肩甲骨周りの筋肉って主観的に硬いと感じやすい場所です。
自分でもでグリグリしたくなったり、マッサージでグリグリされることが多い場所ではないでしょうか。
「肩甲骨はがし」という気持ちよさそうな名前の施術メニューをやっているお店もあり、肩甲骨周りの不調で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
肩甲骨がゴリゴリするんです・・・
という話を聞くこともあります。
この場合は強い刺激OK? NG?
についてまとめてみました。
肩甲骨周辺で硬く感じる部位について
菱形筋、僧帽筋、胸椎部の脊柱起立筋の3つ有名どころだと思われます。
菱形筋にしても僧帽筋にしてもUpper Cross syndromeといわれるアンバランスではポジションとして伸張位になります。
つまり筋力が発揮できにくい状態になっています。
筋力が落ちたというよりも、筋紡錘の感度の低下といった方が妥当かもしれません。
筋紡錘の感度の低下し、筋力が発揮できにくい状態になってしまうと筋肉が硬いと「誤認」しやすいです。
このような状態に対して、検索するとセルフトリートメントの方法がたくさん紹介されています。
自分で調べてやっている方も多いかもしれません。
トリガーポイントについて
筋紡錘の感度の低下し、筋力が発揮できにくい状態というのは、いわゆるトリガーポイントとなる部分と言われています。
ですのでグリグリと何か刺激を入れたくなる部位でもあります。
トリガーポイントは「過敏化した侵害受容器」と近年表現されることが増えています。
つまり感覚が過敏化しているわけですから、痛みや違和感として感じてしまう部位とも言えます。
このように感覚が過敏化した部位に対してグリグリする、マッサージガンを当てるなどの機械的な感覚を入れることで、過敏化し痛みや違和感を感じている部分が一過性に改善される事は期待できると言われています。
しかし感覚が変化しているわけですから、あえて表現すると「バグった感覚」に対する刺激は過剰な強い刺激を求めてしまうことが多々あります。
長時間強い刺激を入れることで、組織の損傷が大きくなり逆効果となってしまうこともあります。
バグった感覚について
菱形筋、僧帽筋の間には神経、脈管系が走行しています。
筋肉も表層に僧帽筋、深部に菱形筋、胸椎に脊柱起立筋という形でミルフィーユ状に構成されています。
僧帽筋までは皮膚から1㎝ほど、菱形筋までは1.5㎝ほどの深さに位置します。
その間に網目状組織構造帯に覆われた神経などが走行しています。
伸びた状態の筋で伸び縮みの刺激が低下すると、縮んだ筋と同じように神経の周りの粘性を上げ、神経の滑走、感覚を変化させると考えられます。
そのような状態では関わる筋、組織の感覚が変化してしまい「バグった感覚」として痛みや違和感がきることもあります。
筋紡錘の感度の低下し、筋力が発揮できにくい状態になることで、肩甲骨という筋で支えられる部位のバイオメカニクスを変化させてしまうこともあります、
肩甲骨の回旋運動において重要な筋肉である中部下部僧帽筋に問題が起きてしまうと、いわゆる前述のUpper Cross syndromeの状態となります。
Upper Cross syndrome自体が痛みや違和感として直結するかどうかは疑問視されていますが、多少の関連性があるとは言われています。
強い刺激はNG
強い刺激はNG。
軽い刺激はOK(一過性)
肩甲骨周りがゴリゴリするからと言って、ゴリゴリする部位に強い刺激を入れればいいというわけではありません。
感覚として変化しているだけの部位に過度な刺激を入れるのはNGだということです。
よく観察して、何がどのように起きているのかを見極めることが重要です。
Dorsal Scapular Nerve Block Kumiko Hida Nerve Blockade and Interventional Therapy pp 101-103
Spinal Accessory Nerve Palsy:Associated Signs and Symptoms MARTIN J. KELLEY february 2008 | volume 38 | number 2 | journal of orthopaedic & sports physical therapy