「膝を曲げると膝の内側が痛い・・・」という相談をされることがあります。
膝を伸ばす時より曲げる時の方が痛みが出る方が多いようです。
膝を曲げると膝の内側が痛くメカニズムは、ざっくりと3つに分けられます。
解剖学的に解説します。
その1 knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)
knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)で、膝を曲げると膝の内側が痛くなることもあります。
knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)とは、膝が内側に入り、つま先が外側に向いた状態のことです。
ざっくりいうと、「膝が内側に入ってしまった」状態です。
軸が歪んでしまっているので、膝に負担がかかりやすく痛みが出ると言われます。
また、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)の状態のまま、スクワットなどを行うのも、膝を痛めやすくダメだとされています。
参考動画
このknee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)は、膝に負担をかけるモーションとされ、膝の痛みの原因と言われてきました。
膝を曲げる際に、ニーインしてしまうから膝が痛いということですね。
ところが最近の研究では、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)の状態が、膝の痛みの原因に直結するという見解は、今のところなかったのです。
knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)の状態でも、膝の痛みを伴わないケースも多いとのこと。
とは言え、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)で膝が痛くなることが少なからずあるということですね。
その2 膝蓋骨の動きが悪い
膝蓋骨に動きが悪いことで、膝を曲げると膝の内側が痛くなることがあります。
実は膝を曲げ伸ばしをする際に、膝のお皿は上下にシンプルに動いているわけではありません。
膝関節の関節面が非常に複雑な構造をしています。
そのため、膝のお皿は膝を曲げ伸ばしの際に、複雑な動き方をします。
また、太ももの筋肉である大腿四頭筋の引っ張りにより、うまく膝のお皿が滑らかに動くように調整されています。
この膝のお皿の動きがずれてうまく動かないことをトラッキングといいます。
膝が痛い方は、膝のお皿のトラッキングが起こっているケースが多く報告されています。
膝のお皿のトラッキングが改善すると、階段を降りる際の膝の痛みが改善する方もいます。
ところが、膝のお皿のトラッキングの問題が解決しても、膝の痛みという問題が必ずしも改善するわけではありません。
とは言え、膝蓋骨の動きが悪いことで、膝が痛くなることが少なからずあるということですね。
その3 足首や股関節の問題
膝の問題ではなく、足首や股関節の問題で膝の曲げると痛みが出ることがあります。
人間の動作で、膝だけを単体で動かすことは、ほぼありません。
必ずと言っていいほど、股関節や足首もセットで動きます。
階段を降りる際の関節が動く順番ですが
- 足首⇨膝⇨股関節
- 股関節⇨膝⇨足首
のどちらかでしょう。
ということは
足首や股関節の機能が低下していると、膝の負担が大きくなり、膝が痛くなるということですね。
まとめ
単に膝を曲げると内側が痛いといっても
- knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)の問題
- 膝蓋骨の問題
- 足首や股関節の問題
の3つの問題があります。
膝のバイオメカニクスは、実はかなり複雑です。
膝の関節の構造や動きも複雑です。
痛くなると本当に厄介ですね・・・