姿勢が決定されるには身体のさまざまな感覚器がフィードバックしあう必要があります。
感覚器の中でも、重要なものは以下の3つです。
- 視覚
- 前庭覚(平衡覚)
- 体性感覚
この3つの感覚器が、フィードバックしあうことで、絶妙なバランスで姿勢が決まります。
- 視覚
- 前庭覚(平衡覚)
- 体性感覚
あまり知られていないの3つの感覚器について解説します。
1 視覚について
視覚の姿勢への貢献度は10%程度とされています。
実は視覚は身体図式に入っておらず、姿勢を修正する際にもあまり役に立ちません。
ですが、視覚情報を脳に伝えることで、その後の姿勢保持に貢献しています。
視覚は姿勢保持の貢献度が低いのには理由があります。
視覚情報の処理というのは時間がかかるのですね。
人間は、その場で普通に立っていても絶えず小さく揺れています。
前庭覚が揺れを素早く感知して、姿勢を常に修正して保ってくれています。
そんなわけで、姿勢は割と常にゆらゆらしているのですが、視覚情報は時間がかかるため、姿勢を修正するの役に立たないからです。
そんな視覚は影響力が大きく、視覚によって姿勢が変化してしまうこともあります。
小脳機能不全の場合、目を開けていたら立てるけど、閉じた瞬間不安定になります。
この場合は、普段は視覚に頼っている可能性が高いと考えられます。
また、視覚機能は前庭覚と共同で働くシステムを有しており、前庭が機能していないと視覚機能は低下します。
もし視覚のみしか働かない場合は?
視覚のみが働く場合、自分が動いているのか、周囲が動いているのか認識できなくなります。
2 前庭覚について
前庭覚は、平衡感覚を感じ取る機能で、どの生物にも存在し、原始的な機能です。
前庭覚は、重力や加速度、傾きを感じ取ります。
前庭覚は姿勢の貢献度は、20%ほどです。
貢献度は20%ほどとは言え、前庭覚が働かないと大変なことになります。
前述したとおり、視覚機能は前庭覚と共同で働くシステムがあり、前庭が機能していないと視覚機能は低下します。
前庭小脳という部位が小脳にはあります、
前庭小脳は、原皮質と呼ばれる最も古い脳からできています。
最も古い脳からできているということは、生物にとって平衡・重力を感じるというのは非常に重要だということです。
人間にとって立位の姿勢を維持するためには、重力はとても重要です。
重力があるからこそ、床からの反力を利用して姿勢を維持できるとも言えます。
前庭の機能低下するということは、重力は平衡を感じられなくなり、姿勢保持に関して重大な問題を引き起こします。
前述しましたが、人間は、その場で普通に立っていても絶えず小さく揺れています。
前庭覚が揺れを素早く感知して、姿勢を常に修正して保ってくれています。
3 体性感覚について
- 視覚
- 前庭覚(平衡覚)
- 体性感覚
この3つの中で最も姿勢に貢献度が高いのは体性感覚です。
体性感覚の姿勢への貢献度は約70%ほどです。
足底感覚に始まり、身体中の筋腱・関節に存在する筋紡錘やゴルジ腱などの感覚受容器から、筋腱・関節の状態を絶えず脳に伝えてくれています。
身体の状態を脳に教えてあげているのですね、
また、足底感覚は、地面の感覚を捉えるのに大きな役割を果たします。
- 柔らかい?
- 硬いのか?
- 傾いている?
- 凸凹?
などの情報を捉えています。
どれか1つが働かなくなったら姿勢はどうなるか?
立つことすら難しくなるのでしょうか?
実は、立つことはできます。
ただ、あくまで転倒しないという話ですが・・・
3つのうち2つが機能していれば人間はそれなりに姿勢を保つことができます。
1つしか働かなければ。姿勢を保つことは難しくなります。