脛骨という骨をご存知でしょうか?
膝と足首をつないでいる骨です。
ちなみに、大腿骨についで人体で2番目に長い骨です。
脛骨は、足関節と膝関節を構成する1つの骨で、主な機能は、膝関節を超えて足関節のほうへ荷重を伝えていくことにあります。
この記事では、脛骨について解説します!
脛骨の解剖学
脛骨から起始する筋肉
- ヒラメ筋(ヒラメ筋線)
- 前脛骨筋(脛骨の外側顆、脛骨の外側面の上部2/3)
- 長腓骨筋(脛骨の外側顆)
- 長趾伸筋(脛骨の外側顆)
- 後脛骨筋(脛骨の後面)
- 長趾屈筋(脛骨後面の中央部)
脛骨に停止する筋肉
- 大腿筋膜張筋(脛骨外側)
- 薄筋(脛骨上部の内側面)
- 大腿直筋(脛骨粗面)
- 中間広筋(脛骨粗面)
- 外側広筋(脛骨粗面)
- 内側広筋(脛骨粗面)
- 縫工筋(脛骨上部の内側面)
- 半膜様筋(脛骨の内側顆)
- 半腱様筋(脛骨上部の内側面)
- 膝窩筋(脛骨上部の後面)
脛骨に付着する靱帯
- 膝蓋靭帯:大腿四頭筋腱から伸びて、脛骨粗面に付着する。
- 内側側副靭帯:大腿骨内側上顆から脛骨の近位内側面。
- 前十字靭帯:大腿骨の外側顆から脛骨の顆間隆起の前方
- 後十字靭帯:大腿骨の内側顆から脛骨の顆間隆起の後方
- 前腓骨頭靭帯:脛骨の近位骨端から腓骨頭
- 後腓骨頭靭帯:脛骨の近位骨端から腓骨頭遠位端
- 前脛腓靭帯:脛骨遠位骨端から 腓骨下端
- 横脛腓靭帯: 脛骨遠位骨端から腓骨下端
- 下腿骨間膜:腓骨と脛骨を連結する。
- 三角靭帯:脛骨内顆から舟状骨、距骨、踵骨へ
- 脛骨は以下の3つの骨と接し、3種類の関節を形成している。なお、遠位骨端における陽骨との結合は特別な関節腔を持たない脛腓靭帯結合となる。
脛骨が構成する関節
- 大腿脛骨関節:脛骨(内側顆・外側顆)と大腿骨(内側顆・外側顆)
- 近位脛腓関節と遠位脛腓関節:脛骨 と 腓骨
- 距腿関節 :脛骨(下関節面)と腓骨(外側関節面)と 距骨(距骨滑車)
脛骨のバイオメカニクス
膝関節編
膝の関節は、2つの関節から構成されます。
- 「大腿膝蓋関節」大腿骨と膝蓋骨から構成される
- 「大腿脛骨関節」大腿骨と脛骨から構成される
大腿膝蓋関節と大腿脛骨関節がが絶妙に動くことで、膝が滑らかに曲がったり伸びることができます。
膝を曲げ伸ばしをする際に、膝のお皿は上下にシンプルに動いているわけではありません。
膝関節の関節面が非常に複雑な構造をしています。
そのため、膝のお皿は膝を曲げ伸ばしの際に、複雑な動き方をします。
また、太ももの筋肉である大腿四頭筋の引っ張りにより、うまく膝のお皿が滑らかに動くように調整されています。
この膝のお皿の動きがずれてうまく動かないことをトラッキングといいます。
膝が痛い方は、膝のお皿のトラッキングが起こっているケースが多く報告されています。
膝が痛い方に推奨される内側広筋を鍛えるエクササイズというのは、実は膝のお皿のトラッキングを改善するための運動だったりします。
近位脛腓関節と遠位脛腓関節
脛骨と腓骨は関節で結ばれています。
身体の中心に近いほうが、近位脛腓関節。
身体の中心から遠い方が、遠位脛腓関節です。
脛骨と腓骨の真ん中の隙間は、下腿骨間膜という強靭な膜で脛骨と腓骨を繋いでいます。
距腿関節(腓骨下端と脛骨下端)
脛骨の末端と腓骨の末端が、いわゆるくるぶしです。
- 内側のくるぶし 脛骨末端
- 外側のくるぶし 腓骨末端
腓骨のほうが脛骨よりも、下にあり、後方に位置しています。
腓骨がより脛骨に対して下に伸びていることで、足関節の外反にひねる捻挫は構造的に起きにくいです。
また、腓骨が後方に位置しているということは、下腿が外旋方向に捻じれているわけです。
これを下腿外捻といいます。
下腿外捻は、一般的に約20~30度です。
下腿外捻が20~30度あって、脚がまっすぐになっているわけです。
下腿が過度の外捻や内捻している場合には要注意です。
下腿が過度の外捻や内捻している状態を、O脚やX脚とも呼びます。
「オスグッド・シュラッダー病」脛骨で多いケガ
中学生などの成長期の子供に多いケガに、「オスグッド・シュラッダー病」があります。
膝蓋骨の少し下にある脛骨粗面のところが、ボコッと飛び出てきて、膨らむケガです。
脛骨粗面には大腿四頭筋腱が付着しています。
大腿四頭筋のオーバーワークから、脛骨に過剰な刺激が加わることで発生します。
O脚
O脚は、
- 下腿弯曲(内弯)
- 下腿捻転(内捻・外捻)
- 下腿外旋
- 下腿外方偏位
です。
- 大腿骨の前捻角
- 大腿骨頭の頸体角
- 股関節内旋
も関係します。