新規の患者さんと意外に多いやりとりがあります。
マッサージに行った時に
- 「硬いですね」
- 「ひどく凝ってますね」
と言われました。
というやりとりです。
肩こりの自覚はないけど「肩やばいですね」
腰痛の自覚はないけど「腰やばいですね」
などと言われたということも多いようです。
言われた本人は自覚もないのに、いったいどういうことでしょうか?
リサーチしてみました。
専門家の18%が筋の硬結を実際に触診で硬いと感じ、その倍以上の専門家が普通の健康な組織を硬いと感じた
専門家の18%が筋の硬結を実際に触診で硬いと感じ、その倍以上の専門家が普通の健康な組織を硬いと感じた。
という研究結果があります。
参考論文
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1404132/
筋筋膜性疼痛症候群(MFP)の4人の専門家がトリガーポイント検査を実施しました。
線維筋痛症の4人の専門家が、診断を知らされていない状態で3グループの被験者(線維筋痛症の患者7人、MFPの患者8人、健康な人8人)に対して圧痛点検査を実施しました。
局所の圧痛は、両方の疾患グループ(65〜82%)で一般的でしたが、MFP専門家の検査の大部分(82%)で誘発されました。
線維筋痛症およびMFPの患者の検査の約18%でアクティブなトリガーポイントが見つかりましたが、潜在的なトリガーポイントはすべてのグループでまれでした。
しかし、トリガーポイントのより自由な定義は、線維筋痛症とMFPの患者の間でそれぞれ38%と23%の陽性率をもたらしました。
緊張した筋肉バンドと筋肉のけいれんは一般的であり(それぞれ50%と30%)、3つの診断群すべてで等しく認められました。
緊張したバンド、筋肉のけいれん、およびアクティブなトリガーポイントについて、信頼性の問題が特定されました。
データは探索的で暫定的なものですが、これらの一般的な症候群の知識を深めるには、定義と信頼性に注意を払う必要があることを示唆しています。
となっています。
つまり、この研究結果によると82%の専門家が普通の健康な組織を硬いと勘違いをしているということになります。
意外と正確に筋の硬結を正確に判断するというのは、難しいということになりますね。
マッサージに行った時に
- 「硬いですね」
- 「ひどく凝ってますね」
というのも、なかなか難しい話ですね。
少なくとも、このデータを基に考えるならば18%は当たっているということですから、100%否定もできません。