坐骨神経痛の原因が足の指だったという話〜江古田・小竹向原在住の方の症例
腰も痛いんですが、お尻から足にかけて痛くなりまして、病院に行ったら坐骨神経痛だと言われました。
はい。大丈夫でした。MRIも撮りましたし、骨にも異常ないと言われました。
ちょっとはマシになったと思うんでが、急に動いたりするとびりっとします(笑)この坐骨神経痛は腰からきているんですか?
坐骨神経痛は病名じゃない
”痛”ってついていますよね。例えば頭痛とか、腹痛って病名ですか?
お尻から足にかけて、坐骨神経のラインに沿って痛みや痺れが出るこ症状を坐骨神経痛って呼ばれます。
なるほど!じゃあ、ヘルニアで足が痺れるっいうのは?
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症という病名に付随して、坐骨神経痛が出ることがあります。
腰の骨の間から、脚への神経が出ているんですが、ヘルニアとなった椎間板に圧迫されて、神経に何か問題が出ていて、坐骨神経痛となって出ることもあります。また、原田さんが調べた梨状筋という筋肉が原因で坐骨神経痛が出ることもあります。
坐骨神経痛の95%は梨状筋が原因

梨状筋が緊張して、固まって坐骨神経痛を締め付けるからだと言われています。ただ、まだよくわかっていないことの多いので、この仮説が今後変わっていく可能性があります。
はい。梨状筋という筋肉が原因というのはネットでみました。
実は、緊張して硬くなっている梨状筋を緩めていくというのは、短絡的な発想なんです。
梨状筋が緊張して固くなるのは原因がある。
なぜ、梨状筋が緊張して、固まるのかを考えなければいけないんです。どうしてだと思いますか?ヒントは反り腰です(笑)
もしかして、これ以上腰が反らないように、梨状筋が緊張して固くなるってことですか?
そうなんです!なぜ、梨状筋が緊張して固まるのか? 仙骨がそれ以上前傾しないように、梨状筋が固まってバランスを取っているのです。ということは、坐骨神経痛を治すには・・・
坐骨神経痛は仙骨の前傾が原因?

そうなんです! そうなんですと言いたいところなのですが、なぜ仙骨が前傾してしまうかなんです。
なるほど。仙骨の前傾を和らげるだけでは、根本治療ではないんですね。
そうなんです。何か反り腰になってしまう原因があるはずですからね。
梨状筋という筋肉と、仙骨、坐骨神経痛の説明をしますね。
梨状筋と坐骨神経と仙骨の機能解剖学のお話をします。
梨状筋
梨状筋は仙骨の前側から坐骨孔という穴を通って、大腿骨大転子の後ろ側の上にくっつきます。
梨状筋の働きは股関節の外旋です。
簡単に言えば立った状態でまっすぐに足を伸ばします。
そのまま、つま先が外に向けるような動きをすると股関節の外旋です。
逆に、股関節が内旋すると、梨状筋は引き伸ばされてテンションがかかります。
仙骨と股関節
仙骨が前傾すると、骨盤の構造上、大腿骨は内旋します。
仙骨が前傾すると、股関節の付け根である股関節の臼蓋は上方に移動するので、後方の覆いが減ってしまいます。
股関節の臼蓋の後方の覆いが減るのを補うために、大腿骨の骨頭は後ろ側に入り込むように移動します。
大腿骨の骨頭が後ろに入り込む動きは、股関節の内旋の動きです。
以上をまとめると
仙骨が前傾する→大腿骨(股関節)が内旋する→梨状筋が引っ張られてテンションが高まる→坐骨神経が絞扼される
ということになります。
そうです。原田さんの場合、大腿骨の内旋がちょっときついので、それが原因かと。
でも、まだ根本原因があるんです(笑)なぜ、大腿骨が内旋してしまいますか?
足の指なんです。足の指がうまく使えていないことが原因で結果として大腿骨が内旋し、仙骨が前傾し、梨状筋に問題が発生して坐骨神経痛が起きているということです。
そうなんですね。そういえばよく、何もないないところでつまづいたりします(笑)足の裏が疲れやすいです。
足の指は力持ち
実は足の指というのは、かなり強力な指です。足の指は全体重が支えられます。爪先立ちのような動きは、足の指以外にできません。その強力な足の指が使えていないわけですから、他の関節に与える影響は大きいのです。
そう言われれば、そうですね。今まで考えもしませんでした。
浮き指になってしまっている
施術を受けにくる腰痛のほとんどの方が、指の間が広がり、反ってしまい、浮き指になってしまっています。足の指を開くと、力が入らないのです。
あ、私も指反っているかも。指の付け根のところにタコができます。
腰痛の方は、指の付け根のタコができている方多いですよ。足の指を広げた状態で、腕を回してもらったり、首を回してもらうと動きが悪くなったり、痛みが出たり、動きに引っかかる感じがありません?
浮き指だと、ふくらはぎや足の裏が疲れやすい、足底腱膜炎にもなりやすくなりますね。
あ、私そうなんです。よく足裏マッサージに行っていました(笑)
ふくらはぎの筋肉と大腰筋

大腰筋は、浅部(浅頭)は第12胸椎と第1~4腰椎の側面およびそれらの間に介在する椎間円板から始まります。
深部(深頭)は第1~5腰椎の肋骨突起から起始します。
それぞれ、腸骨筋と合流して腸腰筋となり腸骨筋膜に包まれ、腸恥隆起を越えて走り筋裂孔を通って小転子で終わります。
筋肉の作用としては股関節の屈曲という動作です。
また、大腰筋はかなり強力な筋肉なんです。
大腰筋(腰の筋肉)が機能しなくなると、下腿三頭筋(ふくらはぎ)が代償動作として機能し始めます。また、下腿三頭筋(ふくらはぎ)が機能しなくなると、大腰筋(腰の筋肉)が代償動作として機能し始めます。大腰筋と下腿三頭筋は相互フォローのような関係にあります。
じゃあ、ふくらはぎが張るということは、腰も張ってくるということですか?
そうなんです!股関節のオペをしている方が、ふくらはぎがパンパンなのは、そういうことです。大腰筋がうまく機能しなくなっていますからね。
そうなんですね! 全部当てはまっていますね(笑)足の指から、そこまで話が広がるとは(笑)
下腿三頭筋(ふくらはぎ)がうまく機能しなくなると、大腰筋がフォローするべく、働き始めます。そうなると、大腰筋の負担が大きくなりますよね。つまり、下腿三頭筋が弱体化すると、背中や腰の負担が大きくなります。
施術と並行して、足の指も鍛えましょうということです!
まとめると
坐骨神経痛の多くは梨状筋という筋肉が原因だと言われています。
梨状筋は骨盤にある筋肉です。
仙骨が前傾する→大腿骨(股関節)が内旋する→梨状筋が引っ張られてテンションが高まる→坐骨神経が絞扼される
さらに大腿骨が内旋する理由は様々ですが、この方の場合は足の指が使えていないことが原因でした。
骨盤は身体の中心部にあり、様々な影響を受けやすいのです。
腰痛の方や坐骨神経痛の方は、多くの方が足の指が使えていません。
足の指を強化していくことが、腰痛や坐骨神経痛の根本解決になります。