長母趾屈筋腱炎というのは、あまり聞きなれない名前かもしれません。
足の腱鞘炎とも呼ばれ、バレエ愛好者に多いことから「バレエ足」と呼ばれることもあるそうです。
長母趾屈筋腱炎について解説します。
長母趾屈筋腱炎について
長母趾屈筋腱炎は
「足の親指を曲げると、パキッと音が鳴る」
「足の親指を曲げると、くるぶしの辺りが痛い」
という、症状が起きます。
手の腱鞘炎は、ばね指と言われます。
ばね指は、指を曲げ伸ばすと、引っ掛かりやパキッと音とがなります。
重症化すると、痛みが強くなり、自動運動では曲げ伸ばしが困難になることもあります。
長母趾屈筋腱炎は、ばね指の足の指バージョンと言われています。
バレエ愛好者に多いことから、「バレエ足」とも言われることがあるそうです。
また痛みの出る場所が(くるぶしの辺り)、三角骨障害で痛みが出る場所と近く、鑑別が非常に難しいと言われています。
長母趾屈筋について
- 起始 腓骨体後面の下方2/3 下腿骨膜の後面
- 停止 母趾の末節骨底
- 支配神経 脛骨神経
- 主な働き 足関節の屈曲(底屈)、足の内反、母趾の屈曲(IP関節)
ふくらはぎの筋肉の下から出て、内くるぶしの下の腱鞘というストロー状のところを通ります。
内くるぶしの下の腱鞘で90度方向転換します。
その後、足の裏を通り、母趾の先の骨の裏側に付着します。
下腿三頭筋と共にふうらはぎの筋肉に覆われ、外反母趾にならないように頑張っている筋肉でもあります。
長母趾屈筋は内側の縦アーチの維持を助け、爪先立ちやなどの動作をする際に、働きます。
くるぶしが痛くなりやすい理由
母趾を曲げて使いすぎていると、母趾の付け根が痛くなり、曲げる度にパキッということもあります。
先ほども書きましたが、長母趾屈筋は、
「ふくらはぎの筋肉の下から出て、内くるぶしの下の腱鞘というストロー状のところを通ります。
内くるぶしの下の腱鞘で90度方向転換します。
その後、足の裏を通り、母趾の先の骨の裏側に付着します。」
内くるぶしの下の腱鞘のところで、90度方向転換するわけなのですが、ここで負担が大きくなってしまいます。
内くるぶしの下で、長母趾屈筋の負担が大きくなり、炎症が発生し、痛みが出ます。
長母趾屈筋腱炎は治りずらい?
非常に治りづらい症状です。
足は非常に繊細で敏感で感覚が鋭い部位です。
先ほど長母趾屈筋について書きましたが、長母趾屈筋だけアプローチしても長母趾屈筋炎が改善するという単純な話ではありません。
いわゆるバイオメカニクス的なことだけやれば改善するわけではないということです。
感覚を変えること
長母趾屈筋え限らず足の痛み全般に言えることですが、足の痛みの大半は組織の損傷と無関係に起こる感覚性の痛みが大半だとされています。
丸印がある部分が足の裏の感覚を感じる神経が集中している場所です。
感覚受容器、侵害受容器、自由神経終末、神経、中枢神経などがバグのようなものを起こし、痛みが出ていることが多いのです。
痛みを改善するにはとにかく様々な刺激を入れて感覚を変えることが最も重要です。
バイオメカニクス・構造面にフォーカスすることも大事ですが、感覚を変えることも大事です。