人間は生活活動をしていると、同じような動作を何度も反復をします。
スポーツなども同じような動作を何度も反復をします。
また、デスクワークなどでも同じような動作を何度も反復をします。
繰り返しの動きによる問題を「Repetitive stress injury」「Cumulative stress injury」と呼びます。
反復性による組織へのストレスの障害です。
いわゆるスポーツ障害の多くが該当します。
オーバーユースのシンスプリントや疲労骨折、腱鞘炎などです。
腰痛や肩こりなども、こういった反復性による組織へのストレスの障害が要因と言われることが多いのですが、実際にはどうなのでしょうか?
リサーチしてみました。
腰痛や肩こりは複雑なので一概には言えない
Cumulative Stress(Injury) Cycleと呼ばれる反復性の組織へのストレスのサイクルが大きく関わります。
腰痛や肩こりの原因は反復性による組織へのストレスの障害が要因と言われる考え方があります。
いわゆるモーターコントロールでの腰痛・肩こりと言われるのと同じ意味合いだと思われます。
ざっくりと説明しますと、
組織へのストレスが腰部の靭帯や結合組織にかかる→腰部の靭帯や結合組織は感覚受容器が豊富なので腰部のコントロール不正を起こす→腰が痛くなる
という考え方です。
ただ、腰痛や肩こりのメカニズムは複雑です。
いわゆるモーターコントロール理論で痛みが出ることがあれば、それだけでは説明がつかない場合もあります。
一概には言えないと思われます。
少し本題からはズレるのですが、
「Cumulative stress injury」について
- 組織に繰り返しのストレスがかかる
- 組織の微細損傷などに伴い局所の炎症が起こる
- 保護作用で筋のスパズムが起こる
- 筋の過剰収縮や炎症により、組織の粘性が上がって硬くなる
- そららの組織には固有感覚受容器などが含まれるために神経系のコントロールが乱れる
- 筋収縮のアンバランス、関節運動の乱れが起きる
関節運動の乱れによって、また1の最初に戻って局所のストレスがよりかかります。
組織へのストレスがさらに向上し、それが加えて反復で繰り返しのストレスがかることによって障害へと繋がってしまいます。
I=NxF/AxR について
反復性による組織へのストレスの障害について。もう一つの考え方が以下の方程式です。
I=NxF/AxRです。
I=Injuy/Insult to the tissue (組織へのダメージ)
N=Number of repetition (組織へのストレスの数、量)
F=Force(かかる力)
A=Amplitude of repetition (それぞれの反復のふり幅、ふり幅が上がると組織へのダメージは下がります。)
R= relax time (安静にする時間、組織を使用しない期間)
この方程式で何が言いたいかというと、「休みなく強い力がかかり続けると組織のダメージが向上する」ということ。
仕事やスポーツなどをする上で、この方程式でかかる組織へのストレスは避けられないかと思います。
組織は反復が多く激しく、休養が少ないとダメージは向上します。
こう考えるとスポーツ障害(反復性ストレス)では休養をとれば回復すると思われがちですが、実際には不十分のケースもあります。
しっかり栄養や休養を取ることは最重要ですが、リカバリーのキャパシティを増やす意味でも筋緊張を減少させる、筋の短縮位を保持を避けるなど、ケアできることはあります。
参考文献