イタリアの偉人、レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci (1452-1519) は、足について、このような言葉を残しています。
「足は人間工学上、最大の傑作であり、最高の芸術作品である」と。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、万能の天才と言われていました。
絵画や彫刻などの芸術のみならず、動物や植物の研究、医学や建築などの分野でも他の領域においても多大な功績を残しました。
その中でも解剖学に強い愛着があり、実際に解剖も熱心に行っていたそうです。
その中でも、レオナルド・ダ・ヴィンチが人体の最高傑作と言ったのは、「足」なのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチも「足」について知ればするほど、驚嘆していたに違いありません。
身体にとって、それほど重要とも言える「足」なのですが、ほとんどの治療院では「足」へのアプローチというのは抜け落ちています。
逆に言えば、これまで3箇所以上病院や治療院を周り、どこに行っても良くならなかった方も、「足」への施術は受けていない方がほとんどです。
長年悩んでいる腰痛や肩こりの原因が「足」というのは、珍しい話ではありません。
余談ですが、特に重度な腰痛、長年腰痛で悩んでいる方は、足の指に力が弱っている方が多いのです。
なぜ、それほどまでに「足」というのは身体にとって重要なのでしょうか?
人間は3つの動作が基本です。
それは、「立つ」「歩く」「座る」です。
人間は、大半の時間をこの3つの動作を行っています。
立っている時、歩く時は、「足」しか地面と接地していないのです。
「足」は土台とも言えます。
この土台が崩れてしまっているので、身体に様々な問題が起きてきます。
姿勢は本来は足首でコントロールするもの
実は、子どもは姿勢を足首でコントロールしています。
姿勢を足首でコントロールするのは、基本なのです。
子供の頃、大半の方が腰痛や肩こりなどの不調と無縁だったのはそのためです。
姿勢を無意識のうちに、足首でコントロールしていますので、一度できなくなってしまうとコントロールできなくなるのです。
例えば、足首の動きなどの問題が起き、姿勢が足首でコントロールできなくなったとします。
すると、今度は足首の動きをカバーしようと、股関節でコントロールしようとするのです。
実は、腰などが痛くなるのはこのメカニズムです。
足関節の動きが悪くなると、代償的に股関節の周辺の筋肉が過剰に動きます。
足首の負担を、股関節で肩代わりするわけですね。
足首の負担を、股関節で肩代わりするということは、股関節周りの筋肉にも負担が大きくなります。
すると、股関節の可動域にも影響が出ますよね。
股関節の可動域や、運動に関する筋肉(大腰筋、大臀筋、中臀筋、梨状筋・・・など)が腰痛に影響していることは、説明不要だと思われます。
もっと言うと、股関節の可動域や骨盤や股関節の筋肉に問題を発生させているのも、足首に問題があるとも言えます。
ハイヒールなどで、足首の動きにロックをかけてしまうと、骨盤や股関節に問題が起こり、頭が前方にいくことで、バランスを取っているとも言えます。
足首の問題を解消せずに、上半身だけでなんとかしようとしても、結果が出ないには当たり前なのです。
姿勢を改善するには、足首から直していくべきなのです。
また、姿勢だけでなく、首痛、腰痛や肩こりやひざ痛、腱鞘炎、自律神経失調症、猫背やO脚など、身体の不調で悩んでいる方の足首をチェックすると、ほぼ間違えなく「足」になんらかの問題が起きています。
これまで、どこに行っても良くならなかった方も、「足」は抜け落ちてしまっていることが多いのです。
大半の治療院の施術は、骨盤や背骨、筋膜といった場所へのアプローチが多いようです。
臨床をやっていても、「足」が症状改善の突破口になることも多いです。
あらゆる症状の70%近くが足首の問題にある
足首は、上の図を見ていただければわかりますが、小さな骨の結合体です。
精密機械のように、実に複雑で細かい動きをしています。
骨と骨をつなぐ靭帯ですが、およそ身体の4分の1の靭帯が足首に集中しています。
足首は、そのくらい複雑で細かいのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチも「足」について知ればするほど、驚嘆し、
「足は人間工学上、最大の傑作であり、最高の芸術作品である」という言葉を残したのでしょう。
身体に不調がある方の足をチェックすると、足首の過回内(オーバープロネーション)がおきています。
画像参考元 http://bullion.co.jp/archives/43
足首の過剰回内という問題
足首の過回内が、身体の不調とどんな関係があるのか?
と思いますよね。
上の図を見ていただければわかるのですが、足首が崩れてしまっているので、すねの骨(脛骨や腓骨)が捻れます。
すねの骨が捻れれば、膝が内旋します。
膝が内旋すれば、股関節が内旋します。
股関節が内旋すると、骨盤が前傾し、いわゆる反り腰の状態になります。
反り腰になれば、頭が前方に突出することで、姿勢のバランスを取ろうとします。
これは、猫背であり、O脚ですよね。
末端から壊れていく
末端であり、土台である「足」から身体が壊れていくのが、お分りいただけたでしょうか?
いくら、背骨や肩甲骨、骨盤や股関節を一生懸命調整しても、また時間が経つと、症状がぶり返すのは、そもそもの問題である「足」から見直していないからです。
先ほども書きましたが、寝ている時以外、「足」は地面と接して続けています。
この「足」の接地や「足」そのものを変えないと、また「足」が地面と接地するたびに、脚がねじれます。
歩いたり、立つたびに、身体が壊れて行くとも言えます。
最後に・・・
レオナルド・ダ・ヴィンチも「足」について知ればするほど、驚嘆し、
「足は人間工学上、最大の傑作であり、最高の芸術作品である」という言葉を残しました。
それほどまでに「足」というのは重要なのですが、あまり論文や文献は少ないです。
「足」は骨の数や靭帯の数が多く、難しいと印象があるからかもしれません。
長年、不調で悩んでいる方こそ「足」から見直していくことをお勧めします!