最近、新規の患者さんから聞かれることが増えた質問に
「筋膜の癒着」
があります。
特に、個人店ではなくいわゆる大手のお店でマッサージを受けていた方に言われることが多いのです。
詳しくは聞いてないのですが
「筋膜の癒着はがしコース」
のようなコースがあるようです。
または施術中に「〇〇の原因は〇〇の癒着が原因です」
と言われることがあるようです。
「筋膜の癒着」とはどういうことなのか。
リサーチしました。
「筋膜の癒着」などと言われる正体は、組織のDensification(高密度化)
筋膜の癒着と言われる状態では、組織のDensification(高密度化)しているとのこと。
組織が高密度化の状態では、組織学的にヒアルロン酸の濃度が低下しているとの事です。
近年、筋膜性疼痛の病因において、筋膜の滑走のような動きの変化が重要であると言われてきました。
筋膜の滑走性が低下すると言う、重大な臨床的問題を軽減するために、様々な方法が試みられてきました。
臨床的問題で最も重要なのは、筋膜間の正しい滑走と、骨・関節・筋肉構造上の動きを回復する試みです。
筋膜の動きの根底にある重要な要素の1つはヒアルロン酸ということがわかってきました。
しかしながら、これまでは筋膜内のヒアルロン酸の正確な含有量は不明でした。
最近の研究では、さまざまな解剖学的部位から得られた人間の筋膜サンプルのヒアルロン酸含有量を初めて定量化できました。
繰り返しになりますが、組織が高密度化の状態では、組織学的にヒアルロン酸の濃度が低下しているとの事。
線維芽細胞はメカニカルストレスによって活性されると言われています。
ヒアルロン酸の生成を促すのは線維芽細胞などです。
線維芽細胞は、メカニカルストレスによって活性されるとされています。
メカニカルストレス
↓
線維芽細胞が活性化
↓
ヒアルロン酸の生成を促す
↓
筋膜の滑走性が増加する可能性がある
という流れになります。
徒手療法、フォームローラー、物理療法などはメカニカルストレスに該当します。
徒手療法、フォームローラー、物理両方などで、気になる組織に刺激を入れることで、線維芽細胞が活性化され、ヒアルロン酸の生成を促すことで、筋膜の滑走性が増加する可能性が高いと言えます。
ただ、ここで注意したいのが盲信しないこと。
ヒアルロン酸の生成を促すということは、メカニカルストレスだけで解決するわけではありません。
睡眠(休養)、栄養なども関わってきます。
「〇〇だけ」のような断定する論調には注意をしたいところです。
参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31103115/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30040133/