この記事をご覧になっているということは、四十肩(40肩)・五十肩(50肩)と病院や整形外科等で診断を受け、お困りではないでしょうか?
もしくは、他で施術も受けているが、思うようになかなか良くならず、色々と検索していたら、この記事にたどり着いた。
そんな方もいると思います。
四十肩(40肩)・五十肩(50肩)は一般的に治りづらいとされています。
と言いますのも、肩の動きは、非常に複雑な構造で、複雑な動きをしています。
1つの関節の動きだけではありません
- 肩甲上腕関節
- 肩甲胸郭関節
- 肩鎖関節
- 胸鎖関節
- 肋鎖関節
なんと5つの関節運動が関与します。
四十肩(40肩)・五十肩(50肩)は、たくさんの関節、筋肉が関与していることから、治りづらいということです。
さらに身体が悪くなる順番があるのですが
背骨が悪くなり、下肢が悪くなると、上肢が悪くなり、自律神経がおかしくなるという順番があります。
まずは背骨が悪くなります。
ストレートネックとか、反り腰、肩こり、腰痛などが出始めます。
背骨の次は下肢が悪くなってきます。
股関節が痛い、詰まる感じがする、慢性的な足の張り、だるさ、膝の痛み、足首痛、足の裏が痛い、足がむくみやすいなどです。
背骨が悪くなり、下肢が悪くなると、上肢が悪くなってきます。
上肢とは肩から先ですね。
この頃に、四十肩、五十肩などが発症する事が多いです。
肩だけ治療しても、なかなか良くならないのは、こういった身体が悪くなる順番があるからで、上肢、下肢、背骨の改善も必要かと思われます。
一口に、四十肩、五十肩と言っても障害されている部位が、皆さん人それぞれ異なります。
徒手療法の方が効果的な場合と、病院・整形外科などで医療的なリハビリテーションの方が効果的な場合があります。
まずは病院・整形外科で医師の診断を仰ぐべきでしょう。
四十肩(40肩)・五十肩(50肩)を改善するためのポイント!
四十肩(40肩)・五十肩(50肩)は、肩甲骨を正しい位置に収めることができなくなり、インピンジメント症候群などが発生し、四十肩(40肩)・五十肩(50肩)になっています。
ところが四十肩(40肩)・五十肩(50肩)は、痛みや炎症の発生の仕方は、多岐にわたり複雑です。
そのため、具体的に「この運動をやりましょう!」とお伝えはできないのですが、改善するポイント、フローはお伝えします。
ここで注意していただきたいのが、インピンジメント症候群が起きていると、痛みをこらえて無理に動かすと腱板断裂(棘上筋断裂)する危険性もあります。
インピンジメント症候群が起きている段階で、筋力トレーニングやストレッチを無理に行うと、効果が期待できないどころか、帰って悪化させる危険性もあります。
筋力トレーニングやストレッチの効果を得るには、関節可動域、関節の適合性を改善させつつ、。歩調を負わせながら無理せず行いましょう!
理想的な四十肩(40肩)・五十肩(50肩)改善の流れ
- 胸郭、肩甲骨周辺の筋肉をほぐす。
- 三角筋などの肩の筋肉が上腕骨頭の上で十分に滑るようにする。
- 水平内転と側方挙上のポジションでの外旋の可動域を広げる。
- 前方挙上や内旋など、さまざまな方向に動かし、肩関節の可動域を広げる。
- 僧帽筋下部や肩甲下筋などを筋力強化して、再発予防
という流れになります。
筋力強化して、「肩甲骨を正しい位置に収める力」を強化です!
四十肩(40肩)・五十肩(50肩)の分類 6つ
- 肩峰下滑液関節包炎 :肩峰下滑液関節包の炎症で腫脹、疼痛や運動制限があります。60代に多い傾向があります。
- 腱板炎 腱板の炎症で、:疼痛や運動制限を認める。40歳代に多い。
- いわゆる四十肩(40肩)・五十肩(50肩) :痛みや拘縮はあるが、炎症部位は特定できない。50代に多い。
- 烏口突起炎 :烏口突起には多くの筋肉が付着しているため、。炎症を起こしやすい。
- 石灰沈着性腱板炎 :急性に発生し、激痛と著名な可動域制限がある。40歳代に多く、女性に圧倒的に多い。
- 上腕二頭筋長頭腱炎 :上腕骨の前方、長頭腱が通る結節間溝を中心とした痛みがある。40歳代の男性に多い。
四十肩(40肩)・五十肩(50肩)の方は、胸郭が変形してきていることが多い?
肩甲胸郭関節は肩甲骨と胸郭(肋骨)によって構成されている生理学的関節です。
肩甲上腕関節や肩鎖関節、胸鎖関節のような滑膜性関節とは異なり、骨と骨ががっちりと噛み合う関節ではありません。
肩甲骨は、胸郭の形状よりも、肩甲骨周辺にある軟部組織(筋肉など)から強い影響を受けています。
肩甲骨のポジションに影響を与えている僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋、小胸筋などは、肩甲骨、鎖骨、また上腕骨から脊椎の各部位に向かって走行しています。
また、僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋、小胸筋は、肩甲骨に付着部位を持っている筋肉であるので、肩甲骨の状態に直接的に影響を及ぼします。
また、広背筋や大胸筋は、肩甲骨に付着していないため、間接的な影響を与えます。
特に僧帽筋、肩甲挙筋、前鋸筋は胸郭の上での肩甲骨の安定性にとって重要な役割を果たしています。
加齢によって骨格の変形が始まります。
胸骨が変形から始まり、肋骨が樽状に変形し、肩甲骨が外転・上方回旋になります。
肩が上がって首が短く見える状態ですね。
肩甲骨が外転・上方回旋している状態なので、僧帽筋、肩甲挙筋、前鋸筋の機能低下し、肩甲骨内側縁の不安定性の要因になります(翼状肩甲骨)。
肩甲胸郭関節のバイオメカニクス
肩甲骨の運動は、胸郭面に沿う滑り運動と肩鎖関節を運動軸とする回旋運動に分類できます。
滑り運動と回旋運動は、単独で起こることはなく、滑り運動と回旋運動の組み合わせで起こります。
胸郭面に沿う滑り運動
滑り運動には
- 挙上
- 下制
- 外転(前突
- 内転(後退)
があります。
中立位(休息位)では、肩甲骨の外側縁は内側縁よりも前方にあります(内旋位)。
このとき、肩甲骨は前額断面の前方約30°の断面で、肩甲断面と呼ばれています。
肩甲骨の回旋運動
肩甲骨の回旋運動は、
- 上方回旋
- 下方回旋
- 内旋
- 外旋
- 前傾
- 後傾
です。
上肢の挙上時、肩甲骨は上腕骨の運動に連動します(肩甲上腕リズム)。
このとき、肩甲骨は上腕骨頭の基盤となっています。
そのため、肩甲骨が胸郭上で不安定な場合、上腕骨頭の運動障害が引き起こされ、インピンジメント症候群等の問題が発生します。
肩甲骨外在筋群の作用
僧帽筋 | 肩甲骨の内転(後退)挙上、上方回旋、頭頚部の伸展、下制 |
前鋸筋 | 肩甲骨の外転、上方回旋、下方回旋、肋骨の挙上 |
大菱形筋・小菱形筋 | 肩甲骨の内転、挙上、下方回旋 |
肩甲挙筋 | 肩甲骨の挙上、下方回旋 |
小胸筋 | 肩甲骨の下制、下方回旋、肋骨の挙上 |
大胸筋 | 肩甲骨の外転(前突)、肩関節の内転、屈曲、内旋、水平屈曲、吸気の補助 |
広背筋 | 肩甲骨の内転、下方回旋 肩関節の伸展、内転、内旋 |
肩甲骨内在筋群の作用
三角筋(前部、中部、後部) | 前部: 肩関節の屈曲、内旋 外転、水平屈曲 中部: 肩関節の外転 後部: 肩関節の伸展、外旋、外転、水平伸展 |
大円筋 | 肩関節の伸展、内転、内旋 |
肩甲下筋 | 肩関節の内転、内旋 |
棘上筋 | 肩関節の外転 |
棘下筋 | 肩関節の外旋、外転、内転 |
小円筋 | 肩関節の伸展、内転、外旋 |
烏口腕筋 | 肩関節の内転、屈曲の補助、水平屈曲 |