ここ最近、骨盤矯正について論争が活発に行われています。
こんな記事まで出ています。
https://toyokeizai.net/articles/-/305935
個人的には、こういった論争が活発に行われることは良いことだと思います。
一般の方にも骨格の矯正や調整がどういったものなのかを知ってもらうことができますしね。
「矯正(アジャストメント)で背骨や骨盤は動かない?」について解説します。
矯正(アジャストメント)で骨は動かない
カイロプラクティックの矯正(アジャストメント)は超高速ストレッチのことです。
矯正(アジャストメント)の超高速ストレッチにより、伸張する刺激で筋紡錘が刺激されます。
筋紡錘に慎重刺激が入ることで、Ia求心神経を通して中枢神経へ刺激が入ります。
中枢神経へ刺激が入ることで、筋肉や関節へ弛緩性の刺激効果が生まれるために、適切なフィードバック機構が作られる。
矯正の目的は、関節の感覚受容器に適切な刺激を入れることで、矯正した関節に変化を出すのではなく、身体のどこかに変化を起こすことです。
- 骨盤が歪んでいるから骨盤を矯正しましょう
- 背骨がズレているから背骨を矯正して背骨のズレを直しましょう
など言われたら、疑った方がいいかもしれませんね。
きちんと矯正(アジャストメント)ができる施術者は、まずこんな言い方はしません。
- 骨盤が歪んでいるから骨盤を矯正しましょう
- 背骨がズレているから背骨を矯正して背骨のズレを直しましょう
数は少ないと思いますが、こんなことを平然という施術者がいますので、世間で矯正について誤解を招いていると思われます。
余談ですが、なぜ、あれほど骨盤が神格化されているのかと言いますと
- 仙腸関節の関節面が大きい
- 仙腸関節の関節面にはたくさんの感覚受容器が存在する
という特徴があります。
仙腸関節の関節面が大きく、たくさんの感覚受容器があるわけですから、刺激を入れれば身体の変化が出やすいということが挙げられます。
矯正(アジャストメント)ではゴルジ腱反射が起きない
ゴルジ腱反射とは,筋腱に持続的な伸張が加わるとその筋の収縮を抑制する反射のことです。
簡単に持続的に筋肉をストレッチをすると、筋肉の活動を抑制する反射のことです。
「ストレッチを行っても筋肉は伸びない」と言われるのは、ゴルジ腱反射が起きるためです。
カイロプラクティックの矯正(アジャストメント)は、超高速で行うことで、ゴルジ腱反射を起こさせず、抑制する反射を起こさせないのです。
矯正(アジャストメント)で筋肉は伸びない
実は矯正(アジャストメント)を行なっても筋肉などが伸びることもありません。
矯正(アジャストメント)で、何が伸ばされているかというと錘内筋繊維と呼ばれる筋肉のセンサーの部分が伸ばされています。
錘内筋繊維は骨格筋の中にあります。
錘内筋繊維は、筋肉の伸縮状態を感知する受容器です。
筋肉中に横紋筋繊維と並行して存在する紡錘形の囊状構造物で,内部に数本の錘内筋繊維を含みます。
錘内筋繊維の両端部は横紋があり,ガンマ繊維という細い運動神経繊維からのインパルスにより収縮します。
繰り返しになりますが、矯正(アジャストメント)で、伸びているのは錘内筋繊維と呼ばれる筋肉のセンサーの部分になります。
まとめると
カイロプラクティックの矯正(アジャストメント)は超高速ストレッチのことです。
矯正(アジャストメント)の超高速ストレッチにより、伸張する刺激で筋紡錘が刺激されます。
筋紡錘に慎重刺激が入ることで、Ia求心神経を通して中枢神経へ刺激が入ります。
中枢神経へ刺激が入ることで、筋肉や関節へ弛緩性の刺激効果が生まれるために、適切なフィードバック機構が作られる。
矯正の目的は、関節の感覚受容器に適切な刺激を入れることで、矯正した関節に変化を出すのではなく、身体のどこかに変化を起こすことです。
- 骨盤が歪んでいるから骨盤を矯正しましょう
- 背骨がズレているから背骨を矯正して背骨のズレを直しましょう
など言われたら、疑いましょう。
きちんと矯正(アジャストメント)ができる施術者は、まずこんな言い方はしません。
参考論文