「ひかがみ」という言葉は聞いたことありますか?
漢字で書くと「膕」です。
難しい漢字ですね(笑)
場所は、膝の後ろ側のくぼんでいるところです。
膝窩のことを、ひかがみとも言います。
昔の日本の古い言葉だそうです。
この膝の後ろ側の窪みですが、臨床上は重要な場所です。
肩こりや腰痛、膝の痛みなど、身体に不調がある方は、この「ひかがみ」に圧痛があります。
この「ひかがみ」には、グリッとしたしこりのような筋肉の硬結があり、触診すると痛みを感じるということですね。
そんな「膕」「ひかがみ」について解説します!
「膕」「ひかがみ」について解説!
膕は「ひかがみ」と読みます。
膝の後面にある菱形の凹みです。
英語では「Fossa poplitea」と言います。
「ひかがみ」の関連する筋肉
- 膝窩筋
- 大腿二頭筋、
- 半腱様筋
- 半膜様筋
- 腓腹筋
大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉のことをハムストリングスと言います。
膝窩筋は、膝関節背面で最も深い層にあります。
触診は難しいかもしれません。
「ひかがみ」を通る神経
坐骨神経が脛骨神経と総腓骨神経に分かれ、脛骨神経は中央部を通ります。
総腓骨神経は大腿二頭筋の内側に沿って下行する。
「ひかがみ」を通る血管
- 膝窩静脈
- 膝窩動脈
「膕」「ひかがみ」の痛みが無くなると骨盤が変わる!
「ひかがみ」の関連する筋肉
- 膝窩筋
- 大腿二頭筋、
- 半腱様筋
- 半膜様筋
- 腓腹筋
と書きました。
大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉のことをハムストリングスと言います。
ハムストリングは骨盤にある坐骨結節に付着しています。
このハムストリングが緊張して硬くなると、骨盤を引っ張ることになります。
「膕」「ひかがみ」の圧痛をとり、緩めることで、
- 膝窩筋
- 大腿二頭筋、
- 半腱様筋
- 半膜様筋
- 腓腹筋
といった筋肉に変化を出すことができます。
また、うまくいくと膝から下の神経や血流にも影響を与えることができます。
ということは、「膕」「ひかがみ」の圧痛を取るといいことずくめですね。
逆に言えば、「膕」「ひかがみ」に圧痛があると、腰痛や膝の痛み、足の痛みやだるさ、冷え性にもなる可能性があります。
実際に、腰痛の改善ポイントで、鍼灸ではこの「膕」「ひかがみ」に鍼を打つことも多いそうです。
「膕」「ひかがみ」の痛みのセルフケア2つ!
「膕」「ひかがみ」が変われば、全身に影響を与えます。
ということは、「膕」「ひかがみ」は全身状態の影響を受けているということです。
厳密には、セルフケアだけで完全に改善するのは難しいのですが、まずはセルフケアとして2つご紹介します!
その1 フォームローラーなどリリースします。
「膕」「ひかがみ」をフォームローラーやテニスボールなどで刺激します。
「膕」「ひかがみ」は神経や血管も通っています。
強い力やグイグイやると、痛めてしまうことがあります。
ソフトに行うことをお勧めします!
その2 つま先挙げの運動を行います。
つま先挙げの運動を行うと、SSC運動によって「膕」「ひかがみ」 の周辺の筋肉の長さや活動が抑制されます。
つまり、つま先挙げの運動を行うことで、「膕」「ひかがみ」の圧痛を改善することができます。
簡単に行えますので、やってみてください。
一例として、動画を貼っておきます。
最後に注意すべき症状・疾患!
、膝の裏の痛みや違和感は、後十字靭帯損傷を疑います。
確定診断には、画像診断です!
ごく稀に、明確に負傷した出来事などがなくても、普通に生活していてなぜか自然に後十字靭帯が切れてしまう方もいます。
ベーカー嚢胞という疾患もあります。
簡単に言いますと、膝の後ろにある滑液包というところで炎症が起こり、関節包に水が溜まることにより生ずる腫瘤です。
痛風や蜂窩織炎、単純な関節炎で痛みが出ることもあります。
なかなか鑑別は難しいので、専門家に診てもらったほうがいいでしょう。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2005/0/2005_0_C0448/_article/-char/ja/