普段、臨床をしていて意外と多い質問があります。
それは「姿勢」に関すること。
- 姿勢を直すには筋トレ?
- 姿勢を直すには?整体?
- 筋力が弱いから、姿勢が悪くなる?
などの質問です。
答えとすれば
「筋トレも整体もできることは全部やってみた方がいい」
という回答になります。
どれか1つだけ何かを行って、姿勢が直る可能性は低いでしょう。
解説します。
姿勢は脳と神経が管理している
姿勢を直すと言っても、まずは
「姿勢はどうやって作られているのか?」
を考えていく必要があります。
姿勢は、脳と神経が管理しています。
特に、耳の奥にある平衡を司る組織(三半規管)と、体中に埋め込まれている感覚センサーからの刺激が脳・中枢神経へフィードバックされることにより姿勢は決定されます。
ということは、姿勢のコントロールがうまくできないということは
- 平衡器官に問題がある
- 感覚センサーに問題がある
- 脳での処理に問題がある
この3つの中の1つか2つか3つです。
姿勢と一言で言っても、たくさんの要因があり、決定されていることがわかります。
「筋トレも整体もできることは全部やってみた方がいい」
という答えになってしまうのです。
整体で姿勢が直ることはある?
なんらかの徒手療法を施すことで、感覚受容器に刺激が入り、中枢神経や脳へのフィードバックが変わることで、姿勢が変わる可能性があります。
また、反射によって姿勢が変わる可能性があります。
あくまで可能性です。
ところが、
- 平衡器官に問題がある
- 脳での処理に問題がある
場合、徒手療法では姿勢は改善しない可能性もあります。
いずれにせよ、刺激に対してフィードバックが起きたり、反射によって姿勢が変わってもあくまで永久的なものではなく、一時的なものです。
徒手療法の受けた後に、なんらかのアクションを行わないと、一時的な姿勢の変化で終わってしまう可能性が高いと言えます。
姿勢を直すには筋トレが良い?
ここまでお読みいただくと、もうお分かりだと思いますが、姿勢は筋力だけで立っているわけではありません。
つまり、筋肉をムキムキにしたからといって姿勢は直らないということです。
逆に筋トレやり込んでマッチョな方の方が、姿勢のことで悩んでいる方が多いです。
むしろ、姿勢は必要最低限の筋肉さえあれば問題ありません。
筋力が少ない3歳児でもまっすぐ立てているほどです。
「じゃあ、筋力は全く関係ないの?」
と言われると、必要最低限の筋力すらない方もいらっしゃるので、全く関係ないとは言い切れないところですが・・・
そういった意味では、筋トレも、体を動かすという観点ではやるべきです。
ただ、バーベルやダンベルを使った筋トレは、直線的でシンプルな動きが多いため、姿勢が改善する可能性は低いかもしれません。
筋トレの種目(特にマシン)は非日常的で不自然な動きが多いです。
競技として大会に出るなら別ですが、非地上的で不自然な動きのトレーニングをやり込むと、日常動作への影響が出てしまいます。
つまり、競技として大会に出る方は、日常動作を犠牲にして筋肉をつけているとも言えます。
見せかけの筋肉・使えない筋肉と言われてしまう所以はここにあります。
もちろん、何もやらないよりは良いのですが、やりすぎると姿勢に関しては弊害が出てしまいます。
現代人は、身体を動かす機会が減っていたり、偏った動きが多いです。
- 一日中デスクワーク
- 長時間のスマホ
- 野球選手なら野球ばかり
- サッカー選手ならサッカーばかり
身体の感覚センサーが、偏った発達をしてしまう可能性があります。
身体の感覚センサーを発達させるには、様々な運動経験を積む必要があるということです。
本当に現代人は座っている時間が長いです。
すると長時間座ってデスクワークをすることに特化した姿勢になってしまうのです。
- 走る
- 登る
- 掴まる
- 飛ぶ
なんていう動作も、大人になるとやらなくなりますよね・・・
まとめ
姿勢は、脳と神経が管理しています。
特に、耳の奥にある平衡を司る組織(三半規管)と、体中に埋め込まれている感覚センサーからの刺激が脳・中枢神経へフィードバックされることにより姿勢は決定されます。
ということは、姿勢のコントロールがうまくできないということは
- 平衡器官に問題がある
- 感覚センサーに問題がある
- 脳での処理に問題がある
この3つの中の1つか2つか3つです。
姿勢と一言で言っても、たくさんの要因があり、決定されていることがわかります。
「筋トレも整体もできることは全部やってみた方がいい」
ということになります。