姿勢と痛みの関係について聞かれることが多いです。
「姿勢が悪い」=「痛みやコリの原因」
と言われがちですが、関係ありません。
姿勢というのは、体性感覚、平衡感覚、視覚によって決定され、筋力などは構成要素には入りません。
そもそも前提として
「医学的に良い姿勢というのは存在しない」
「良い姿勢と悪い姿勢の基準はない」
ということが医学的な大前提になってきます。
ではなぜ、姿勢と痛みを直結するような意見が多いのでしょうか?
姿勢のような定量化できるものではなく、定性化するものは商売に繋げやすいのです。
姿勢を良くすれば痛みは改善します。
姿勢を良くする施術をしていきましょう、と言った方がわかりやすく通わせやすいのです。
また、痛みが良くならない場合も、普段の生活で良い姿勢の維持の意識を徹底していますか?
良い姿勢の意識が足りないので、痛みが良くならないのです。
施術は悪くないです、あなたの姿勢への意識が足りないから痛くなるのです。
という論調で言われたことはありませんか?
痛みが良くならないのは、施術が悪いのではなく、あなたの姿勢への意識の問題ですという、理論武装にも使えます。
じゃあ、なぜ痛みが良くならないのか?
単に施術が足りないのです。
施術は神経、関節、筋肉の順番で行うことがスタンダードですが、筋肉だけ関節だけ神経だけしか施術を行わないセラピストが多い印象です。
痛みが改善しないのは、何か施術が抜け落ちているのではないでしょうか?
姿勢姿勢と騒ぐ前に、もっとやるべきことはたくさんあるのではないでしょうか?
参考論文
https://cor-kinetic.com/science-behind-assessing-blaming-posture-pain-bs/
この研究、追跡調査によると骨盤の傾斜や腰椎曲線と頸椎のアライメントなどと、痛みに相関関係はないと発表されています。