現代人は姿勢で悩んでいる方が多いです。
90%の方がいわゆる首猫背の状態とも言われています。
首猫背というのは、専門的にいうと「フォワードヘッド」・「前頭位」といいます。
首猫背と自律神経の関係について解説します。
フォワードヘッド(首猫背)と自律神経について
首猫背(フォワードヘッド)は身体に、どんな影響をおよぼすのでしょうか?
首猫背(フォワードヘッド)は自律神経や呼吸と大きな関係があります。
首猫背(フォワードヘッド)になると、口が開きやすくなります。
試しに、頭が前に出すと、口が開きやすくなるのがわかるはずです。
吸気は鼻から行うことが基本です。
口が開くと鼻呼吸がやりにくくなります。
口が開くと口呼吸がやりやすくなります。
試しに、口を開けた状態で鼻から吸う場合と閉じて吸う場合とを比べてみてください。
明らかに開けている場合の方が鼻から吸いにくくなります。
首猫背(フォワードヘッド)になることで口が開きやすくなるのは、解剖学的に舌骨下筋群(胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・甲状舌骨筋・胸骨甲状筋)が伸張させられることで、下顎骨が下方後方へ引っ張られることに起因しています。
首猫背(フォワードヘッド)になることで解剖学的に舌骨下筋が伸張され、開口しやすくなるという事ですね。
呼吸と自律神経の関係
首猫背(フォワードヘッド)になって、口が空くと鼻呼吸がしにくくなります。
口呼吸が増える事で、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると、1回あたりの換気量が低下するため、どうしても1分間あたりの呼吸の回数が増えます。
呼吸の回数が増えると交感神経優位となり、その状態が常態的に続くこととなります。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経は「闘争と逃走」
副交感神経は「休息と食事」
この正反対の働きをする機能を、「拮抗的二重支配」といいます。
現代人は、一時のストレス環境下におかれるだけではなく、長期にわたってストレスを受けていることが多々あります。
ストレスは交感神経を興奮させます。
ストレスなどで、絶えず交感神経優位の状態が続くと交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。
したがって、自律神経に支配される内臓などはバランスを失った状態が長く続きます。
内臓からは、ホルモンの分泌が行われています。
そのホルモンの影響は、血圧や血糖値のコントロール、心拍数、排尿など多岐にわたります。
ヒトの恒常性(ホメオスタシス)を保つことが難しくなり、様々な病気が身体に現れる原因にもなります。
交感神経優位の状態が続くと、筋の緊張も亢進しやすくなり、肩こり・頭痛や腰痛を助長し、疲労がたまりやすくなります。
つまり、交感神経優位の状態が続く事で、身体にとって望ましくないことが起こります。
また一度、交感神経にスイッチが入ると、数時間はその状態は続くと言われています。
そうすると副交換神経とのスイッチの切り替えも上手くいかず、常に交感神経優位の緊張した状態が続きます。
現代人は、交感神経優位の状態が続いている方が多い印象です。
様々な不定愁訴を訴える方が増えているというのも仕方ないのかもしれませんね。
フォワードヘッド(首猫背)と胸椎のフラット化
首猫背(フォワードヘッド)の方で、全員が全員ではありませんが、胸椎がフラット化する方もいます。
一部の方は、首猫背(フォワードヘッド)になる事で、脊柱彎曲が減少してしまうのです。
頸椎や腰椎には存在せず、胸椎にしか存在しないものがあります。
それはなんでしょうか?
答えは交換神経です。
交感神経は胸椎部分にある胸髄1番~12番(厳密には、+腰髄3まで)の脊髄灰白質から始まり、前角から出ています。
副交感神経は脳幹と第2~4仙髄から出ています。
交感神経の緊張は、胸髄の末梢神経が支配している脊柱起立筋の緊張させます。
簡単にいうと、背中の背骨の脇の筋肉が緊張するという事ですね。
そのため、脊柱起立筋は慢性的に緊張する事で、脊柱を伸展方向に引っ張り、脊柱のカーブをフラット化させることがあります。
まとめ
首猫背(フォワードヘッド)になることで解剖学的に舌骨下筋が伸張され、開口しやすくなります。
首猫背(フォワードヘッド)になって、口が空くと鼻呼吸がしにくくなります。
口呼吸が増える事で、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると、1回あたりの換気量が低下するため、どうしても1分間あたりの呼吸の回数が増えます。
呼吸の回数が増えると交感神経優位となり、その状態が常態的に続くこととなります。
交感神経優位の状態が続くと、筋の緊張も亢進しやすくなり、肩こり・頭痛や腰痛を助長し、疲労がたまりやすくなります。
つまり、交感神経優位の状態が続く事で、身体にとって望ましくないことが起こります。
また一度、交感神経にスイッチが入ると、数時間はその状態は続くと言われています。
そうすると副交換神経とのスイッチの切り替えも上手くいかず、常に交感神経優位の緊張した状態が続きます。
現代人は、交感神経優位の状態が続いている方が多い印象です。
様々な不定愁訴を訴える方が増えているというのも仕方ないのかもしれませんね。