先日、商店街の仕事で、4月1日(日)フリマの準備を十字会の事務所でやっていました。
ラミネート貼りの作業をしながら、先輩からこんなことを質問されました。
ここで、先輩が立ってみて確認をする。
なんていうやり取りがありまして、先輩に説明するために、この記事を書きました(笑)
腓骨筋腱炎とは?
長腓骨筋、短腓骨筋の炎症を起こしていました。
痛みが強い場合、腓骨筋腱が外れるような感覚がある場合は、腓骨筋腱脱臼の疑いもあります。
今回は痛みの場所も明確ではないですし、そこまで痛みが強くはありませんから、腓骨筋腱脱臼の疑いは除外しました。
長腓骨筋、短腓骨筋、どちらの筋肉が原因かで痛みの場所は変わります。
長腓骨筋の場合
くるぶしの下あたりに、急カーブしているところがあります。
ここが擦れるようなイメージで炎症を起こし、痛みが出ます。
長腓骨筋腱滑車のあたりのことが多いです。
長腓骨筋
起始 腓骨頭、腓骨外側面
停止 内側楔状骨、第1中足骨底
支配神経 浅腓骨神経
主な働き 足関節の屈曲(底屈)、足の外反
短腓骨筋の場合
小指側の足の裏近くに、短腓骨筋がくっついているところがあります。
短腓骨筋が引っ張るため、短腓骨筋の付着部に痛みが出ます。
起始 腓骨外側面
停止 第5中足骨粗面
支配神経 浅腓骨神経
主な働き 足関節の屈曲(底屈)、足の外反
長腓骨筋、短腓骨筋どちらの場合も
やることや施術はそれほど変わりません。
長腓骨筋、短腓骨筋で厳密に分類する必要はありませんが、それぞれ違う筋肉が原因であることだけは知っておいて欲しいところです。
ちなみに、くるぶしの内側に痛みが出る場合は、後脛骨筋のトラブルです。
臨床上ですと、内側に痛みが出る後脛骨筋腱炎の方をよく見る気がします。
腓骨筋腱炎の原因は回内足(扁平足)?
一昔前までは、回内足が腓骨筋腱炎などの足のトラブルの原因と言われてきました。
上の図や写真のように、回内足だと脚が捻れ始め、足の筋肉への負担が大きくなります。
長腓骨筋、短腓骨筋に負担がかかり、炎症が起きて痛みが出るとされてきました。
ところが最近の研究では、こういった構造面、バイオメカニクスで痛みが出ることは実際には少ないということがわかってきました。
回内足(扁平足)でも、足の痛みに関していうと問題ないということです。
腓骨筋腱炎は非常に複雑なメカニズムで発生しています。
「〇〇が原因です」
と言い切れるような単純なものではないということがわかってきています。
- 侵害受容器
- 感覚受容器
- 神経系
- 内受容
- 血管
などの要因の影響が強いと言われています。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3414868/
腓骨筋腱炎は治りずらい?
非常に治りづらい症状です。
足は非常に繊細で敏感で感覚が鋭い部位です。
バイオメカニクス・解剖学的なことを散々書きましたが、バイオメカニクス・解剖学的面だけアプローチしても改善するという単純な話ではありません。
いわゆるバイオメカニクス的なことだけやれば改善するわけではないということです。
感覚を変えること
足の痛み全般に言えることですが、足の痛みの大半は組織の損傷と無関係に起こる感覚性の痛みが大半だとされています。
丸印がある部分が足の裏の感覚を感じる神経が集中している場所です。
感覚受容器、侵害受容器、自由神経終末、神経、中枢神経などがバグのようなものを起こし、痛みが出ていることが多いのです。
痛みを改善するにはとにかく様々な刺激を入れて感覚を変えることが最も重要です。
バイオメカニクス・構造面にフォーカスすることも大事ですが、感覚を変えることも大事です。