マッサージ・指圧って気持ちが良いですよね。
私はだいたい受けていると寝てしまいます。
寝てしまうと、せっかく受けているのに勿体無いと思うのは私だけでしょうか?(笑)
そんな話はさておき「マッサージ・指圧は強い方が効果的?」という話です。
- 強い方が効く気がする
- 強い方がしっかりやってもらった気がする
- 痛いくらいの方が効いている気がする
- とにかく強くやってほしい
という方は意外に多いようです。
ところが、強いマッサージ・指圧に対して否定的な見解が多いようです。
リサーチしてみました。
50kg近くの力で押して1%しか組織的な変化が起きない
500N(50kg)近くの力で押して、ようやく1%しか組織的な変化が起きないという研究結果が出ています。
指圧・マッサージは、美味いセラピストがフルパワーで押しても、実際には30N(3kg)の力くらいしか、かかっていないそうです。
参考論文
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18723456/
この論文を参考にするならば、身体に変化を出すことを目的に施術するならば、強く押しても優しく押しても、それほど大差はないということになります。
優しく押すことの健康上のリスクより、強く押すことの健康上のリスクは高いと言えるでしょう。
ところが、感覚を変えるという意味では、適切な刺激量を考えなければいけません。
あまりに刺激が優しすぎると感覚が変わらずに、組織に変化が出ない可能性もあります。
何事もほどほどが良いのかもしれませんね。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということですね。
ここまで読んで疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
500N(50kg)近くの力で押して、ようやく1%しか組織的な変化が起きないということは、マッサージ・指圧で筋肉は直接ほぐしているわけではない?
ということに。
マッサージ・指圧で筋膜が機能的に関連する?
- 足底をマッサージしたら繋がっている頭まで届いて頭痛が緩和した
- 脚の外側をマッサージしたら腹部の外側の安定がでた
という話を聞いたことはありませんか?
このメカニズムは、現時点では研究中の段階で解明されていないようです。
現時点でわかっていることは
「提起されているのはトリガーポイント(過敏化した侵害受容)が関連部位で変化を伴ったのではないか」
と言われています。
Fascia、皮膚などには多くの受容器があり、感覚神経などを脊髄後根神経節を経由して中枢へ送られます。
フォームローラーで、組織的に変化はないものの、関節可動域が向上したというのと同じようなメカニズムかと思われます。
- チキソトロピー
- 循環改善
- ヒアルロン酸生成
ではなく、神経的な求心性の刺激が加わることによる主観的な変化と言われています。
マッサージ・指圧などで刺激が中枢にフィードバックされることで、身体になんらかの変化が起きたと、現在では理解されているようです。
となると、筋膜が機能的に関連するのかというのは、筋筋膜の組織的なものだけでは説明がつかず、話の収拾がつかなくなりますね・・・
現時点でわかっているのは、刺激量が多ければ多いほど、変化が大きくなるということでもないようです。
ある一定以上に刺激が入れば、充分に変化が出るようですね。
とすると、マッサージ・指圧は強過ぎず、弱過ぎずで人に合わせてぴったりの刺激量を入れる必要がありそうです。
参考論文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30417344
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30417344
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30765920
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31001134
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31499386
https://bjsm.bmj.com/content/52/23/1497