外反母趾は10:1で女性に多い代表的な前足部の変形です。
人によっては痛みを伴うこともあります。
一見すると、母趾が小指側に曲がっているだけの変形に見えますが、そんなに簡単な変形ではないのです。
外反母趾のメカニズムについて解説します。
外反母趾のメカニズム
第一中足骨が内反する。
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内側種子骨に付着する母趾外転筋は短縮位になり、外側種子骨に付着する母趾内転筋は伸長位となる。
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伸長された母指内転筋は静止張力が高まり、外側種子骨を外側に引く力が大きくなる。
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母趾が外反方向に引かれて変形が生じる。
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外反母趾
という流れで外反母趾になっています。
ここで注目するべき部位は中足骨です。
中足骨は5つあり、いわゆる「足趾」の根元部分です。
内側から第1中足骨、外側が第5中足骨の順番です。
第1中足骨は最も短く、最も太いです。
また、第1中足骨は外反母趾に関係する骨です。
第2中足骨は最も長く、楔状骨と第1,3中足骨と、強固に連結されています。
楔状骨と第1,3中足骨と、強固に連結されていることにより、歩行時に蹴り出し時の負荷に耐えられるようになっています。
外反母趾の方というのが、構造的に一番短いはずの第1中足骨が、一番長いはずの第2中足骨よりも長くなってしまっているのです。
特に子供の場合、先天的に第1中足骨が長くなってしまっており、外反母趾の原因になっています。
第一中足骨が第二中足骨よりも長い。
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構造的にどうしても第一中足骨が内反する。
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内側種子骨に付着する母趾外転筋は短縮位になり、外側種子骨に付着する母趾内転筋は伸長位となる。
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伸長された母指内転筋は静止張力が高まり、外側種子骨を外側に引く力が大きくなる。
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母趾が外反方向に引かれて変形が生じる。
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外反母趾
2つの種子骨
痛みが出る第一中足趾関節(MTP関節)は中足骨頭と基節骨底で構成される顆状関節です。
第一中足骨と母趾の角度は(外反母趾角)は正常では10〜15度です。
20度以上になると高度な外反母趾と判断できます。
第一MTP関節の特徴は、中足骨底に存在する2つの種子骨の存在です。
他のMTP関節にも種子骨が存在することがありますが、恒常的に存在するのは第一MTP関節です。
内側と外側に種子骨があり、長母指屈筋は種子骨の間を走行することで、荷重した際に中足骨頭に押しつぶされずにすむのです。
また、母趾基節骨に付着する筋肉は、種子骨を介して停止することで中足骨頭からのレバーアームを延長し、屈曲筋力を高めています。
足根中足関節の安定性
第一中足骨は、遠位端でMTP関節を構成し、近位端では、内側楔状骨と足根中足関節を構成します。
この関節は背側・底側の中足骨間靭帯や前脛骨筋や超腓骨筋の腱によって安定性が得られます。
女性に多い関節弛緩性などの内因性の問題があると、結合組織が弱いため、この関節の安定性は低下します。
その際、関節面が外側から内側に向かって傾斜しているため、第1中足骨は内反しやすいのです。
外反母趾になるフロー
第一中足骨が内反する。
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内側種子骨に付着する母趾外転筋は短縮位になり、外側種子骨に付着する母趾内転筋は伸長位となる。
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伸長された母指内転筋は静止張力が高まり、外側種子骨を外側に引く力が大きくなります。
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母趾が外反方向に引かれて変形が生じてきます。
力学的不均衡による悪循環
一旦、外反母趾になってしまい、種子骨周囲の力学的不均衡が生じてしまうと、以下のフローで悪循環になり、外反母趾は進行していく。
外反母趾が進行するフロー
種子骨周囲の力学的不均衡が生じます。
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外側種子骨を外方に引く力が増強します。
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第一中足骨が回内し、内側種子骨は外側に変位する。
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母趾外転筋の停止部が底側に移動し、母趾を外転する力を発揮できなくなる。
第一中足骨の変形
第一中足骨頭関節面は正常では役6度程度、外方に傾斜しています。
この角度をDMAAと呼びます。
このDMAAが大きくなると、母趾は外反しやすくなる。
中足骨が回内すると、関節面は相対的に大きくなり、母趾は外反位を取りやすくなります。
ただ、第一中足骨頭の関節面は底側に大きな曲率を持っています。
そのため、第一中足骨が回内するとDMAAは相対的に大きくなるため、母趾は外反位を取りやすくなる。
要するに、外反母趾の変形は、単純に母趾が外反しているだけではなく、第一中足骨の内反と回内変形を伴っているのです。
まとめ
女性に多い関節弛緩性などの内因性の問題があると、結合組織が弱いため、この関節の安定性は低下します。
足根中足関節の関節面は、外側から内側に向かって傾斜しているため、第1中足骨は内反しやすい。
内側種子骨に付着する母趾外転筋は短縮位になり、外側種子骨に付着する母趾内転筋は伸長位となります。
第一中足骨が回内するとDMAAは相対的に大きくなるため、母趾は外反位を取りやすくなります。