コーヒー 食生活

コーヒーは本当に水分補給に向かない??? 利尿作用は本当にあるの?

コーヒーや紅茶、緑茶などはカフェインが含まれているので、水分補給には向かない。

よく言われていますよね。

実際に私もそう思っていました。

コーヒーは利尿作用があり、脱水を起こすか水分補給にカフェイン飲料は避けましょう!

とよく言いますが、本当のところはどうなのでしょうか?

コーヒーでは水分補給にならない?

水分補給するときはコーヒーはNG?

よく言われます。

「冬でも脱水症状になりますから水分しっかり取ってくださいね。」

「コーヒーや紅茶は利尿作用があって、脱水しますから避けてくださいね。」

言われたことはありませんか?

実は、私も患者さんに普通に言っていました(笑)

カフェインはコーヒー、紅茶だけでなく、烏龍茶、緑茶、コーラやエナジードリンク、栄養ドリンクにも含まれます。

日本人には純粋な水を飲むという習慣がない

実は大半の日本人にとって、日常的に純粋な水を飲むという習慣がありません。

味のない水を飲むのは酷だという人は意外とたくさんいます。

患者さんでも多いです(笑)

「水は飲みにくいからお茶でもいいですか?」

と聞かれるわけですが・・・

「カフェインが入っていて脱水起こすからダメですねー」

と私は普通に患者さんに言ってました(笑)

しかし、本当にコーヒーなどのカフェインが入っている飲み物は利尿作用があって脱水を起こすのでしょうか?

調べてみると・・・

利尿作用はごくわずかで脱水は起こさない

Abstract

OBJECTIVES

Although ergogenic, acute caffeine ingestion may increase urine volume, prompting concerns about fluid balance during exercise and sport events. This meta-analysis evaluated caffeine induced diuresis in adults during rest and exercise. DESIGN: Meta-analysis. METHODS A search of three databases was completed on November 1, 2013. Only studies that involved healthy adults and provided sufficient information concerning the effect size (ES) of caffeine ingestion on urine volume were included. Sixteen studies met the inclusion criteria, providing a total of 28 ESs for the meta-analysis. Heterogeneity was assessed using a random-effects model. RESULTS

The median caffeine dosage was 300 mg. The overall ES of 0.29 (95% confidence interval (CI) = 0.11-0.48, p = 0.001) corresponds to an increase in urine volume of 109 ± 195 mL or 16.0 ± 19.2% for caffeine ingestion vs. non-caffeine conditions. Subgroup meta-analysis confirmed exercise as a strong moderator: active ES = 0.10, 95% CI = -0.07 to 0.27, p = 0.248 vs. resting ES = 0.54, 95% CI = 0.22-0.85, p = 0.001 (Cochran's Q, p = 0.019). Females (ES = 0.75, 95% CI = 0.38-1.13, p < 0.001) were more susceptible to diuretic effects than males (ES = 0.13, 95% CI = -0.05 to 0.31, p = 0.158) (Cochran's Q, p = 0.003).

CONCLUSIONS

Caffeine exerted a minor diuretic effect which was negated by exercise. Concerns regarding unwanted fluid loss associated with caffeine consumption are unwarranted particularly when ingestion precedes exercise.

Copyright © 2014 Sports Medicine Australia. All rights reserved.

参考論文

J Sci Med Sport. 2015 Sep;18(5):569-74. doi: 10.1016/j.jsams.2014.07.017. Epub 2014 Aug 9.

Caffeine and diuresis during rest and exercise: A meta-analysis.

Zhang Y1 et.al.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25154702

上記の論文がその根拠です。

カフェイン飲料が利尿作用を起こすのは一般に思われているよりごく僅かということです。

実は脱水症状に影響するレベルではありません。

じゃあ、安心してコーヒーを水のようにガンガン飲もう!

きっと私のようにコーヒー中毒の方は、そう思ったかもしれません。

それはちょっと待ってください。

コーヒーで脱水はそれほど起きないが、体内のナトリウムはかなり失われる

コーヒーを飲むことで脱水はそれほど起きませんが、尿からナトリウムが排泄され、体内のナトリウムが減少します。

収縮期血圧も上がりますので、水のようにガンガン飲むのは考えたほうがいいでしょう。

運動中は気をつけたほうがいいでしょうね。

特に筋トレ中は血圧が上がりやすいですから。

Renal and cardiovascular effects of caffeine: a dose-response study. Abstract

The effects of increasing oral doses of caffeine (45, 90, 180 and 360 mg) on effective renal plasma flow (ERPF), plasma renin activity (PRA), serum electrolytes, plasma noradrenaline, blood pressure and heart rate were studied in eight healthy male volunteers. Urine volume was increased by 360 mg of caffeine only. At caffeine doses greater than 90 mg urinary sodium excretion was significantly increased. There were no changes in ERPF. Serum potassium was significantly reduced by 360 mg of caffeine. Caffeine increased systolic pressure in a dose related manner. Diastolic pressure was also increased, but not in relation to dose. A 360 mg dose of caffeine produced a late increase in heart rate. These changes were not associated with any alterations in PRA or in plasma noradrenaline.

参考論文

Passmore AP, Kondowe GB, Johnston GD. Renal and cardiovascular effects of caffeine: A dose-response study. Clin Sci (Lond.). 1987;72:749–756.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3297472

コーヒーでは利尿作用は意外と少なく、まず脱水を起こすことはありません。

特に運動する時には、カフェインは体内の電解質を変化させます。

カフェインは収取期血圧を向上させるので、運動時には好ましくない飲み物と思って頂いていたほうがいいでしょう。

まとめると

コーヒーなどのカフェイン飲料は、思っているほど利尿作用多くない。

コーヒーをを飲むと、体内電解質を変化させて(ナトリウム排泄)して収取期血圧を上げます。

コーヒーは水分補給としては理想的ではありませんが、純粋な水がどうしても飲めない方は、そこまでこだわらなくても良いでしょう。

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川崎浩司

「ながさき整骨院」代表  川崎浩司

厚生労働大臣免許 柔道整復師

2012年開業 目立つ看板を出さずひっそりと口コミ中心のスタイルで運営中。

人見知りで人前で喋ったり、目立つことが苦手なのに、うっかり(株)医療情報研究所から2018年に全国の徒手療法家向けのDVDを出版

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