姿勢

反り腰だと太ももが太くなる?

「反り腰や猫背で悩んでいまして・・・」

という相談をされることがあります。

また、「反り腰と太ももが太いことでも悩んでいます・・・」

という相談をいただくこともあります。

反り腰と太ももが太くなるというのは関係があります。

解剖学的に解説します。

反り腰だと太ももが太くなる?

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯という筋肉があります。

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯が強く働くことで、骨盤の前傾を促します。

骨盤の前傾を促すということは、反り腰の状態を作りやすくなるということです。

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯が強く働くことで、太ももの外側の筋肉が発達し、太ももが太くなってしまうのです。

わかりやすくフローにすると

反り腰になる大腿筋膜張筋・腸脛靭帯が強く働く

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大腿筋膜張筋・腸脛靭帯が強く働く

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太ももの外側の筋肉が発達し太ももが太くなる

という流れになります。

太ももの外側には、上の図のように筋肉があります。

この中で、太ももの外側が太さに直接関わるのが

  • 大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯
  • 外側広筋

です。

外側広筋、大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯が普段から強く働くことで、筋肉が発達し、太ももの外側が太くなって張り出してしまうのです。

特に、その中でも重要なのが大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯です。

太ももの外側が太い方をチェックしても、外側広筋が発達している方というのは少なく、大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯が発達している方がほとんどです。

大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯が発達することが太ももの外側が太くなるとも言えます。

反り腰改善・太ももの外側を細くするための考え方

普段から「大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯を普段から強く働かせないこと」が重要になります。

「太ももの外側の筋肉が発達している原因は、太ももの外側の筋肉が強く、太ももの内側の筋肉が弱いからだ!」という話を見たことがあると思います。

「太ももの外側を細くするためには、太ももの内側の筋肉(内側広筋、内転筋群)を鍛えていけば太ももの外側が細くなります!」

という話を見たことがあるのではないでしょうか?

理論上は正しいと思われます、現実的にはかなり難しいと思われます。

人間の身体の動きの特性として、「脳は筋力が強い筋肉を優先して使う」という大原則があります。

太ももの内側の筋肉(内側広筋、内転筋群)にだけ刺激を入れてトレーニングしようとしても

  • 大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯
  • 外側広筋

にもそれなりに刺激が入ってしまいます。

太ももの内側の筋肉(内側広筋、内転筋群)にだけ刺激を入れてトレーニングできるようになるためには、相当経験(最低でも10年くらい)を積んで上級者、最低でも中級者レベルになる必要があります。

「太ももの外側を細くするためには、太ももの内側の筋肉(内側広筋、内転筋群)を鍛えていけば太ももの外側が細くなります!」は、理論上は正しいのですが、実際にはかなり難易度が高いと言わざるを得ません。

特に、これまで運動経験やトレーニング経験がない方にとっては、さらに難しいでしょう。

「大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯を普段から強く働かせないこと」という考え方が重要になるのですが、日常のどういうシチュエーションで大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯が強く働くのでしょうか?

大腿筋膜張筋ー腸脛靭帯を普段から強く働かせないためには?

knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)を多用していると、大腿筋膜張筋-腸脛靭帯をフル稼働します。

ということは、大腿筋膜張筋-腸脛靭帯を強く働かせないためには、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)を出来るだけしないということが重要になります。

knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)とは、膝が内側に入り、つま先が外側に向いた状態のことです。

一般的には、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)は膝に負担がかかりやすく、非常によろしくないイメージがあると思います。

参考動画

余談ですが、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)は、膝に負担をかけるモーションとされ、膝の痛みの原因と言われてきました。

ところが最近の研究では、必ずしもknee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)は、膝の痛みそのものに直結しない事もあると言われています。

knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)は、実は膝の痛みの原因ではない???

ちょっと話がそれました。

knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)行うと、最大筋力を発揮しやすくなる理由に、股関節(骨盤)を持ち上げやすくなるというメリットがあります。

股関節を内旋(ニーイン)してしゃがむ事で、大腿筋膜張筋-腸脛靭帯を強く働かせ、股関節を挙上方向に働かせるのです。

つまり、股関節を内旋(ニーイン)して、大腿骨を内側に絞る事で、大腿筋膜張筋-腸脛靭帯をフル活用して、立ち上がり動作を手助けすることを可能にするのです。

  • 大腿筋膜張筋・腸脛靭帯を強く働かせることで、「股関節の内旋」が強くなります。
  • 大腿筋膜張筋・腸脛靭帯を強く働かせることで、「下腿には外旋」が強くなります。

*注 これは、膝関節の角度に関係ありません。

また、大腿筋膜張筋・腸脛靭帯を強く働かせることで、膝は内側にねじれの力、下腿外旋に捻る力が加わります。

すると、膝の内側を支える「内側側副靱帯、半月板、鵞足」などに大きなストレスが加わります。

knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)を多用していると、大腿筋膜張筋-腸脛靭帯をフル稼働するため、骨盤前傾し、反り腰や太ももが太くなるリスクが発生するということですね。

反り腰の改善、太ももを細くするためには、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)するシチュエーションを少なくするということが、重要になります。

女性はknee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)しやすいため太ももが太くなりやすい?

FTA、ミクリッツ線、Oアングルについて解説します。

男性と女性は、若干骨盤(子宮の有無で)の形状が異なります。

そのため、FTA、ミクリッツ線、Oアングルにも性差が表れることもあります。

FTA、ミクリッツ線、Oアングルの関係で、knee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)するシチュエーションが自然と多くなる方もいます。

特に私は太ももが太い・・・と困っている方は、よりシビアにknee in toe out(ニーイン・トゥーアウト)を気にしたほうがいいかもしれません。

その1 FTAの減少と増大

  • 内反膝は、O脚とも呼ばれます。
  • 内反膝(O脚)とは、FTAが180度以上の場合のことです。
  • 外反膝は、X脚と呼ばれます。
  • 外反膝(X脚)とは、FTAが170度以下の場合のことです。

FTAの正常角度は、176度前後。

*FTAは、レントゲンでしか判断できません

その2 ミクリッツ線

ミクリッツ線とは、日本語でいうと、「下肢荷重線」「下肢機能線」と言います。

ミクリッツ線とは、一言で言うと「大腿骨頭の中心」と「足関節の中心」を結んだ線のことです。

正常な膝であれば、膝関節中心(脛骨の内側顆間隆起内側)を通ります。

  • ミクリッツ線が膝の内側を通る場合 O脚
  • ミクリッツ線が膝の内側を通る場合 X脚
  • ミクリッツ線が膝の中心を通る場合 正常

画像引用元

https://pt-matsu.com/mikulicz-line/

*ミクリッツ線は、レントゲンでしか判断できません

その3 Qアングルの減少と増大

Q-Angleは、体表からのチェックが可能です。

QーAngleとは大腿四頭筋腱角のことです。

QーAngleは、上前腸骨棘(ASIS)から、膝蓋骨中心へ引いた線と、膝蓋骨中心から、脛骨粗面に引いた線が構成される角度になります。

大腿四頭筋が膝蓋骨を引っ張る方向を、QーAngleで知ることができます。

QーAngleによって、膝関節のアライメントをみることもできますが、大腿四頭筋の力のベクトルを推測することで、膝蓋骨の安定性をみることができます。

Q-angleの正常角度は、男性は約10度。

Q-angleの正常角度は、女性は約15度です。

  • O脚変化=Q角減少
  • X脚変化=Q角増大

です。

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯の解剖学とバイオメカニクス

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯の解剖学

 

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯は、股関節〜膝をまたぎ、股関節・膝関節の動きに関わります。

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯は大臀筋、中臀筋と連結しています。

腸脛靭帯は靭帯という名前がついていますが、筋肉的な仕事をしています。

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯のバイオメカニクス

大腿筋膜張筋・腸脛靭帯の作用として

  • 股関節 内旋・屈曲・外転
  • 膝関節 屈曲 伸展
  • 下腿の外旋

knee out (ニーアウト)で、膝関節を外側から支える形で「動作の安定」を保ちます。

股関節内旋(ニーイン)する時に「大腿筋膜張筋・腸脛靭帯」が強く働きます。

膝関節の作用で屈曲・伸展となっていますが、どういう事でしょうか?

屈曲・伸展ということは、正反対の動きですよね?

そんなことはあるのでしょうか?

実は、「大腿筋膜張筋・腸脛靭帯」は膝関節の屈曲角度で作用が変わるのです。

  • 膝関節屈曲90°以下(膝を深く曲げる動作)で、「膝伸展」
  • 膝伸展屈曲90°以上(膝を浅く曲げる動作)で、「膝屈曲」

なんと、膝関節90°を境目に、作用が切り替わるのです。

スクワットの切り返しや、立ち上がる時など、股関節の挙上方向に働くと、多くの場合「膝を深く曲げる動作」(膝関節屈曲90°以下)です。

「膝関節屈曲90°以下」になると、大腿筋膜張筋・腸脛靭帯が「膝伸展」に作用し股関節(骨盤)挙上の手助けをします。

股関節を内旋(ニーイン)して、大腿骨を内側に絞る事で、大腿筋膜張筋・腸脛靭帯をフル活用して、立ち上がり動作を手助けすることを可能にするわけです!

外側広筋の解剖学とバイオメカニクス

外側広筋の作用として

  • 膝関節の伸展
  • 下腿の内旋

があります。

起始部

  • 大腿骨(大転子、粗線外側唇)
  • 大腿の外側面で大転子の下部

膝蓋骨の上縁外側から膝蓋靭帯をへて

停止部

  • 脛骨粗面

中間広筋、内側広筋、大腿直筋と一緒に大腿四頭筋を構成しています。

支配神経

  • 大腿神経

まとめ

反り腰になる大腿筋膜張筋・腸脛靭帯が強く働く

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大腿筋膜張筋・腸脛靭帯が強く働く

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太ももの外側の筋肉が発達し太ももが太くなる

反り腰改善・太ももを細くするには「外側広筋、腿筋膜張筋ー腸脛靭帯を普段から強く働かせないこと」が重要な考え方になります。

参考論文

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/13/1/13_1_44/_pdf/-char/en

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 看板も出さず宣伝広告を一切行わない、口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

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