スポーツをやっている方でニーインが気になる方は多いですよね。
実は大腿骨は、まっすぐに伸びているわけではありません。
実は、ほんの少し内側方向へと伸びます。
したがって多少のニーインは正常ということです!
膝は180度ではなく、176度前後です。
この角度のことをFTAと言います。
この記事では、FTAとQーAngleについて解説します!
FTA
FTAとは、Femoro Tibial Angleのことです。
Femoro Tibial Angleとは、大腿骨と脛骨の角度です。
つまり、FTAとは大腿骨長軸と脛骨長軸の交点のなす角度です。
FTAは、通常は大腿骨体と脛骨の中央をとるため、X線などの画像から判断します。
FTAの正常角度は、176度前後です。
FTAをみることで、内反膝、外反膝などの膝関節のアライメントを知ることができます。
FTAと頸体角
FTAの正常角度は176度です。
FTAが176度になる場合、大腿骨の「頚体角」が、125度の場合です。
頚体角とは、大腿骨の骨頸部と骨体のなす角度のことです。
頚体角が、125度の場合が正常な頚体角となります。
FTAは大腿骨頚体角に左右されます。
内反股
頚体角が、125度より明らかに小さい場合(110度以下)を内反股と言います。
内反股の場合は、寛骨臼との適合性を得るために股関節内転位を取りやすく、膝関節の内側を荷重線が通る為に外反膝になりやすくなります。
外反膝は、X脚と呼ばれます。
外反膝(X脚)とは、FTAが170度以下の場合のことです。
外反股
頚体角が、125度より明らかに大きい場合(135度以上)は「外反股」と言います。
外反股の場合には、寛骨臼との適合性を得るために股関節外転位を取りやすく、膝関節の内側を荷重線が通る為に内反膝を呈しやすくなります。
内反膝は、O脚とも呼ばれます。
内反膝(O脚)とは、FTAが180度以上の場合のことです。
QーAngle
膝関節のアライメントにおいて、FTAとあわせて重要なのがQーAngleです。
FTAとQーAngleは混同しやすいです。
前述した通り、FTAはレントゲンなどの画像でしか正確には測定できません。
Q-Angleは、体表からのチェックが可能です。
QーAngleとは、Quadriceps Angleのことです。
Quadriceps Angleは大腿四頭筋腱角という意味です。
すなわち、QーAngleとは大腿四頭筋腱角のことです。
QーAngleは、上前腸骨棘(ASIS)から、膝蓋骨中心へ引いた線と、膝蓋骨中心から、脛骨粗面に引いた線が構成される角度になります。
大腿四頭筋が膝蓋骨を引っ張る方向を、QーAngleで知ることができます。
QーAngleによって、膝関節のアライメントをみることもできますが、大腿四頭筋の力のベクトルを推測することで、膝蓋骨の安定性をみることができます。
Q-angleの正常角度は、男性は約10度。
Q-angleの正常角度は、女性は約15度です。
Q-angleの角度が正常より大きい場合、大腿四頭筋の収縮により、膝蓋骨は外側に牽引されます。
膝蓋骨は外側に牽引されると、「膝蓋骨の脱臼・亜脱臼」や、「膝蓋大腿関節痛」を引き起こす原因になります。
「膝蓋骨の脱臼・亜脱臼」と「膝蓋大腿関節痛」は、男性より女性に多いと言われています。
「膝蓋骨の脱臼・亜脱臼」と「膝蓋大腿関節痛」が女性に多い理由3つ
- 男性より骨盤幅が広いという構造的な問題があります。 上前腸骨棘(ASIS)から膝蓋骨までの線に角度が大きくなるため。
- 大腿四頭筋筋力が弱い方が多く、膝蓋骨を安定させられないため。
- 大腿骨前捻角が大きいケースが女性に多いため。
また、大腿骨頚体角が125度より大きい場合にも、Q-angleは増えます。