頭蓋骨調整、頭蓋仙骨系と聞いても、あまり馴染みがなくピンと来ないかもしれませんね。
実は100年くらい前から存在する伝統的な古い療法の一つです。
筋骨格系、内臓系、頭蓋仙骨系の3つは施術の基本であり、3つの系は、いづれかが他の2つの系の機能を厳密に決定する統括者という関係にはありません。
これら3つの系は、それぞれ全身の統一的機能の一部として機能しています。
頭蓋骨調整、頭蓋仙骨系について
現在でも使われている頭蓋領域の施術の基礎は、1930年代初め、主にウィルアム・ガーナー・サザーランドD.O.により開発されました。
サザーランドは、分解された頭部を観察し、蝶形骨大翼と頭頂骨と側頭骨鱗部との接合部に関心を持ちました。
接合部は魚のエラのようであり、呼吸運動のメカニズムの関節運動を示すものと考えた。
頭蓋縫合線は硬直しており、不動と考えられていましたが、「頭蓋運動の可能性」から頭が離れませんでした。
その後、サザーランドは頭蓋骨の運動は、頭蓋硬膜、大脳鎌、小脳天幕、小脳鎌、脊髄硬膜により調整されていることを発見し、「相互張力膜」と呼びました。
サザーランドは、頭蓋の運動を手探りで探り続け、脳の自動運動、脳脊髄液の規則的でリズミカルな波動、さらに脳脊髄硬膜、「頭蓋骨のおよび仙骨の可動性がこの運動の基礎」であるとの結論に達しました。
さらにサザーランドの研究には自己実験も含まれていました。
頭部の特定の場所を圧迫できるようにヘルメットを自作し、頭蓋骨に与える影響を制限の効果を探りました。
頭痛、幻覚、視覚障害および聴覚障害において人為的な制限に反応が見られただけでなく、人格の変化まで生じることがあり、妻を驚かせることもありました。
サザーランドは、与える制限を修正しつつ結果を観察し、最終的に目指したのは患者の障害を治癒しうる診断及び治療の可能性でした。
サザーランドは。1934年から1939年まで、脳性麻痺、水痘症、協調運動障害、多動症、その他に発達障害に苦しむ幼児の治療も手がけました。
治療する中で、知見を深め、治療成果も上がり、多くの用事が通常の生活に戻ることができました。
サザーランドは、20年以上にわたり、自らの「感じ、見。考える指」を使って頭蓋内および頭蓋表面の構造、可動性および微小な運動について研究するとともに、頭蓋に加わる制限とこれを治療する可能性を探求し、自らの研究結果を発表しました。
研究と臨床の積み重ねが頭蓋仙骨オステオパシーという新しい治療が開発されたのでした。
特に。サザーランドは身体の流動的要素、特に脳脊髄液に注目し、体液への微小なインパルスが堅固な身体構造の安定を失わせるきっかけになることも発見しました。
その後、多くの刊行物も刊行され、オステオパスと研究者の数も増え、サザーランドとウィーバーが創始した頭蓋領域のオステオパシーはさらなる発展を遂げました。
頭蓋骨について
実は頭蓋骨というのは、ヘルメットのような一つの骨で出来ていません。
23個(舌骨を入れると24個)の骨がパズルのように結合し1つの頭蓋骨を形成しています。

後頭骨・蝶形骨・側頭骨・頭頂骨・前頭骨・篩骨・下鼻甲介・涙骨・鼻骨・鋤骨・上顎骨・口蓋骨・頰骨・下顎骨・舌骨です。
それぞれ骨で小さいのですが、関節を作っています。
頭蓋骨が顔面の約60個の関節を繋いでいる縫合があり、施術の対象箇所になります。
