼吸)と力が入りにくい???

力を入れている人は歯を食いしばっているイメージはありませんか?

また、自宅やジムで筋トレをするとき、ぐっと歯を食いしばったことはあるのではないでしょうか?

重たい物を持つ瞬間には、歯を食いしばると力が入りやすくなります。

これは、歯をぐっと食いしばることで、身体が緊張し関節を固めることができるからです。

歯をぐっと食いしばることで、身体の剛体化ができるということです。

逆に言えば、口が開いていると力が入りにくいとも言えます。

これだけ読むと、「スポーツや筋トレ中は食いしばったほうがいいの?」

と思うかもしれません。

さて、実際にはどうなのでしょうか?

スポーツや筋トレでは歯を食いしばったほうがいい?

答えは、半分は正解ですが、半分は間違っています。

人は力を発揮しているときに、歯を噛みしめているわけではありません。

実は、大切な事は歯を噛み締めることではなく、顎自体を固定することにあります。

実際に、トップアスリートの選手やパワーリフターの選手には、歯を食いしばっている感じはあまりありません。

パワーリフターのトップ選手のインタビューなどでも、スクワットやデッドリフト時に呼吸や腹圧に言及する話は出てきますが、食いしばる云々という話は聞いたことがありません。

*腹圧や呼吸に関しての話は、本題からずれてしまうので、この記事では割愛します。

人間は歯を食いしばると「咬筋」という筋肉が働きます。

この筋肉は、奥歯を噛み締めると顎関節のところに浮き出て触れることができます。

咬筋

咀嚼筋の一つ

起始部

  • 頬骨弓の前2/3

停止部 

  • 下顎骨咬筋粗面下部

 

映像などで、パワーリフターやスポーツ選手をチェックしても、咬筋が浮き出ている選手はほとんどいません。

余談ですが・・・

一般的にネガティブな感情の時に、歯を噛みしめることが多いとされています。

例えばこんなときに歯を食いしばっているイメージがありませんか?

  • 悔しい時
  • 苦しい時
  • 腹が立った時

など。

また、うまくいかない時や体が不調なときなども、歯を食いしばりやすくなります。

実際に、力を発揮する時の様子を、筋電図を用いて測定をしても下記のようなデータがあります。

顎二腹筋と胸骨舌骨筋が100%収縮し、側頭筋や咬筋は20~40%程度しか、働いていません。

これはピーナッツを噛んでいる時と同じ程度の強さです。

これは、なぜでしょうか??

身体を固めて行うスポーツは存在しない?

筋トレなども含め、身体を固めて行うスポーツはありません。

スポーツは、全身の連動性を活かすために、身体を柔らかく使うことが原則です。

歯を食いしばって、身体を固め、身体が剛体化された状態ではスムーズな動きができません。

もっと言うと、何らかの動きが伴う時には食いしばってはいけません。

食いしばることで、スムーズな身体の動きを妨げるわけですね。

ただ、補足として付け加えると、重いものを持つ瞬間には、歯を食いしばると良いです。

あくまで瞬間にです。

まとめ

スポーツや筋トレでは歯を食いしばったほうがいい?

答えは、半分は正解ですが、半分は間違っています。

身体を固めて行うスポーツは存在しない?

もっと言うと、何らかの動きが伴う時には食いしばってはいけません。

食いしばることで、スムーズな身体の動きを妨げるわけですね。

ただ、補足として付け加えると、重いものを持つ瞬間には、歯を食いしばると良いです。

あくまで瞬間にです。

運動時には、顎をいかに固定させられるかというのが大切です。

もっと言うと、無意識かつ瞬間的に顎が安定しなければなりません。

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 目立つ看板を出さずひっそりと口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

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