その昔、手首に長年痛みがある、という方が予約をとって施術を受けにいらっしゃいました。
電車に乗っていらっしゃったので、それなりに遠方からです。
有名な先生も含め、結構な数の治療院をまわったとのことでした。
字を書くのも痛みが出てしまい、困っているとのことでした。
早速、実際に触って、動かして、痛みがある手首のチェックをし始めたのですが、こんなことを言われて驚きました。
「そんな風に手首や指をみてもらったのは初めてです」
これには驚きました。
どこの治療院からも「痛みのある場所には原因がない」と言われ続けていたようです。
詳しく尋ねてみると、こんなことを言われていたそうです。
「〇〇さんの手首の痛みの原因は背骨の歪みです」
「〇〇さんの手首の痛みの原因は肩や肩甲骨、背中です」
「〇〇さんの手首の痛みの原因は骨盤の歪みです」
「〇〇さんの手首の痛みの原因は頚椎の歪みが原因です」
「〇〇さんの手首の痛みの原因は、全身が凝り固まっているのが原因なので、全身をもみほぐしていきましょう」
実際に手首をチェックすると、橈骨、尺骨が離開するようなストレスがかかり手根骨が不安定になっていて、普通に手首に問題があり、痛みが出ていました。
そのことをご指摘し、実際に痛みが大きく減少すると、驚かれ、喜ばれました。
「痛みのある場所には原因がない」という場合もありますが、痛みのある場所に原因がある場合もあります。
やっと本題です。
肘の回内回外の制限があると遠位の頭骨・尺骨は離開する?
手首に痛みが出る場合、手根骨が不安定になっていることが非常に多いです。
手根骨は指の根元にある骨たちです。
この手根骨に不安定性がみられ、手首に痛みが出やすいと考えられます。
手根骨に不安定性にみられている方の肘の動きをチェックすると、回内・回外運動制限がみられます。
前腕に回内・回外運動制限があると、橈骨、尺骨が離開するようなストレスがかかり手根骨が不安定になります。
手首が痛い場合、手指のチェックも必須ですが、手根骨のチェック、橈骨、尺骨、肘の関節の動きもチェックするべきでしょう。
局所の問題の原因は、局所にある場合もあります。