YouTubeやInstagramなどのSNSで良く見かけるのが「頭痛に対してのセルフケア」
また、頭痛専門整体のようなメソッドも見かけます。
頭痛には後頭下筋群が関連しており、「首のマッサージ」「首の揉みほぐし」が効果的!
というような論調が多く見られます。
といっても、全部見たわけではありませんが・・・
結論から言いますと
頚原性頭痛の場合でしたら、後頭下筋群が関連するため「首のマッサージ」「首の揉みほぐし」は有効な場合もあります。
ストレッチ、マッサージ、運動療法なども行っても問題はないと思われます。
その中でも、運動療法がエビデンスとしては効果的とされています。
頚部の頭痛の関係について、もう少し詳しく書いていきます。
まずは頭痛外来へ
一説によると頭痛持ちの方は日本で3,000万人と言われています。
その中の一次性頭痛という慢性頭痛は
- 片頭痛が5〜10%
- 緊張性頭痛が20%
程度となっています。
全ての疾患に当てはまることですが、まずは鑑別が重要になります。
頭痛には後頭下筋群が関連しており、「首のマッサージ」「首の揉みほぐし」が効果的!
という論調を多く見かけますが。
注意事項を加えていても、頭痛というのは二次性頭痛、脳やその他の病気に由来するものがあります。
鑑別能力のないところからの情報を鵜呑みにしてしまうのは危険かと思います。
最近は頭痛の専門の外来などもありますので、きちんと症状を把握するべきだと思います。
「私の頭痛は後頭下筋群由来に違いない!」と安易な判断には注意が必要です。
頚部と頭痛の関係について
頚原性頭痛と呼ばれる頭痛があります。
頚部が関連するといわれている「Cervicogenic Headache」 頚部性頭痛といわれます。
頚部が由来の頭痛で、背骨の動きで頭痛が悪化し、おでこ、目の周り、耳の周りにも分散痛が出る場合があります。
女性に多いと言われ、過去の頚部の外傷のような既往歴も関連すると言われています。
- 頚椎1番
- 頚椎2番
- 頚椎3番
- 頚椎4番
- 神経
- 筋肉
- 靭帯
- 関節包
- 椎間板
の問題が影響すると考えられています。
- 片側の頭痛
- 分散痛
- 頚椎椎の関節可動の制限
- 頚椎の圧痛
頸原性頭痛に対しては、「首のマッサージ」「首の揉みほぐし」は有効な場合もあると思われます。
ストレッチ、マッサージ、運動療法なども行っても特に問題はなさそうです。
その中でも運動療法がエビデンスとしては効果的とされています。
頚椎3番、頚椎4番が頸原性頭痛に対して一番影響を及ぼすとの文献もあります。
また、頸椎の関節突起の関節(Z関節)が問題を起こしやすいとされています。
ストレッチ、マッサージを自分で行う場合には、、頸椎の関節突起の関節(Z関節)にしっかりアプローチして動きを改善するようなアプローチが効果的でしょう。
また、頚椎1番、頚椎2番と三叉神経の関連から痛みのシグナルが発生しやすいなどという文献もあります。
そうなると顎関節や咀嚼筋など、顎に関わる部分も違和感や痛みが出る可能性もあります。
このように、頚原性頭痛と一言でいってもかなり複雑です。
頚部由来の頭痛と言っても、頸部を揉むだけでは良くならないかもしれません。
仮に頭痛が良くなったとしても一過性の可能性もあります。
「首が凝って血流が悪くなり、老廃物やリンパが溜まって頭痛になる」というような単純な話ではないようです。
参考論文
https://www.physio-pedia.com/Cervicogenic_Headache