痛みのメカニズムめちゃくちゃ複雑です。
痛みの分類は以下に分けられます。
- 侵害受容性(炎症性を含む)
- 神経系
- 侵害可塑性
以前にこんな記事を書いていますので、参考になさってください。
本題です。
「胸腰筋膜」について
胸腰筋膜は、昔ながらの認識だと、腰付近の膜の組織と位置付けられていました。
いわゆる慢性腰痛の患者は、胸腰筋膜が肥厚していたり、せん断応力の低下(滑りの低下)などが研究などで報告されていました。
胸腰筋膜が肥厚していたり、せん断応力の低下(滑りの低下)というのが、腰痛に直結すると言われていました。
最近の研究では、胸腰筋膜が肥厚していたり、せん断応力の低下(滑りの低下)というのが腰痛とは関係するものの、完全に腰痛とは直結するわけではないことがわかってきています。
腰痛とは直結しませんが、腰痛に重要な組織といえるでしょう。
なぜそのように言われているかと言いますと、胸腰筋膜は単なる1つの膜ではないということです。
胸腰筋膜に関わる筋も複雑化ており、その間には疎性結合組織という体を滑らすための潤滑的な組織関係し、ミルフィーユ的なスライド構造をなしているとされています。
「胸腰筋膜」と痛みの関係について
胸腰筋膜には多くの神経レセプターが存在しています。
神経レセプターの多くは、侵害受容に関わる自由神経終末が含まれています。
いくつかの自由神経終末は温冷受容器、化学受容器、さらにはポリモーダル受容器として存在しています。
機会受容としても機能するため、身体が固く感じるなどの違和感や、せん断応力(動きの変化の違和感)に影響するとも言われています。
身体感覚の変化は痛みという「感覚」を変調させます。
いわゆる「違和感」のような痛みのような感覚を生じる可能性もあります。
「違和感」のような痛みのような感覚に隠されているのは、胸腰筋膜の変調によることも大きいと考えられています。
対処法としては、自分の感覚に繊細になり、自分の身体の変調に敏感に意識をして捉えます。
どのような動作やどのような状態で痛みという感覚として変調させているのかを感じることが第一歩ではないでしょうか。
仕事やスポーツなどの過活動を行うという事は、局所の組織のストレスがかかります。
身体に変調を感じたら適切に対処するということが重要ではないでしょうか。
慢性化すると、負のスパイラルに陥りがちです。
負のスパイラルに陥る前に積極的に対処しましょう。