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頭蓋骨の個々の骨は複雑に歪んでいる
頭蓋骨というのは、一つの骨ではありません。
頭蓋骨はたくさんの小さな骨がパズルのようにくっついています。
小さな骨の一つ一つに、ごくわずかなミリ単位の動きがあります。
ごくわずかなミリ単位の動きがあるということは、ミリ単位の小さな歪みがあるということです。
身体が不調の方は、この頭蓋骨のごくわずかなミリ単位の動きが失なわれています。
また、ミリ単位の小さな歪みが、意外と身体には大きな影響が出ることもあります。
頭蓋骨が本来の動きを取り戻すと、身体が本来の動きを取り戻します。
頭蓋骨の機能解剖学
頭蓋骨というのは、ヘルメットのようにつるんと一つの骨で出来ていません。
23個(舌骨を入れると24個)の骨がパズルのように結合し1つの頭蓋骨を形成しています。
そんな固い頭蓋骨が捻れるとか歪むというのは、あまりイメージできないのではないでしょうか?
後頭骨・蝶形骨・側頭骨・頭頂骨・前頭骨・篩骨・下鼻甲介・涙骨・鼻骨・鋤骨・上顎骨・口蓋骨・頰骨・下顎骨・舌骨です。
それぞれ骨で小さいのですが、関節を作っています。
頭蓋骨が顔面の約60個の関節を繋いでいる縫合があります。
触診ができる縫合は約半分くらいと言われています。
逆に言えば半分近い関節の縫合、関節も触診、検査、調整することができます。
ごく小さい関節なのですが、指の関節、肘、肩、股関節や肩の関節と同じ関節です。
大きさは違いますが、同じ関節です。
頭蓋骨の小さな関節が変化すれば、身体のどこかの関節が変化するということです。
調子が悪い方の頭蓋骨は横に膨らんでいます。
肩こり・腰痛・ひざ痛、背中の痛み、首痛、腱鞘炎、寝ても疲れが取れない、常に息苦しい、慢性疲労、ヘルニア、精神的なストレス、胃腸の不調など、挙げていくとキリがありませんが、不調な方をチェックしていると、間違えなく横に膨らんでいて、頭蓋骨自体の可動性がないのです。
頭蓋骨はねじれたり歪んだりするのですが、下の写真を見ていただくと、耳の位置が左右でずれてしまっているのがお分かりいただけると思います。
なぜ、頭蓋骨の動きがなくなったり、横に膨らむのでしょうか?
頭蓋骨は膨らんだり縮んだりしている。
一次呼吸と言って、息を吸うと横に膨らみ、息を吐くと縦に膨らみます。
一分間に15回程度動いていると言われています。
自律神経失調症の方を長年診ていてある傾向に気がつきます。
頭蓋骨がねじれていたり、歪んでいるのはもちろんですが、頭蓋骨が横に膨らんでいるのです。
身体の不調が出ている方は、頭蓋骨が横に膨らみ、肋骨も横に膨らんでいます。
施術して調子が良くなると、頭蓋骨と肋骨も締まり、頭が小さくなった印象を受けると思います。
身体は水の入った風船
「人体は水の入った色々な大きさの風船袋の集合体」ということです。
外側の大きな袋に圧力をかけると、当然変形しますよね。
中のヘチマ状につながった全ての袋が変形します。
頭蓋骨が横に膨らむと?
単純に頭が膨らむと、神経の入っている菅も膨らみ、脳脊髄液でいっぱいになります。
すると脳だけでなく、脊髄や神経も圧がかかり、働きが悪くなります。
また、脳圧がかかり血液を脳に送りづらくなり、心臓にも負担がかかります。
また、頭蓋骨が横に膨らむということは、全身を包んでいる膜自体も膨れます。
すると胸郭内の内圧が下がり、息が吸い込まれ、胸郭は空気で満たされます。
これは肋間筋が収縮して肋骨が上に上がり、横隔膜は下がります。
つまり、息を吸ったままの状態になるのです。
長期化すると常に呼吸が浅く、一日中疲れている状態。
心臓にも負担がかかり、心臓も疲れます。
横隔膜が下がると胃を圧迫します。
胃が圧迫されると、腸の負担も大きくなります。
食欲不振や過食、胃もたれ、便秘、下痢などの症状で悩まされることになります。
頭蓋骨が横に膨らむことの脳の圧迫的ストレスは精神にも影響を及ぼします。
精神の不安定、やる気が出ない、自分勝手、怒りっぽい、うつ症状、集中力がなくなる、など。
脳脊髄液自体が脳に溜まるので、脳自体もストレスがかかるのです。