足部の評価は昔から行われています。
これは、靴を作製する際に足部の評価を行なったことが始まりと言われています。
足部に対しては、様々な評価法が生み出されてきました。
- 距骨下関節アライメント
- 内側縦アーチ高
- 前足部アライメント
- 回外、回内アライメント評価
などです。
私自身、これらの評価法は使ったり使わなかったりです。
昔は、評価しまくっている時期もあったのですが、現在はあまり臨床では活用しているとは言い難い状況。
なぜかというと、足部アライメントの評価法の多くは、信頼性や妥当性に乏しいという面があるのです。
わかりやすく書くと、
- 臨床で簡単で短時間で行える実用性の高い評価法は、信頼性・妥当性に乏しい
- 時間がかかり、器具を使う評価方は、信頼性、妥当性が高い
となります。
臨床では、私の場合は独自の指標を設定して、施術を行なっています。
不本意ながら、そうせざるを得ない理由をまとめました。
簡単で短時間で行えて、信頼性の高い評価法はない
臨床での評価法は、画像や血液検査のような客観的な評価は行えません。
臨床での評価法のほとんどがアナログ的で、検者が異なる場合など差異がどうしても発生します。
特に足部は構造が複雑なため、評価の精度にばらつきがあり、科学的信憑性に乏しいとも言えます。
つまり、臨床では、パっと出来て、信頼性の高い評価法はないというのが現状なのです。
足部の構造、機能は複雑です。
なにせ26個ある骨が、それぞれ連動して動くわけですから、正確に捉えるのは至難です。
例えば、オーバープロネーション(足部回内足)の場合
- 踵骨
- 距骨
- 舟状骨旋
- 前足部
- 下腿
などの骨が関わっています。
さらに人それぞれ、どれが回内足に強く影響しているかを見極めることが難しいのです。
荷重位の場合は、また変わってしまうので注意が必要です。
FPI (Foot Posture Index)について
フット・ポスチャー・インデックスと呼ばれる評価法は、立位静止時に足部を評価するための手段です。
6つの観点から、それぞれ点数をつけ合計点により総合的な評価を下すというものです。
信頼性の高い評価法として知られ、その簡便さからも、様々な書籍で紹介されています。
6項目を5段階(-2.-1.0.1.2)で評価し、その合計点数で回内・回外を評価します。
最低点-12は過回外、最高点+12は過回内となります。
評価用紙のPDFは下記をご覧ください。
https://www.physio-pedia.com/Foot_Posture_Index_(FP1-6)
具体的な評価方法
評価姿勢
- 両手を下垂させて、まっすぐ前を向いて静 止する。軽く何度か足踏みをしてから実施。
- そのまま約2分静止します。(その間に下記の評価を行います。)
評価姿勢
- 距骨頭アライメント
- 外果上下のカーブ
- 踵骨の内外反の程度
- 距舟関節周囲の突出
- 内側カーブの形状
- 前足部の内外転
FPIはもともと、FPI-8というものが進化してFPIになっています。
それまでの二次元的な評価から、多面的で包括的な評価ができるということで、信頼性の高い評価法であるといわれていました。
ところが、FPI (Foot Posture Index)について検索しても、あまり情報がなく、困惑した方もいると思います。
使っている方と使っていない方が分かれる評価表とも言えます。
私自身は、あまり活用しておりません。
まとめ 臨床で使える評価法はないの?
「臨床では使える評価法はないの?!」と質問されると、即答できません。
実は、足部の静的アライメントと、足部のバイオメカニクスとは相関性がないと言われています。
こういう足部アライメントなら、こういうバイオメカニクスになる!
というものはないということです。
ざっくり傾向を掴んだり、推測の精度を高めるために用いることができます。
推測の精度を高めるために、歩行観察などを行うのも非常に重要です。
臨床で使える足部の評価法はないの?
という質問の答えは、、、出てくることを期待します!