世間では、乳酸が未だに疲労物質という意見が多いです。
こんな文章をウェブやチラシで見たことはありませんか?
- 骨格矯正やを行って血流を良くして疲労を取りましょう!
- マッサージで身体をほぐして血流を良くして疲労を取りましょう!
- ストレッチを行って血流を良くして疲労を取りましょう!
血流を良くして疲労物質(乳酸)を流して疲労を取りましょう!
というロジックですね。
これは本当なのでしょうか?
リサーチしてみました。
この記事を読んで頂いた人からはそういった誤解がなくなればよいかな、と思います。
疲労感は取れるが疲労自体は取れない
現時点で言える事としては、疲労を回復するには栄養をとって休養(睡眠など)することが重要です。
後ほど説明しますが、疲労物質=乳酸と言われてしましたが、そうではありません。
一昔前は、疲労物質=疲労の原因と言われていましたが、現在ではそういった単純な話ではないという事がわかってきています。
矯正やマッサージ・ストレッチなどの施術で、疲労物質=疲労の原因を除去し、疲労を回復しましょう。
という単純な話ではないということになります。
余談ですが、栄養ドリンクやエナジードリンクで疲労は取れることはありません。
疲労を30〜90分ほど先送りにしているだけで、疲労が取れることはありません。
疲労感は取れるかもしれませんが。
同様にサプリメントなども同様ですね。
まずは乳酸について解説します。
乳酸=疲労物質ではない?
乳酸とは。簡単に言えば糖が分解された時に発生する物質です。
「体内に乳酸が多いと、筋肉の出力が高まる」と最近では言われています。
「乳酸が疲労物質ではなく、スポーツやトレーニングなどのパフォーマンス向上している!」という研究がたくさん発表されました。
例えば、乳酸菌という名前はは聞いたことがありますよね?
ヨーグルトなどに含まれているアレです。 乳酸菌は、糖を分解して乳酸を作り出す菌のことです。
人間の身体でも常に糖の分解というのが行われています。
- 運動時(速筋「白筋」が使われる際)
- 食事(糖を摂取した際)
速筋(白筋)は、エネルギーを作り出すためのミトコンドリアやエネルギーを輸送する毛細血管が少ないという特徴があります。
そのため、糖を分解することで生まれるエネルギーがメインとなります。
余談ですが、遅筋(赤筋)は毛細血管が多いために赤く見えるということですね。
遅筋(赤筋)は、ミトコンドリアも多いため、酸素を使って脂質を分解してエネルギーを作り出す能力が高いという特徴があります。
糖が分解されて使われる過程を解糖系と言います。
解糖系では、糖はピルビン酸という変換されて取り込まれます。
ところが、ピルビン酸になる量は一定と言われています。
ピルビン酸になる一定以上の分解が行われた際には、乳酸という形で保存されます。
20年くらい前は「酸素が不足すると乳酸が作られる」と言われてきました。
最近の研究では、糖の分解が増えることで、ピルビン酸が過剰に作られて乳酸が作られると言われています。
最近の研究では、まず前提として運動時に酸素が不足という状態が起きないと言われています。
一定量しか作られないピルビン酸から乳酸が作られるのですが、体内では酸素を使ってエネルギー源として利用されます。
乳酸は、疲労物質や老廃物だと言われていましたが、運動後に疲労した状態を測定すると乳酸が大量に存在したという結果があったのです。
運動後の乳酸の量ですが、安静にしていれば大体1時間程度で使われて通常の量に戻ります。
何かをやって血流が良くなればもっと早く乳酸の量が少なくなります。
乳酸を増加させる要因
- 速筋(白筋)を使う負荷の高い運動
- 糖質を多く含む食品の摂取
の2つです。
乳酸が多いとパフォーマンス向上する!
体内に乳酸が多いと、筋肉の出力が高まるという研究結果もあります。
「乳酸が疲労物質ではなく、スポーツやトレーニングなどのパフォーマンス向上している!」という研究がたくさん発表されました。
また、乳酸が筋肉の肥大に関係するという話もあります。
乳酸が直接的に、筋肥大に関係しているというよりは
「乳酸値が高まるような状態はトレーニング効果が高い状態である」
ということです。
乳酸が溜まっている状態とは、疲労している状態の事もありますが、疲労していない場合もあるということです。
乳酸を大量に作って、大量に利用できるのが能力の高いアスリートです。
また、マラソンなどのような種目では、乳酸をたくさん作らない方が理想的と言われています。
乳酸が良いか悪いかというのは、スポーツの種目によって異なります。
とにかく乳酸が疲労物質ではないということだけ理解いただければ幸いです。
その一方で「疲労の原因とは何?」
大きな疑問になりました。
疲労の原因は?
最近の研究では、疲労の原因というのはあまりに要因が多過ぎて、特定ができないとされています。
疲労は、一つのものが理由ではないということですね。
疲労の原因としては
- エネルギー源の不足(糖質や脂質不足)
- エネルギー生産が間に合わない
- 体温上昇
- 筋線維が損傷
- カリウム・カルシウム・ナトリウムなどのバランス変化・減少
- 筋腱の弾性変化
- 脳・神経
- 他多数・・・
とされています。
これだけ多くの原因があるわけですから、一つに断定できません。
少なくとも、疲労の原因=〇〇です!
という断言はできません。
疲労とは、複雑に絡み合う身体の活動が原因で、疲労が起きるということです。
矯正やマッサージ・ストレッチなどの施術で疲労が取れる?
筋腱の弾性変化を出すことはできるかもしれませんが、他の疲労の要因に対して変化を出すことは難しいでしょう。
疲労の原因としては
- エネルギー源の不足(糖質や脂質不足)
- エネルギー生産が間に合わない
- 体温上昇
- 筋線維が損傷
- カリウム・カルシウム・ナトリウムなどのバランス変化・減少
- 筋腱の弾性変化
- 脳・神経
- 他多数・・
ですから、繰り返しになりますが疲労を取るには、しっかり栄養を摂取して、しっかり休養(睡眠)をとる事です。
栄養ドリンク・エナジードリンク・サプリメントも同様ですね。
栄養ドリンク・エナジードリンク・サプリメントを摂取して、上記8個の項目を変化させることは難しいでしょう。
まとめ
疲労の原因としては
- エネルギー源の不足(糖質や脂質不足)
- エネルギー生産が間に合わない
- 体温上昇
- 筋線維が損傷
- カリウム・カルシウム・ナトリウムなどのバランス変化・減少
- 筋腱の弾性変化
- 脳・神経
- 他多数・・
現時点で言える事としては、疲労を回復するには栄養をとって休養(睡眠など)することが重要です。
後ほど説明しますが、疲労物質=乳酸と言われてしましたが、そうではありません。
一昔前は、疲労物質=疲労の原因と言われていましたが、現在ではそういった単純な話ではないという事がわかってきています。
矯正やマッサージ・ストレッチなどの施術で、疲労物質=疲労の原因を除去し、疲労を回復しましょう。
という単純な話ではないということになります。
余談ですが、栄養ドリンクやエナジードリンクで疲労は取れることはありません。
疲労を30〜90分ほど先送りにしているだけで、疲労が取れることはありません。
疲労感は取れるかもしれませんが。
同様にサプリメントなども同様ですね。
参考論文
https://science.sciencemag.org/content/305/5687/1112
https://biz.arkray.co.jp/lact/hatta/
https://www.gelifesciences.co.jp/newsletter/biodirect_mail/chem_story/132.html